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TOP OF THE WORLD 2023 #03

TOP OF THE WORLD 2023 #03

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
Eternal / 永遠なるもの
Aquarium Size W1,500×D600×H450(mm)


水草
ブリクサショートリーフ/ヘアーグラス/ロングヘアーグラス/ミニヘアーグラス/アラグアイアレッドシャープリーフハイグロ/ピグミーマッシュルーム/キューバパールグラス/ベトナムゴマノハグサ/ミリオフィラム・マトグロッセンセ/ロターラ・インディカ/ロターラ sp. オレンジジュース/ロターラ・ナンセアン/南米ウィローモス

魚種
コリドラス・ピグマエウス/コリドラス・アエネウス ベネズエラ/オトシンクルス/サイアミーズフライングフォックス/ヤマトヌマエビ
Josh Sim / ジョシュ・シム
Malaysia / マレーシア
年齢 :50歳
職業 :管理職(製造業)
アクアリウム歴 :15年
趣味 :読書、ハイキング、テラリウムと ジャングルプランツ
過去の受賞歴:
IAPLC2009 4位
IAPLC2011 21位
IAPLC2013 4位
IAPLC2015 6位
IAPLC2016 25位
IAPLC2017 1位
IAPLC2018 20位
IAPLC2019 1位
IAPLC2020 3位
IAPLC2021 6位

私の夢はネイチャーアクアリウムを主流のスタイルにすること


AJ 受賞したご感想をお聞かせください。
長年IAPLCに参加し、私にはすべての応募がそれ自体で祝う価値ある楽しいプロセスであり、学びの旅の宝であり、賞をいただくことはその上にさらに喜びを与えてくれるものです。しかし、今年の受賞が特別に感じるのは、この作品をネイチャーアクアリウムのコンセプトのもと、天野先生の教えである侘び寂びの精神で制作したからです。現代のアクアスケープコンテスト時代において、複雑なハードスケープ構造なしで何か達成することは容易ではなく、それにより、この趣味の真の美しさである水草自体から離れてしまったと感じています。それなので、今年は水草をより強調し、魚の良好な生活棲息地を見せるレイアウトで受賞したことを非常にうれしく思います。再び水草の美しさを楽しみ、それらをレイアウトの主な魅力として使っていくように世界中の愛好家に影響を与えることができればと願っています。最後になりましたが、天野先生の遺産とそれを長年受け継ぐIAPLC実行委員会、そして審査員の皆さんと審査に携るすべての人に感謝します。ありがとうございます。私はすでに2024年に何が起こるのか楽しみにしています!

AJ 今回の作品のテーマ、モチーフ、アイデアなど制作意図を聞かせてください。
近年、私はかなり多くの水景を見ながら研究しています。天野先生のすべての過去作品で見られること、流れる水の中での野生的で混沌とした美しさある水草の自由な姿に気づき、このことをより大切に思っています。これが本作品の背後にある主なコンセプトです。私は水草を使って水中の景色を紹介し、過剰なハードスケープに頼ることなく、魚にとって快適な自然の棲息地をつくりたいと思っています。

AJ 作品を制作、管理するうえで苦労した点を聞かせてください。
このレイアウトの制作プロセスは非常に簡単で、主要な構造は4本の流木で30分以内に完成しました。特に難点だったことは、水草のメンテナンス中にありました。まず、ロングヘアーグラスを有茎草の間で生長させたので、有茎草をトリミングするのは悪夢のプロセスでした。間違ってロングヘアーグラスを切らないように、有茎草の茎1本1本トリミングしなければなりませんでした。また、ピグミーマッシュルームは早く生長するため、トリミングプロセスに非常に時間がかかり、どの茎を切るか維持するかを決める必要がありました。
たった4本の流木で構図を組んだ。
AJ 水草や魚種の選定する上でのポイントについて教えてください。
このレイアウトで最も重要な水草は、ロングヘアーグラスとピグミーマッシュルームであり、この2つの水草がレイアウトを成功させたとも言えます。前景に植えたロングヘアーグラスは特に重要で、この背の高い水草の従来の使用方法とは違いますが、まさに私が達成したかった効果をもたらしました。ピグミーマッシュルームは野生的で自然な感覚を与え、この水中レイアウトにとって非常に大切だと思います。魚に関して言うと、最初からコリドラスを使用するという考えがありました。コリドラスは本当に特別で、コンテストのメインフィッシュとしてこれまで誰も使ったことがないと思ったからです。彼らは完成写真でとてもよく動き、他の魚と比較すると写真を撮るのは非常に簡単です。サイアミーズはたまたま適切な場所とタイミングでいてくれました!
IAPLCでは珍しいコリドラスをメインフィッシュとしてチョイスした。
AJ 今後、つくってみたいレイアウトや夢は何ですか。
これまで森の水景をたくさんつくってきたので、石をメイン素材にした水中ネイチャーアクアリウムのレイアウトに挑戦していきたいです。この趣味の主流スタイルが起源から少し逸脱していると感じているので、それをネイチャーアクアリウムに復活させることが私の夢です。私はさまざまな技術やスタイルの進化を楽しんでいますが、水草レイアウトがより高く評価される時代を取り戻したいと思っています。

AJ コンテスト入賞の秘訣はありますか。
秘訣があればいいのですが、実際にはありません。以前は、見る人と審査員をわっと驚かせるために、インパクトと豪華さが必要だと言ったかもしれません。しかし、今はそうでないことを望んでいます。これからは、佗び寂びの精神を持った真のネイチャーアクアリウムがIAPLCで受賞して欲しいからです。
構図制作から6週と、10週が経過した変化の様子。

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