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ADA PLANTS GALLERY #08 「ジャワファン」

岩堀 康太岩堀 康太
多様な生体製品を開発しているADAの生産開発部、通称”グリーンラボ”。
このコーナーではラボで扱う植物の豆知識や時折見せてくれる素顔の一部をご紹介します。
長く伸びた葉の先端にある無性芽。成熟した株になると観察される。

水草として有名なアジアンボルビティス


ジャワファンは古くから水草として扱われてきた、東南アジアに広く分布しているシダ植物です。もちろん水中育成も可能ですが、水中葉は小さくなるうえ生長がとても遅く、藻類が付着しやすいのが難点です。また水中葉は綺麗な半透明になるものの硬質で、水中生活よりも湿度の高い水上生活のほうを好む様子がうかがえます。
透明で小型化したジャワファンの水中葉。新鮮な水とCO2添加は欠かせない。

ジャワファンの正念場


ジャワファンの野生味を楽しむには、システムテラ30やシステムパルダ30/60などでの水上育成をおすすめします。佗び草マットに活着させて壁面を飾ると雰囲気も高まります。高湿度を好みますが、葉に水滴がつかないくらいの軽めの頻度でミストフローを作動させましょう。個性が強いジャングルプランツレイアウトの中で要所に植栽することで、メリハリをつけることができることもジャワファンの特長です。
テラリウムやパルダリウムでは育成しやすく、主役的なジャングルプランツが並ぶレイアウトでは名脇役的な存在となる。

ジャワファンの矮小種


フィリピン原産のカスピダータやディフォルミス(ミニボルビ)は、ジャワファンの矮小種とされています。見た目が大きく異なり別種にしか見えない点から、かつては独立してEdanyoa属として分類されていました。これらも水中育成は可能ですが、小型化し生長が著しく遅くなります。これらも着生ランや苔とともに時間をかけて仕上げたい小型パルダリウムにとても適したジャワファンの仲間です。
カスピダータは緩やかに生長し、葉は小さく生えそろっていく。古葉をこまめに除去することが育成のポイント。

伸びる葉の正体


ジャワファンの葉の形状は、一回羽状複生と呼ばれています。若い株では三つ葉のような葉が多いようですが、大型成熟株では葉が5枚、7枚、9枚…と展開するものもいます。また、レイアウトでは胞子葉はめったに見られませんが、葉の中軸が伸びることがあります。これは先端に無性芽をつくるときに見られるものです。長いもので50㎝ほどまで伸び、その姿はジャワファンの魅力の一つと言えます。
長く伸びた葉の先端にある無性芽。成熟した株になると観察される。

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