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ネイチャーコラム 第7回 「その名もコハクチョウ」

ネイチャーコラム 第7回 「その名もコハクチョウ」

小川 龍司小川 龍司
常日頃からネイチャーに身を置くライターが身近な自然をテーマに 季節ごとのコラムを発信していきます。 
日本で観察できる一般的なハクチョウは2種類に分けられます。コハクチョウとオオハクチョウというわかりやすい名前で、見分け方も簡単です。名前の通り体の大きさや首の長さでの識別もできますが、何よりも嘴の模様で見分けが付きます。成鳥になると嘴が黄色と黒色の二色になり、黄色の模様が嘴全体に対して半分くらいだとコハクチョウで、オオハクチョウは半分以上が黄色く見えます。黄色の切れ込み方や鳴き声も識別点になりますが、ぱっと見で黄色がどのくらいか見てみると良いでしょう。
新潟県で観察できるのはコハクチョウがほとんどです。オオハクチョウの割合が少ない理由や他の地域との比較など書ききれないハクチョウ話で頭がいっぱいですが、今回はコハクチョウについて少し紹介していきます。彼らは水辺に生きる野鳥です。生まれるときも、夏も冬もいつも水辺にいます。越冬期の生活は、湖沼や河川をねぐらとし水田をえさ場とすることが基本で、この生活様式から
新潟県もとい越後平野は最高の環境になっています。初冬から厳冬期における積雪量に応じて、山地から海沿いまで点在する湖沼を使い分けることができ、冬を通じて生活ができる場所となっているのです。
1日の生活を見てみると、日の出の前後にねぐらから飛び立ち、水田へ向かいます。そして落ち籾、二番穂、稲の根といった植物質のものから貝類、ミミズ類など動物質のものまで食べています。採食以外の時間は休息することが大半ですが、時折小競り合いをしてみたり、田んぼの移動をするなどの行動も見かけます。日の入りの前後にねぐらへと帰っていき、1日を締めくくるようです。夜に観察すると起きている個体がいたり、控えめな声量で鳴き声がするなど野生の息吹を感じることができます。
冒頭ではハクチョウと言いましたが、このコラムをお読みの方はぜひ、コハクチョウとオオハクチョウを呼び分けていただけたらと思います! さぁ、コハクチョウの観察にネイチャーへ出かけてみてはいかがでしょうか。

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