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ネイチャーコラム 第1回 「ツバメ、飛んでます」

ネイチャーコラム 第1回 「ツバメ、飛んでます」

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
常日頃からネイチャーに身を置くライターが身近な自然をテーマに季節ごとのコラムを発信していきます。
身近な野鳥と言えばどの鳥を思い浮かべますか? やはりスズメやカラス、ハトといった意見が多いのではないでしょうか。今回紹介するツバメも身近な野鳥の代表格ですよね。市街地でもよく見られるようになりましたが、彼らの生息環境は近代日本においてさまざまな変化が生じているとの報告がよく耳にされるようになっています。では、ツバメはどのような環境で観察のできる野鳥なのでしょう?
ツバメは水辺や農耕地といった飛行空間の開けた環境を好んで飛んでいます。飛行速度は時速40㎞とも50㎞とも言われており、こんなスピードでは森林の中を飛び回るような飛行はできません。しかし、その速さを生かして、飛んでいる小さな虫を捕食している様子が見られます。カやハエ、アブなどの小型双翅類を主に食べますが、昆虫界でも随一の飛行速度を有するトンボ類をも捕食するその飛行能力には毎度驚かされます。このように同じ空を飛ぶ小型昆虫などを食べることに特化した生態を持つ野鳥であり、その能力が最も発揮される環境を選んで生活していると言えます。
一方で、彼らが好んで巣作りをするのは、商店街や住宅地といった人の生活環境に近いところになります。これは子育ての際にカラスやネコといった天敵を人が遠ざけてくれることを利用しているからです。自然豊かでエサ生物が多く生息しているような環境でも人が居なければツバメは子育てをしません。人の営みにうまく入り込み、繁栄してきたツバメは身近な存在となり、私たちの観察しやすい野鳥となっています。
ツバメにとって以上の2つの環境が重要であり、これらがそろった場所でよく観察できます。自然もしくは人、どちらか一方の要因だけでは生活ができないツバメ。自然と人が共存している環境のシンボルとも言えます。
そんなツバメを観察しにネイチャーへ出かけてみてはいかがでしょうか。

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