NATURE IN THE GLASS 「水はめぐる」PART 2
山水石でつくる完成時のイメージから逆算した構図骨格
構図のつくり方は人それぞれ、ケースバイケースだと思うが、今回のレイアウトでは、完成時のイメージから逆算して構図をつくった。想定したレイアウトのイメージは、水上部分を多く取り、そこにモスやジャングルプランツが繁茂したものだったので、構図素材はほとんど隠れて印象が弱くなることが予想された。そこで、植物が繁茂した後も構図骨格の印象が残るように、構図素材は荒々しい印象の山水石を選び、組み方も迫力を出すように意識した。今回使用した水槽は、奥行きが通常の倍の120cmある特殊な180cm水槽なので、その奥行きを生かすように、山水石を組んで奥に入り込むような凹型構図をつくり、前景に白い化粧砂を敷いて奥行きをさらに強調した。なお、アクアソイルの下には、かさ増しのため軽石を敷いている。

荒々しい構図骨格
構図骨格には、荒々しく迫力ある山水石を多く使用した。大きな石から順に組み上げて骨組みを構築し、底床の敷き分け(アクアソイルと化粧砂)を行いながら全体のバランスを整えていく。
構図骨格には、荒々しく迫力ある山水石を多く使用した。大きな石から順に組み上げて骨組みを構築し、底床の敷き分け(アクアソイルと化粧砂)を行いながら全体のバランスを整えていく。

石の選定
ギャラリーを埋め尽くす巨大な山水石。素材の集積場所でイメージにあった形と大きさの石を大まかに選び、その中からレイアウトに使う石を厳選していく。
ギャラリーを埋め尽くす巨大な山水石。素材の集積場所でイメージにあった形と大きさの石を大まかに選び、その中からレイアウトに使う石を厳選していく。

数人がかりの大仕事
石が大きく重いため、配石はスタッフ数人がかりの大仕事となる。微妙な石の傾きを決めていく。
石が大きく重いため、配石はスタッフ数人がかりの大仕事となる。微妙な石の傾きを決めていく。

特寸サイズの山水石はボンドや接着剤などを使わず、小さめの石を利用して傾きを調整しながら組み上げた。こういった石の固定は自然界から学ぶことが多い。

石の下のウレタンフォーム
ガラス面の保護と石の滑り止めを兼ねて、石の下にウレタンフォームを敷く。前景には化粧砂を敷くため、ウレタンフォームは配石に合わせてカット。背景側には、まず軽石を敷いた。
ガラス面の保護と石の滑り止めを兼ねて、石の下にウレタンフォームを敷く。前景には化粧砂を敷くため、ウレタンフォームは配石に合わせてカット。背景側には、まず軽石を敷いた。

軽石の利用
石と石の隙間は、小さな山水石や軽石を使ってしっかりと土留めを施した。軽石は土留めのほか、底床の目詰まりを防ぎ、通水性を確保する目的で利用している。
石と石の隙間は、小さな山水石や軽石を使ってしっかりと土留めを施した。軽石は土留めのほか、底床の目詰まりを防ぎ、通水性を確保する目的で利用している。

植物の生長を考えた構図
植物が生長して印象を和らげることを想定し、構図はあえて強すぎるくらいにしている。山水石にモスをはわせることで佗び寂びを表現した。
植物が生長して印象を和らげることを想定し、構図はあえて強すぎるくらいにしている。山水石にモスをはわせることで佗び寂びを表現した。

