Embrace / エンブレイス
Aquarium Size W150×D60×H60（cm）

水草
アヌビアス・ナナ／ブリクサ・ショートリーフ／クリプトコリネ・パルバ／ウォーターフェザー／エレオカリス sp.／エリオカウロンsp. ベトナム／キューバ・パールグラス／ルドウィジア sp. スーパーレッド／ミクロソラム・プテロプス／ロターラ sp. Hra／ロターラ・ロトンジフォリア／ロターラ sp. オレンジジュース／ジャワモス

魚種
レッド・テトラ／オトシンクルス・アフィニス／サイアミーズ・フライングフォックス／ヤマトヌマエビ

Josh Sim ／ ジョシュ シム
Malaysia ／ マレーシア

年齢／48歳
職業／製造業（支店長）
アクアリウム歴／14年
その他の趣味／写真、ガーデニング、料理、ポケモンGO
過去の受賞歴／
IAPLC2009　4位
IAPLC2010　151位
IAPLC2011　21位
IAPLC2012　49位
IAPLC2013　4位
IAPLC2014　119位
IAPLC2015　6位
IAPLC2016　25位
IAPLC2017　1位
IAPLC2018　20位
IAPLC2019　1位
IAPLC2020　3位

世界中の人々にこの趣味の美しさを楽しんでもらいたい

AJ　受賞したご感想をお聞かせください。
今もなお続くコロナ禍の影響により、IAPLC2021年の結果発表は昨年に続きYouTube Liveにて配信され、参加者全員に不安をもたらしました。参加者にとって結果発表は楽しく、そして緊迫する瞬間です。多くの参加者は自分の名前が呼ばれて欲しいのか（いや、まだ呼ばれないでいて欲しいのか）分からなくなります。正直に言いますと、今年はもっと早い段階で名前が呼ばれると予想していました。ですが結果発表が進む中で、なかなか自分の名前が出てこなかったので、もしかして上位100位に到底及ばなかったのではないかと心配になり始めました。今年の順位は自分にとって本当に予想外の結果で、上位7位へ入賞できとても嬉しかったです。この結果は、私に2022年に向けての新たな目標と激励を与えてくれました。自分の中の競う勢いが衰えているのを感じ、「13年に及ぶ最高レベルでの戦いを経て、今は休憩するべき時なのでは」と、ささやく声が聞こえてくる瞬間がありました。休憩し、充電する良い機会なのではないかと思いました。コロナは人々に悪影響を与え、コロナ禍でストレスを感じている中でアクアスケーピングへ集中する事はとても難しかったです。何にせよ、（休憩せよと言う）誘惑に打ち勝ち、今は更なる前進へのモチベーションで溢れている事をとても嬉しく思います。来年は、順位に関係なく、自分自身に挑戦する何かを制作出来たらと思っています。楽しさを感じながら、そう、まさにアクアスケーピングの本来あるべき姿のように。

AJ　今回の作品のテーマ、モチーフ、アイデアなど制作意図を聞かせてください。
今年はコロナ禍にあり、皆にとって容易な1年ではありませんでした。人々は仕事を失い、健康を損ね、更には命を落としてしまう方もいます。IAPLC 2021に関して言いますと、心の中にデザインを描いていた訳ではありませんが、自分が何を表現したいのかは分かっていました。コロナという悲劇的な出来事を追悼し、今、健康に生きていられることへの深い感謝を自分自身に思い出させるような作品にしたいと思っていました。私は、どんな困難な状況下でも、今この瞬間を抱擁し大切にすべきだと信じており、そこからEmbrace(抱擁)というテーマが浮かんできました。テーマとストーリーラインを決めてから「抱擁」を最も表現できるデザインを考え始めました。そして最終的に、まるで2本の腕が互いに抱き合っている、というコンセプトしようと決めました。私の心の中に抱いているイメージを水草レイアウトで再現するにはこのコンセプトが最善だと思いました。

AJ　作品を制作、管理するうえで苦労した点を聞かせてください。
この作品の制作で最も難しかった点は、「抱擁」という無形のテーマ/コンセプトを目に見える形で表現し、見る人に理解してもらうという点です。この作品のテーマは、森や山と言ったアクアスケーピングでよく見る表現しやすいテーマと言うよりむしろ象徴的なものなので、アクアスケーピングで表現するのは挑戦でした。空間が多いオープンレイアウトなので、表現の問題さえ乗り越えれば、セットアップや管理は比較的簡単で、手を煩わすような問題は何一つありませんでした。しかし、これは後から思ったことなのですが、あと1か月早く写真撮影しておけば水草のボリュームをもう少し抑えられ、流木の見える範囲が広がり、より力強い印象を与ることが出来たと思います。その点を少し後悔しています。

AJ　出品作品に使われているレイアウト素材（石、流木）はどのようなものですか。
マレーシア産のいくつかの流木をこのレイアウトのメイン素材として使用し、まるで抱き合っているかのように見える2本の腕を表現しました。より詳細を表現するために小さな流木を加えました。黒色溶岩は補助要素として使用しました。

AJ　水草レイアウトのどのようなところに魅力を感じますか。
小さな水槽の中で自然を再現することは本当に素晴らしいです。限界に挑み、毎年何か新しいものを作りだすのは大変ですが、前進に向け制作し続けるモチベーションを与えてくれます。

AJ　コンテスト入賞の秘訣はありますか。
IAPLCは予測できないからこそ美しいのです。毎年新たなトレンドがあり、上位作品は進化し続けているので、参加者にとってその年のトレンドを予想する事は大きな挑戦であり、同時に面白くもあります。しかし、全ての上位作品に必要ないくつかの基本的要素があります。それは、強いインパクト、大胆さ、創造性、水中での自然感、水草の健康状態/ボリューム、そして時間経過の表現です。これらは世界のトップに入るための基本的なガイドラインです。