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ADA PLANTS GALLERY #14 「クリプトコリネ・ウェンティ」

岩堀 康太岩堀 康太
多様な生体製品を開発しているADAの生産開発部、通称”グリーンラボ”。
このコーナーではラボで扱う植物の豆知識や時折見せてくれる素顔の一部をご紹介します。
表情に富んだクリプト
クリプトコリネ・ウェンティはスリランカの西部から中央部にかけて分布する固有種です。水草ホビーの世界ではとても有名なクリプトコリネ・ウェンティも自生地の情報はあまり知られておらず、実はまだまだ謎の多い種でもあります。緑色や褐色、ハンマートーンなどさまざまな姿が存在し、かつては4つの変種に分けられていたこともあります。そんな謎めいた魅力が古くから愛好家や学者を虜にしていったのでしょう。
左からグリーン、トロピカ、ミオヤ。
現在では、あらゆる表情のクリプトコリネ・ウェンティを手軽に楽しむことができる。
 

 
セピア的効果の水草
クリプトコリネ・ウェンティは耐陰性を活かして、中景のやや暗い部分や流木の根元などに植栽しましょう。有茎草とは異なり生長は緩やかで、見ごたえのある株姿になるまでにはとても時間がかかります。しかしながら、ウェンティブラウンやミオヤなどは時間の経過とともにセピアカラーに茂ってゆき、他の水草には演出することができない独特な温かみや安定感を感じるレイアウトになります。
長期維持ならでは悠々たる群生。このようなシーンには東南アジアの小型コイ科の魚に群泳していてほしい。
 

 
グリーン系のウェンティ
クリプトコリネ・ウェンティは緑色に繁茂するタイプもあります。ウェンティグリーンは、その名の通り細身な緑の葉を展開させますが、かすれたように少し茶色が入ることも多く、前景草と流木の間や茶系クリプトコリネへのつなぎにも適しています。ウェンティ’リアルグリーン’は鮮やかな幅のある大きな葉を展開させますので、陰影を緩和したい部分や背景草の手前などに最適です。
生い茂るクリプトコリネ・ウェンティグリーン。ウェンティ種の中でも比較的小型で扱いやすい。
 

 
水上栽培の楽しみ
クリプトコリネの水上栽培では、ヨーロピアンスタイルと呼ばれる栽培法が知られています。マニアックな世界ではありますが個性的な花や葉姿を楽しむことができます。初心者にはウェンティ種から始めることをオススメします。多様なタイプがあり入手は比較的容易で、あらゆる底床や水質に慣れやすく失敗しにくいことも特長です。草体を観賞しやすいネオグラスエアやガラスポットSHIZUKUなどでケース栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
自生地の河川名で呼ばれるクリプトコリネ・ウェンティ’ミオヤ’を自生地スタイルで。

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