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ADA PLANTS GALLERY #18「クリナム・アクアティカ・ナローリーフ」

岩堀 康太岩堀 康太
左右80cmほどに葉を広げた大株。ギリシャ神話の怪物のメデューサを彷彿とさせる。
珍奇な球根水草
園芸市場ではケープバルブと呼ばれるモードな植物ジャンルがあり、それらは珍奇な葉姿や経年により形成される迫力の球根が人気の理由です。カメルーン西部のクンバ付近に自生するとされるクリナム・アクアティカ・ナローリーフは、ヒガンバナ科の水生植物でケープバルブにも通ずる魅力があります。 種小名の「calamistratum」は「縮れている」といった意味のようで、強めのスパイラルパーマをかけたような珍妙な葉姿が特徴です。
葉の細かいうねりは新葉から展開しており生長とともに伸びることなく固く成熟していく。

 
究極の一株をつくる
球根植物には休眠期がつきものですが、本種の水中育成では休眠せずに長く楽しむことができます。広いスペースを要しますが、緩やかな水流で育成した株は無造作にカールしながら葉を四方に伸ばし美しい株姿になります。長期育成すると花を咲かせることがあり、近い仲間であるアマリリスと同様に、株の中心とは別に球根の上部から花柄を伸ばします。このことから開花には球根の充実が重要であることがわかります。
白く美しい花は一見の価値あり。

 
容易なケース栽培
クリナム・アクアティカ・ナローリーフは、水流を好むもののネオグラスエアでの止水環境でも育成可能です。底床はパワーサンド・ベーシック Sとトロピカルリバーソイルの組み合わせが良いでしょう。週に一度の換水時に水景リキッドとECAプラスを添加します。新葉の色が薄くなったり生長が著しく遅くなったりしたときはボトムプラスで対処しましょう。藻類対策や水の流動のことを考慮してヤマトヌマエビやカラーシュリンプなどの導入するのも良いでしょう。
 

 
アフリカの水草や魚と
個性的なクリナム・アクアティカ・ナローリーフは背景でたなびいているだけでも熱帯地方の清流のような印象が生まれます。水流を好むため密生度を高く維持する有茎草との組み合わせは不向きで、ボルビティス・ヒュディロッティやアヌビアスの仲間、アフリカのカラシンなどと組み合わせたシンプルな構成が似合うでしょう。底床の養分が豊富であれば太い根を展開して生長がスムーズになり葉数が増えるようになります。

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