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ADA PLANTS GALLERY #15「ハイグロフィラ・ポリスペルマ」

岩堀 康太岩堀 康太
多様な生体製品を開発しているADAの生産開発部、通称”グリーンラボ”。
このコーナーではラボで扱う植物の豆知識や時折見せてくれる素顔の一部をご紹介します。
オールラウンダーな有茎草
ハイグロフィラ・ポリスペルマは水中育成が容易な上、メンテナンスしだいで理想の姿に整えやすい水草です。植栽直後から節間が間延びしやすく生長が早いためすぐに水面に到達しますが、こまめにトリミングを繰り返すことで節間が詰まり葉も小型化、生長スピードも緩和でき、中景草としての選択肢や幅60cm以下の水槽でのレイアウトにも十分適しています。逆に水深のある大型水槽でも育成可能なため、ADAの超大型水槽でも比較的使用頻度の高い水草です。
管理によって野趣あふれるダイナミックシーンからコンパクトな姿まで、まさに “腕しだいの水草”である。

 
わかりやすい葉色の変化
ハイグロフィラ・ポリスペルマは同一個体でも、育成環境により葉の色をよく変化させます。要因の一つとして照明の明るさがあげられます。一般に知られている葉姿はライトグリーンですが、強光下では褐色へ向かって変色します。理想の色へ近づけたい場合は、他の水草の生長に差し支えない程度に調光すると良いでしょう。また、過度に側芽が多いときや栄養素が不足している場合は白化しやすくなります。その場合は、液体栄養素や「ボトムプラス」などで対処しましょう。
左から強光下/通常光下/白化状態
葉色が変色しやすく育成環境の指標になるため、ビギナーにもおすすめな水草。

 
固く締まった水上葉で
水上でのハイグロフィラ・ポリスペルマは水中ほどの生長スピードはなく、垂直に生長して15cm程度でとどまることが多いようで、しだいに匍匐茎、そこから側芽を形成します。花は紫色の小さな花が咲くので、パルダリウム、オープンアクアリウムの水上展開まで幅広く楽しめるでしょう。環境適応範囲が比較的広く、トリミング後の節や葉の切片からでも容易に発芽発根しますので、野外への流出は避けましょう。
薄いアメジストのような色の可憐な花は一見の価値あり。

 
個性的なタイプも
分布が南アジア~東南アジアにかけ広いため、その変異も大きいのでしょう。現在、ハイグロフィラ・ポリスペルマの変異として複数タイプが流通しています。代表的なものとして知られるタイガーハイグロは匍匐性が強く黄土色(虎斑が入る)の葉が特徴です。ハイグロフィラ・ゴールドブラウンは直上に生長しやすくシャープな水中葉を展開させます。名前からシャンパンのような色味を想像してしまいますが、鮮やかな赤褐色で背景を彩ります。ハイグロフィラ・ロザエネルビスはポピュラーなポリスペルマの斑入りタイプです。
一つの水槽で数タイプ用いても面白い。特に東南アジアのレイアウトではテーマ性が強調される。ここでは、タイガーハイグロとゴールドブラウンを植栽。

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