ADA PLANTS GALLERY #10 「ディネマ・ポリブルボン」
多様な生体製品を開発しているADAの生産開発部、通称”グリーンラボ”。
このコーナーではラボで扱う植物の豆知識や時折見せてくれる素顔の一部をご紹介します。
このコーナーではラボで扱う植物の豆知識や時折見せてくれる素顔の一部をご紹介します。

小型着生ラン入門種
中米のジャングルに分布するディネマ・ポリブルボンは、小型着生ランの入門種として周知されています。大きくなっても20㎜程の卵形のバルブに、30㎜前後の長楕円の葉を2枚広げます。樹幹や岩肌に着生しており、数百から千単位のバルブを密生させている場所もあるようです。標高600~3200ⅿと広く分布しており、暑さや寒さにも耐えられる強健な小型着生ランです。

パルダリウムでの使いどころ
ガラスポットSHIZUKUやネオグラス エアなど小型ケースでは、テラプレートや枝が太めのホーンウッドSS~Sなどに巻きつけたものを入れるだけでシンプルに飾ることができます。システムパルダでは、サーキュレーションファン 40の風が届き、照明が良く当たる枝先が適しています。レイアウトでは3、4株を絡めるようにまとめて着生させると密生して展開しやすくなります。

小さな太陽のような花
冬~春にかけて花期となるディネマ・ポリブルボンの花は、リップのみが白色で、ビタミンカラーの鮮やかな黄色が眩しい花が基本です。また、黄色の中に赤色を呈するように花を開きますが、その濃淡や面積には個体差があり、黄色よりも赤が強く出る個体もあります。どちらの色が強く出たとしても、小さな太陽を見ているようでなんだか元気が出ます。一気に開花する密生群落の姿は見応え十分です。

一属一種のラン
中米の着生ランで有名なものにエピデンドラム属Epidendrumがあります。1700種近くあるそのエピデンドラム属に、かつてディネマ・ポリブルボンも属していましたが、現在は花の形状の差異などから単型属として分離されています。エピデンドラム・ポーパックスとディネマ・ポリブルボンとは分布が重なる部分があり、旧友として一緒にレイアウトに取り入れても面白いかもしれません。


分類の背景や同じ産地ということもあり、この2種を取り入れたレイアウトにはちょっとしたストーリーが生まれそう。