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ADA PLANTS GALLERY #11 「エキノドルス・ウルグアイエンシス」

岩堀 康太岩堀 康太
多様な生体製品を開発しているADAの生産開発部、通称”グリーンラボ”。
このコーナーではラボで扱う植物の豆知識や時折見せてくれる素顔の一部をご紹介します。

もうエキノドルスではない


近年ではオモダカ科の分類改定が進み、エキノドルスからヘランチウムやアクアリウス(アクエリアス)へ変更になった種が多くあります。ここではすべて説明しませんが、今回の主役のエキノドルス・ウルグアイエンシスもアクアリウス・ウルグアイエンシスAquarius uruguayensisとなり、エキノドルス・ホレマニーやアスケルソニアヌス、オシリスなどと同種としてまとめられていますが、ここでは愛着ある呼び名で書かせていただきます。

南米の水辺への憧れ


もともとエキノドルスの仲間は存在感が大きいため、太い流木と合わせたり多種のエキノドルスと混植したりと、等身大のスケール感を意識するとレイアウト全体に馴染みやすいでしょう。充実した株にはディスカスやエンゼルフィッシュなど体高のあるシクリッドなどもよく似合い、葉の合間を泳ぐ姿には南米の水辺へ馳せる思いやどこかクラシックな楽しみがあります。
エキノドルス・ウルグアイエンシスは大型水槽でダイナミックに育てたい。流木を大胆に配したワイルドなレイアウトで楽しみたい。

アフリカヌス①


エキノドルス・ウルグアイエンシスは、南米のラプラタ川流域に分布しています。澄んだ水を好み、底質は砂礫や砂泥に根を張りたなびいているようです。ウルグアイエンシスのシノニムの中にエキノドルス・アフリカヌスがあります。産地とされた場所には本種は存在せず、名前とともに混乱を招いた種でもあります。同じオモダカ科の別の水草と混同していた可能性も高く、現状ではアフリカにエキノドルスの自然分布はなく、原種の変異、もしくはハイブリッドといわれています。
学名にアフリカヌスと付いていれば、アフリカ産と勘違いしてしまいそう。ワイルド感ある姿も混乱に拍車がかかってしまう。

アフリカヌス②


エキノドルス・アフリカヌスの葉は一般的なウルグアイエンシス同様に細長く、新葉は優しい暖色を帯び、見た目は柔らかい印象です。よく観察すると、比較的葉が少し固く鋸歯が荒くワイルドな一面もあります。エキノドルスの中でもスキャンダラス(?)なアフリカヌスも、水槽の中では他種に劣ることなくとても魅力的な姿をしています。そんなストーリーを知りつつネオグラスエアに入れて飾るのも面白いでしょう。ちなみにNATURE AQUARIUM EXHIBITION OSAKA 2022にも展示中です。
細かい違いはあれど、ウルグアイエンシスの特徴は引き継いでいるようだ。この細葉で赤みを帯びるのはとても魅力的だ。

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