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ADA PLANTS GALLERY #17「ソネリラ・ワヤナード ホワイトスポット」

岩堀 康太岩堀 康太
インドの美しいソネリラ
ソネリラ・ワヤナード ホワイトスポットは、インド南西部ケーララ州の熱帯雲霧林、標高1,000m付近で見つかったノボタン科の植物です。シダやベゴニア、イラクサ類も茂る湿った急斜面に張り付くようにして自生しています。ハート形のラウンドリーフには白点が入り、花は3枚のピンクの花弁が展開します。自生地では雨季と乾季が存在するためか塊茎をもっており休眠期が存在すると思われますが、ケース栽培下では花期を終えても休眠には入りづらいようです。
ケーララ州にある自生地の様子。霧に包まれる山地の林縁に人知れず自生している。

ケーララ州の魅力的なフィールドの様子はコチラ

 
葉のトリコーム
多くのソネリラ、特に白点を有する種には葉の表面にはトリコームが存在します。ソネリラ・ワヤナード ホワイトスポットはトリコームが比較的長いためその様子が観察しやすく、ランダムではなく規則的に生えることがわかります。必ず白点上から展開しているようで、毛先は葉縁へ向かってカールしています。このトリコームが一種の集光窓もしくは反射窓なのか、はたまた防虫のためなのかその役割は不明ですが、葉に立ち並ぶ謎めいた構造は本種をより魅力的にしているように思います。
葉の表面に並ぶ白点とトリコーム。この2つには何らかの関係がありそうだ。

 
ワヤナードレッド
ソネリラ・ワヤナード ホワイトスポットは時に葉に赤味を帯びる個体もあり、それらは別タイプの形質が部分的に出現していると思われます。もうお気づきかと思いますが前項の自生地写真には白点タイプではないものも写っています。同所的に自生していたバーガンディカラーがベルベットのように輝く無斑タイプです。グリーンラボではそのタイプをソネリラ・ワヤナードレッドと呼んでおり現在増殖中です。一見地味なタイプですが、ソネリラ属の多様性の奥深さを感じます。
鈍く輝くレッドタイプ。白点がないがトリコームは存在する。

 
ケース栽培が最適
ソネリラ・ワヤナード ホワイトスポットは育成が容易で、植栽後も調子が崩れることが少なくすくすくと生長します。システムパルダで楽しむ本格レイアウトでも目を引くポイントとして重宝しますが、単体でも魅力十分なのでガラスポットSHIZUKUでのケース栽培も良いでしょう。ジャングルベースとトロピカルリバーソイルで緩やかな生長スピードで育てるのがオススメです。貧栄養な土壌でも難なく育ちますが、開花を狙うなら佗び草ミストで栄養素を補給します。
ソネリラ・ワヤナード ホワイトスポットのラウンドリーフがガラスポットSHIZUKUによく似合う。

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