つくることは楽しい。頭の中に思い描いたイメージを限られたスペースの中にどのようにつくり上げていくのか、ワクワクと心を躍らせる。細部までこだわり、自分だけの世界を生み出す至高の時間。今春新たに登場するADAの化粧素材シリーズ「KUMU」（2024年初春発売予定）で創作意欲を掻き立て、クラフトライフをさらに楽しみましょう。

「化粧素材」という新たな製品企画

新化粧素材シリーズ「KUMU」の開発担当者であるADA水景クリエイター 井上大輔に、「KUMU」の魅力と開発の裏側を語ってもらいました。

AJ：　「KUMU」シリーズについて、製品企画に至ったきっかけを教えてください。
井上：　きっかけは、自分が小型水槽をレイアウトしていたときに「どんなサイズの水槽でも、時間をかけてこだわったレイアウトをつくりたい」と思ったことです。私は水景クリエイターとしてW1,200mm水槽やW1,800mm水槽などの大きな水槽をレイアウトする機会がありますが、小型水槽をつくっているときも「小さな水槽だから簡単につくろう」ということではなく、時間もかけるし構図も悩むし、やることは変わらないんですね。そんな中、たくさんの種類の素材から組み合わせてレイアウトできたら楽しいな、と思ったことと粒度の違う砂や砂利もあれば細部のつくり込み表現ができるなと思い製品企画を進めました。

AJ：　なるほど。実際に井上さんがレイアウト経験の中で感じたことがきっかけになったんですね。
井上：　そうですね。そこから素材を好きに「選ぶ・組み合わせる・つくり込む」という体験ができる化粧素材シリーズという構想を練っていきました。また、ネイチャーアクアリウム、パルダリウムといったレイアウトスタイルや水槽サイズなどに関係なく景観をつくることの楽しさや地球が生み出した天然素材で大地を創造するロマンも感じて欲しいですね。

AJ：　ユーザーの方への初公開は昨年末行ったイベントでしたね。さまざまな種類の素材が整然と並んでいる様子に注目されていた方も多いと思います。
井上：　「KUMU」のディスプレイは、自分が子どもの頃に好きだったプラモデルの売り場を参考にしているところがあります。最近になってまたプラモデル制作を始めたのですが、プラモデルのツールや塗料を売っているコーナーって大人になっても楽しいんですよね。そういったワクワク感に倣って、集めた数十種類の素材を各カテゴリーに分け、わかりやすくなるようアルファベットと番号で表記しました。流木はWO-01～、石はST-01～、砂利はGR-01～、砂はSA-01～となっています。少しずついろいろな組み合わせを試せるような容量となっているので、素材を選ぶ段階から楽しんでいただけたら嬉しいです。

AJ：　パッケージの制作でも井上さんの思いや経験が生かされていたんですね。ユーザーの方にとって手にとりやすく試してみたくなるようなものになっているのかなと感じました。
井上：　手に取りやすいというのは、今までのADA製品にはない特長だと思います。そのためにパッケージも相当こだわりました。製造スタッフが呆れるくらい(苦笑)。 企画当初は自分で小分けにしたサンプル素材を各部署の人に見せて回っていたんです。でも、移動の最中や素材をよく見たいと思って触っているうちに中身が擦れて汚れてしまう。このままの包装だとユーザーの方にも同じことが起こるだろうし、パッと見で汚いと思う人もいるかもしれない。そうならないよう、試行錯誤を繰り返し、砂利と砂は脱気、石はシュリンク包装にして、素材を見やすく手に取りやすいクリーンなイメージになるよう工夫しました。

AJ：　最後に、「KUMU」の今後の展開について教えてください。
井上：　「KUMU」の組み合わせや楽しみ方は自分の中でもまだまだ未知数です。まずは、「KUMU」の世界観を伝え、さらなるこだわりを表現するために自分自身がユーザーとして「KUMU」を楽しんでいけたらと思っています。ゆくゆくはノウハウなどをまとめた『KUMU マガジン』なども発行したいと考えていますので、これからの展開にご期待いただければと思っています。

KUMU専用の店頭ディスプレイ棚
色も形もさまざまな素材群だが、カテゴリーごとに並べることで素材を一覧できる。どんな素材があるのか見やすく手にとりやすいようにしており、素材を眺めながら組み合わせを考える時間も楽しんでいただきたい。
※写真は「ADA Welcomeday」での展示例です。実際の店頭ディスプレイとは異なる場合があります。