ADAスモールトーク #03 「世界一大きな花に誘われて」
ADAスモールトークは、ADAスタッフの目線で生き物や出来事、発見、感動などをお伝えする読み物コンテンツです。
去る8月14日、ある植物の花が開花したとの情報を聞きつけ、新潟県立植物園へ行ってきました。そのお目当ての植物とは、世界最大の花(ここでは花序のこと)として知られるショクダイオオコンニャク(Amorphophallus titanum)です。インドネシアからスマトラ島に自生し、自生地では全長3mを超えるほどの大きな花を咲かせることで有名なサトイモ科の希少植物です。現地では7年に一度しか一度咲かないと言われ、さらに栽培下での開花例は稀で、国内では通算23例目となる貴重な瞬間を見届けることができました。
観賞温室ドームを入館し奥へ進むと、どこからか異様な香りが漂ってきます。匂いですでに場所が分かってしまいましたが、焦らず順路通りに進み、いよいよお目当てのショクダイオオコンニャクと対面します。果たしてどんな姿なのでしょうか。
観賞温室ドームを入館し奥へ進むと、どこからか異様な香りが漂ってきます。匂いですでに場所が分かってしまいましたが、焦らず順路通りに進み、いよいよお目当てのショクダイオオコンニャクと対面します。果たしてどんな姿なのでしょうか。
全長は1mほどの小柄なボディでしたが、世界最大の花にふさわしい堂々とした佇まいでした。顔を近づけ匂いを確認します。
眉をひそめるほどの強烈な死臭で、別名「死体花」と呼ばれるのも納得の香りです。
そして、この花の特徴と言える中央の棍棒のような付属体という器官には秘密があります。現地では夜の開花タイミングと同時60℃を超えるほど発熱し上昇気流を生みだし、死臭を巻きこんだ空気を広範囲に飛ばします。こうすることで効率よく花粉仲介のパートナーであるシデムシを花の中へおびきよせるのです。解説員の方にサーモグラフィーカメラでこの付属体を見せていただきましたが、60℃とはいかないもののやや発熱していることが確認できました。
眉をひそめるほどの強烈な死臭で、別名「死体花」と呼ばれるのも納得の香りです。
そして、この花の特徴と言える中央の棍棒のような付属体という器官には秘密があります。現地では夜の開花タイミングと同時60℃を超えるほど発熱し上昇気流を生みだし、死臭を巻きこんだ空気を広範囲に飛ばします。こうすることで効率よく花粉仲介のパートナーであるシデムシを花の中へおびきよせるのです。解説員の方にサーモグラフィーカメラでこの付属体を見せていただきましたが、60℃とはいかないもののやや発熱していることが確認できました。
そしてサトイモ科植物のチャームポイントといえる仏炎苞はお世辞にも美しいとは言い難いグロテスクな色を呈していますが、実はこの色、腐敗した死肉に擬態していると言われています。これが死肉を主食とする昆虫をおびき寄せるのに一役買っているのだそうです。
アクアリウムでおなじみクリプトコリネの一種も同じ生態をもっていますね。解説員の方は実際にジャングルの開けた空間(林冠ギャップ)に開花する姿を見たそうで、自生地のお話をしていただけました。その話がとても面白く、小一時間ほど臭気に酔いながら滞在していました(苦笑)。一生のうちに、自生地に赴き実際に見てみたい植物が何種類かあるのですが、憧れは膨らむばかりです。
アクアリウムでおなじみクリプトコリネの一種も同じ生態をもっていますね。解説員の方は実際にジャングルの開けた空間(林冠ギャップ)に開花する姿を見たそうで、自生地のお話をしていただけました。その話がとても面白く、小一時間ほど臭気に酔いながら滞在していました(苦笑)。一生のうちに、自生地に赴き実際に見てみたい植物が何種類かあるのですが、憧れは膨らむばかりです。
花も十分に楽しみ観賞温室ドームを後に次のエリアへ進むと、水槽が6本ずらっと立ち並ぶ水中庭園コーナーがあります。ここではADAのネイチャークリエーション部のスタッフが、クオリティの高い展示水景を維持するべく定期的なメンテナンスを行っています。
水草改め水生植物の生態を学べる展示内容となっており、水槽ごとにテーマがあるため順路に沿ってゆっくり観察することがおすすめです。
私たちアクアリストが普段慣れ親しんでいる水草ですが、水の安定を求め陸上から再び水中へと生活の場を移す進化を遂げたという点でいえば、植物の中でも異端でユニークな存在である…ここへ来る度に水草の植物としての興味深さを改めて認識させられます。
園内には池を囲むように広いウォーキングエリアがあり、四季それぞれの花を見ることができます。温室を楽しんだ後、池のあたりを散歩するのが私の好きなコースです。
ご機会があれば、植物でリフレッシュしに新潟県立植物園へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
水草改め水生植物の生態を学べる展示内容となっており、水槽ごとにテーマがあるため順路に沿ってゆっくり観察することがおすすめです。
私たちアクアリストが普段慣れ親しんでいる水草ですが、水の安定を求め陸上から再び水中へと生活の場を移す進化を遂げたという点でいえば、植物の中でも異端でユニークな存在である…ここへ来る度に水草の植物としての興味深さを改めて認識させられます。
園内には池を囲むように広いウォーキングエリアがあり、四季それぞれの花を見ることができます。温室を楽しんだ後、池のあたりを散歩するのが私の好きなコースです。
ご機会があれば、植物でリフレッシュしに新潟県立植物園へ足を運んでみてはいかがでしょうか。