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ADA PLANTS GALLERY #05 「タイガーロータス レッド/グリーン」

岩堀 康太岩堀 康太
多様な生体製品を開発しているADAの生産開発部、通称”グリーンラボ”。
このコーナーではラボで扱う植物の豆知識や時折見せてくれる素顔の一部をご紹介します。

ロータス5000年の歴史


日本の国花は桜ですが、タイ、スリランカをはじめ、スイレンが指定されている国がいくつかあるようです。今回のテーマであるタイガーロータスは、エジプトの国花として制定されており古くから愛されています。古代エジプト文明では、パピルス(紙のような筆記媒体)や壁画にもよく描かれていたようです。また、ツタンカーメン王の墓からの出土品にはブルーロータスがでてきますが、それは別種のN.nouchali var. caeruleaであると言われています。

鮮やかに水中を飾る


タイガーロータスと呼ばれるだけあり、ワイルドに散りばめられた褐色斑が目を引きます。派手でありながら透明感のある水中葉は瑞々しくレイアウトを彩ります。株が充実すると浮葉を出しやすくなりますが、水中葉のまま維持するにはこまめに摘み取っていくことがコツとなります。また、あえて浮葉を展開させ、存在感をより強調することもできますが、その場合は水中への光が減ることも考慮した植栽にしましょう。
燃えるようレッドタイガーロータスが映える水景。同郷ということもあり、ボルビティスやクリナムとも馴染んでいる。

イツザキ? スイレン


和名はヨザキスイレンと呼ばれていますが、栽培下では必ずしも夜に咲くというわけではないようです。ちなみに、すみだ水族館の3m水槽では早朝に開花していることが多く、メンテナンススタッフの束の間の癒しにもなっています。白と黄色には、紫外線を当てると見える蛍光物質が含まれており、花が発する芳香とともに、チョウやガ、ハエ、ハチなどの昆虫を呼び寄せます。
清々しい白花が輝く。オープンなレイアウトでは、 目を引くポイントとなるのは間違いない。

アフリカのスイレン代表種


赤道アフリカを中心に広く分布するタイガーロータスは、河川や湖沼などに自生しシクリッドなど魚の住処になっています。現在ではファーム内における他種との交雑の影響でしょうか、新芽が矢じり型のものとそうでないもの、斑が極端に少ないものなどさまざまな表情のものが流通しているようです。浮葉表面は光沢があり、裏面は紫色に染まり、葉脈が浮き出てきます。N.zenkeriは今では同種として扱われており、また、とても良く似た種類にN.maculataがあり小型水槽に適しているサイズです。
タイガーロータスの葉裏。

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