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ADA PLANTS GALLERY #07 「アポノゲトン・マダガスカリエンシス」

岩堀 康太岩堀 康太
多様な生体製品を開発しているADAの生産開発部、通称”グリーンラボ”。
このコーナーではラボで扱う植物の豆知識や時折見せてくれる素顔の一部をご紹介します。

この葉はどう活かすの?


アポノゲトンは、アジア、アフリカ、オセアニアの3大陸をまたいで分布し、水草らしい透明感やそれぞれに異なるさまざまな葉姿が人気です。その中でも「摩訶不思議」という言葉が似合うのがこのレースプラントです。 特徴的な網状の葉は、当然メインプランツとしても優秀な役割を果たしてくれるでしょう。さらに、清流の流れや水藻といった涼しげな印象として背景を飾ることもできるため、ネイチャーアクアリウムでも活用できる水草の一つです。
重厚感を感じる富士石のレイアウトの背景を飾るレースプラント。独特の透け感は、輪郭がかすみ優しくも涼しげな表情を生む。

地域変異による葉の多様性


マダガスカルの固有種であるレースプラントは、自生地ごとの葉の変異から、かつては3種に分けられ、それぞれ、粗目タイプ(アポノゲトン・フェネストラリス)、広葉タイプ(アポノゲトン・ヘンケリアヌス)、細葉タイプ(アポノゲトン・ベルニエリアヌス)と呼ばれていました。東に位置するモーリシャスやレユニオンでも確認されていますが、持ち込まれたものが帰化したようです。アポノゲトン・ベルニエリアヌスの学名は現在、マダガスカル固有の別種に使用されています。
粗目タイプ
広葉タイプ
細葉タイプ
3タイプそれぞれの若葉。成熟せずともその特徴が確認できる。1株の個性を楽しめるのもレースプラントの魅力だ。

網目ができるまで


さて、レースプラントの網目はどの段階でできるのでしょうか。網目となる葉脈に囲まれた枡は、葉が若いうちは塞がっています。生長とともに枡は広がり続け、薄くなった葉皮が破れるように穴が開きます。今回観察してみた結果、最も早く穴が展開するのは粗目タイプで、最も遅いのは細かで規則的な葉脈がみられる広葉タイプでした。いずれのタイプも、たいていは主脈沿いの枡から穴が開きはじめます。枡内側の細胞分裂の不活性化のようですが、起因は謎のままです。
穴の展開が早い粗目タイプの未成熟の葉。この独特の生態を解き明かすことは、水草を育成するうえでも重要な意味を持つかもしれない。

観葉植物的水草


室内で観葉植物を楽しむように気軽に水草を楽しみたいとしたら、レースプラントもその選択肢の一つになるでしょう。 その楽しみ方はさることながら、育成難易度にも変化が起きています。かつて育成は比較的難しいと言われていましたが、底床の改善や組織培養株の販売にともない、手軽に楽しむことが可能になりました。 組織培養株はゆるやかな生長で休眠しづらく、長く楽しめることが特長です。 ビギナーの方にもチャレンジしてもらいたい水草です。
グリーンラボから生まれたレースプラントの楽しみ方。もっと身近に水草を楽しんで欲しいという思いを形にした。

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