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ADA PLANTS GALLERY #04 「エイクホルニア・アズレア」

岩堀 康太岩堀 康太
多様な生体製品を開発しているADAの生産開発部、通称”グリーンラボ”。
このコーナーではラボで扱う植物の豆知識や時折見せてくれる素顔の一部をご紹介します。

タビビトノミズクサ


中南米に広く分布するエイクホルニア・アズレアは、コナギやホテイアオイなどと同じミズアオイ科の水草です。水中葉が特徴的で、タビビトノキを伸長させたように互生します。その幅30㎝を超え、他の水草にはないインパクトある姿は、まちがいなく珍奇な水草と呼べるでしょう。しかし、生長が早いうえに大型化し、他の水草とのバランスを取ることが難しく、水草レイアウトでは見る機会が少ないようです。
両端に規則正しく伸ばす互生葉が特徴的。水面へ届くまでこの姿が続くが、光が当たらない下葉はしだいに枯れていく。

大型レイアウトへ誘う水草


あるADA水景クリエイター曰く、他の水草にはないワイルドな魅力を持つエイクホルニア・アズレアは、大型水槽による水草レイアウトへの憧れを駆り立てる唯一無二の存在だそうです。その個性を活かすためのレイアウト難易度は高く、大胆な構図やスケール感とともに、ややマクロ的な視点がポイントのように思えます。その他にも水中葉での長期維持や、大型水槽と言えども水槽内では難攻不落な水草です。
水面に達すると浮葉を形成するが、水中葉に戻らなくなるので早めに挿し戻すとよい。

浮くのは本性


浮葉は、水面付近に達するようになると展開します。浮力が高い葉柄や茎が形成され、水底とつながってはいるものの水中にも根を盛んに出し、ここからはホテイアオイのような浮遊生活が始まります。オープンアクアリウムなどでは、あえて浮葉を展開させて自生地の雰囲気を楽しむのも一興ですが、水面を覆ってしまうため狭い水槽では長期維持には向きません。
エイクホルニア・アズレアの浮葉の葉柄断面。スポンジ状になっており、浮くことに特化していることがわかる。

いきものたちのよりどころ


南米パンタナルなどの自生地では、水面に群落をつくっている姿が容易に観察され、大型げっ歯類のカピバラとともに写っているシーンなどもよく見かけます。他にも、アマゾンの大蛇アナコンダが水鳥を狙う狩場にもなっているようです。また、水中では多くの魚の住処としても重要な役割を果たしています。水上葉が充実すると、花序を伸ばして十数個の花を咲かせます。花弁は白色や薄紫、中心部を藍色に染めるとても美しい花です。
南米パンタナル
旺盛に生長しているエイクホルニア・アズレアの水中での貴重なシーン。ときにダイナミックに、ときに華麗な姿で、生き物たちの営みに寄り添う。

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