NATURE IN THE GLASS 「Aqua Design Amano」
「長期維持」の概念を引き継いだ
公共施設でのネイチャーアクアリウム
朱鷺メッセは大型展示場、美術館、ホテルなどが一体化した新潟を代表する複合一体型コンベンション施設であり、イベント時などは沢山の人で賑いをみせる。そのためこの水景は、複数あるADAの管理水槽の中でも1番多くの人の目を楽しませてきたものと言えるだろう。ネイチャーアクアリウムにおける長期維持とは、自然のように時間経過にともなった美しさが宿る景観を維持することを意味する。天野 尚がネイチャーアクアリウムを確立した当初から持ち続けていた長期維持という概念とそのノウハウを現在のメンテナンススタッフが引き継ぎ、10年以上経ったこの水景は今もなお水草の持つ美しさで人々の目を惹き、悠久の自然のような美しさを感じさせてくれる。
陰生水草の活用
生長が緩やかな陰生水草は急激に大きくはならないため景観のバランスを崩しにくい。こうした公共施設に設置する大型水槽では、アヌビアスなどの陰生水草で骨格まわりをつくり込むことが大切であり、そのほうが長期的に景観の維持がしやすくなる。
生長が緩やかな陰生水草は急激に大きくはならないため景観のバランスを崩しにくい。こうした公共施設に設置する大型水槽では、アヌビアスなどの陰生水草で骨格まわりをつくり込むことが大切であり、そのほうが長期的に景観の維持がしやすくなる。
藻類対策は確実に
長期的に水景を美しく保つうえでの問題として、藻類の発生があげられる。その対策としてヤマトヌマエビ、サイアミーズ・フライングフォックス、オトシンクルスを少し多めに入れアヌビアス・ナナに付く斑状の藻類を抑制している。
長期的に水景を美しく保つうえでの問題として、藻類の発生があげられる。その対策としてヤマトヌマエビ、サイアミーズ・フライングフォックス、オトシンクルスを少し多めに入れアヌビアス・ナナに付く斑状の藻類を抑制している。
長期維持のコツは底床から
水槽内で最も水圧のかかる最底部に敷いたパワーサンドは、通水性を維持し、時間の経過とともに緩やかに水草の根に栄養を与えてくれる。それらの効果は水中で繁茂する水草の生長に現れる。
水槽内で最も水圧のかかる最底部に敷いたパワーサンドは、通水性を維持し、時間の経過とともに緩やかに水草の根に栄養を与えてくれる。それらの効果は水中で繁茂する水草の生長に現れる。
管理水槽を「長期維持」するということ
新潟薬科大学のキャンパス内にあるこの水槽は2013年2月に制作された。このようなADAの管理水槽は新潟市内の病院や公共施設にいくつかある。ネイチャーアクアリウムを通して自然の美しさを学び、見る人に癒しを与えたいという施主の思いに応えるべく、メンテナンススタッフは日々全力で管理にあたっている。基本的に管理水槽は1〜2週間に一度の管理となっており施設の都合により管理できる時間帯も制限されているため、限られた時間内で必要な管理作業を行わなくてはならない。常にベストな状態を求められる管理水槽には、これまで培ってきたADAの管理ノウハウがいかされている。
大型水槽ならではの前景草選び
水槽全体の中でも特に前景の水草が伸びすぎてしまうと水景の維持が難しくなる。そのためこの水景もグロッソスティグマやエキノドルス・テネルスなど丈が長くならない水草をチョイスしている。また、中景とのつなぎにブリクサ・ショートリーフを使用しているが、ランナーなどを伸ばして殖えないため同じ中景草のクリプトコリネなどよりも育成のコントロールがしやすくなっている。
水槽全体の中でも特に前景の水草が伸びすぎてしまうと水景の維持が難しくなる。そのためこの水景もグロッソスティグマやエキノドルス・テネルスなど丈が長くならない水草をチョイスしている。また、中景とのつなぎにブリクサ・ショートリーフを使用しているが、ランナーなどを伸ばして殖えないため同じ中景草のクリプトコリネなどよりも育成のコントロールがしやすくなっている。
トリミングに強い水草を選ぶ
有茎草はトリミングを重ねることで側芽の展開を促し高密度な有茎草のラインをつくることが管理の基本だが、古くなった下の葉が落ちてもアヌビアスなどの中景草が隠す役割になり景観を長く美しく見せることができる。
有茎草はトリミングを重ねることで側芽の展開を促し高密度な有茎草のラインをつくることが管理の基本だが、古くなった下の葉が落ちてもアヌビアスなどの中景草が隠す役割になり景観を長く美しく見せることができる。
前景草の維持テクニック
下草の矮小化や生育不良が出始めた場合、下草とソイルの間に溜まった汚泥を水と一緒に吸い出すことが重要。その上からアマゾニアパウダーを薄く撒くことにより汚泥が詰まっていた層に新しいソイルを補充することができる。
下草の矮小化や生育不良が出始めた場合、下草とソイルの間に溜まった汚泥を水と一緒に吸い出すことが重要。その上からアマゾニアパウダーを薄く撒くことにより汚泥が詰まっていた層に新しいソイルを補充することができる。