水草ミストウォール90とジャングルプランツで雨季の熱帯水没林を表現

[ 水辺の交流 ]
このレイアウトでは、新製品の水草ミストウォール 90を用いて雨季の熱帯水没林を表現している。大きめのブランチウッドの枝が水面から突き出すように配置し、さまざまな水草やジャングルプランツを水中から水上まで活着させることで熱帯の水辺環境の多様性を演出した。水槽システムの関係上、照明の位置が高いため水中の光量は低くなるが、そこはボルビティスやアヌビアス、色味の異なるラゲナンドラなど耐陰性のある陰生水草を多用することで対応した。このレイアウトは乾季で水位が減っているところを想像して制作しているため、水位を下げても楽しめるレイアウトになっている。

DATA

撮影日：2019年2月20日（ADA）
水槽：キューブガーデン　W90×D45×H45（cm）
照明：ソーラーRGB×1基  1日10時間点灯、ソーラーRGB専用シェード
システム：水草ミストウォール 90、水草ミストウォール 90 対応スチールキャビネット、ミストフロー、ライトスクリーン90 W90×H45（cm）用  ※グラデーションフィルムはサンプル
ろ過：スーパージェットフィルターES-600（バイオリオM）（水深45cm用×2台）
底床：アクアソイル-アマゾニアⅡ、ラプラタサンド、パワーサンド・アドバンスM、バクター100、クリアスーパー、トルマリンBC
CO₂：パレングラス・ラージ30Ø、CO₂ビートルカウンターで1秒に3滴（タワー使用）
AIR：リリィパイプP-6によるエアレーション 夜間消灯時14時間
添加剤：ブライティK、グリーンブライティ・ミネラル、グリーンブライティ・アイアン、グリーンブライティ・ニトロ
換水：1週間に1度　1/3
水質：水温25℃　pH：6.8　TH：20mg/L

アクアテラリウムの可能性を広げる新開発のウォールシステム

DOOAから登場した新しいウォールシステム「水草ミストウォール」により、アクアリウムの新たな可能性が生まれました。従来のオープンアクアリウムやアクアテラリウムでは、水中の空間が狭くなったり、植物によっては水上での健康な育成や長期間維持することが困難でした。水草ミストウォールは超音波霧発生装置ミストフローを設置することが可能になり、保湿作用を高めることで多湿の環境を好む植物の育成が容易になりました。これにより、さまざまな種類の水草やジャングルプランツが健康に育成できるようになり、みずみずしく自然感にあふれた新しいレイアウトの表現が可能になったのです。

水面から突き出した流木はそのままでは十分に水が行き渡らないが、カスケード部からモス伝いに水を供給することで活着性植物やモスが生育可能になる。また、それでも乾きやすい部分には、乾燥に強い陸生のコケやシダを使用した。

今回ウォールに使用したヤマサキカズラは、サイズに余裕のある90cm水槽だからこそ、その魅力を十分に発揮することができる。次々に大きく展開する葉は水上の開放感を高め、下のアヌビアス・バルテリーやジャングルプランツに当たる光を適度に弱めてくれる。また、水中に大胆に下ろした根は、水中と水上とのつながりを意識させてくれる。

ミストフローから発生する霧が、ウォールの植物や流木の水上部分に活着している植物に適度な湿度を与える。ここではウォールの左右に大きめの植物を配置し、霧が脇に逃げないようにしている。

このタイプのレイアウトでは水中に届く光がどうしても弱くなる。そのため水中部分の水草の選択が重要になり、耐陰性が強い水草を重点的に選ぶ必要がある。ここでは、流木に葉の形の異なる2種類のシダを活着させて変化をつけた。

水草ミストウォール90でジャングルプランツを楽しむための新しい水槽システム

水草ミストウォール 90を安定した状態で使用するために、「水草ミストウォール 90対応スチールキャビネット」が同時発売になりました（どちらも受注生産）。この新しいスチールキャビネットは前板と左右の横扉を取り外すことができ、スーパージェットフィルターやタワーなどの器具が楽に設置できます。また、ソーラーRGB設置アームが水槽台に組み込まれているため、水草ミストウォールを使用しない90cm水槽用の水槽台としても使用できます。水草ミストウォールとライトスクリーンの併用も可能で、点灯することで水中の演出効果が高まります。このタイプのレイアウトでは、どうしても水中の光が弱くなりますが、ライトスクリーンは補助照明としての役割も果たします。