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IAPLC 2024 GRAND PRIZE [ Great Wave ]

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
[ グレートウェーブ ]
流木を駆使したうねる波の造形が印象的であり、他の作品と違った趣向がコンテストでは功を奏したと言えるでしょう。水景全体からはエネルギーに満ちた動的な力強さが感じられますが、水草のグリーンが程よく強さを緩和していてそのバランス感覚が見事です。それは作者のレイアウトセンスそのものであり、それは水槽四隅の丁寧な処理にも表れています。

IAPLC 2024 GRAND PRIZE
Wold Ranking 1


Luis Carlos Galarraga
Brazil / W1,200 x D600 x H450 (mm)

[ Great Wave ]

水草
ニューラージパールグラス
グロッソスティグマ
リトレラ・ウニフローラ
エレオカリス・ミニマ
ウォータークローバー
ラヌンクルス・パピュレントゥス
クリスマスモス
ナミガタスジゴケ
アヌビアス・バルテリー・ミニコイン
アヌビアス・ナナ・パンゴリーノ
ボルビティス sp. ミニ
ミクロソラム・ウェンディロフ
ミクロソラム sp. ミニ
クリプトコリネ・ピグマエア
ブセファランドラ sp.
ウォーターローン
ロターラ sp. グリーン
ロターラ・ナンセアン
ロターラ sp. バングラデシュ
ポゴステモン・エレクタス
ベトナムゴマノハグサ

魚種
テトラオーロ
トリゴノスティグマ・ヘンゲリー
ナノストムス・マジナータス
ダニオ・エリスロミクロン
ヤマトヌマエビ
ヒメヌマエビ
Profile
年齢 :57歳
出身国 :ブラジル
職業 :建築家、アクアショップオーナー
アクアリウム歴 :約50年
趣味 :スキューバダイビング
過去の受賞歴:
IAPLC 2023 39位
IAPLC 2022 19位
IAPLC 2021 29位
IAPLC 2020 7位
IAPLC 2019 33位
IAPLC 2018 31位
IAPLC 2017 4位
IAPLC 2016 50位
IAPLC 2015 10位
IAPLC 2014 43位
IAPLC 2013 20位
IAPLC 2012 18位
IAPLC 2011 18位
水景制作への大きな情熱が刺激になっていると思います。
- IAPLC2024についての思いや受賞したことへの感想を聞かせてください。

今年は良い順位を狙える作品にできたと自負していました。私としては初めてアイデアの構想から始め、そこから作品づくりのための最適な素材探しを始めました。参加しているアクアベースレイアウトチームの皆が励まし、私のキャリアに残る作品だと認めてくれました。ということで、8月31日当日は大きな期待と共に迎えました。放送が始まったあたりは見るからに緊張していたと思います。51位が発表のとき、50位以内に入るという第一の目標は達成できたと確信しました。27位まで来て、優秀賞に入れたなと。8位まで発表されると、もしかしたら自分はトップ100にも入っていないんじゃないかと思い始めました。すごくドキドキしながら、ついに自分の作品がグランプリになったのを見て泣き崩れてしまいました。私の一番の夢が叶ったんです!

 

- この作品におけるコンセプトや制作の意図は何ですか?

昨年の11月8日深夜、IAPLC 2024用のアイデアを考え始めました。動きのある波の情景が思い浮かびました。夜中の2時だったのですがもう眠れなかったので起きることにして、キッチンでそのスケッチを始めました。午前4時頃家を出てアクアベースへ向かい、コーヒーを淹れてアイデアを実現できる素材を探し始めたところ、この作品を実現させるにはとにかくたくさんの流木が必要なことに気づきました。うまく言えませんが、その夜のことは何か良い予兆のように思えたので、とにかくエネルギーを注いで作品をつくり上げることにしました。

 

- この作品は葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を連想させますが、インスピレーションになったのでしょうか?

「神奈川沖浪裏」には何度も心を打たれてきました。でも、今回の作品では少なくとも意図的にはインスピレーションにしていないんです。先ほど触れた深夜のアイデアを基にしたものです。大きな波の形はこの作品の最後に加えられた要素の一つなのですが、何日か経ってようやく日本の有名な作品によく似ていることに気づきました!

 

- 流木がとてもユニークな形をしていますよね。どのように配置されたのでしょうか?

波の形を表現するために、小さな流木のかけらをいくつも接着しました。この種類の木はブラジルではドラゴンウッドと呼ばれます。ドラゴンストーンにとてもよく似ているからです。この作品では80〜100個程度の流木を使用しました。しかも300個以上の中から選別しています。今も私の店舗ではものすごい量のドラゴンウッドを販売していますよ!

 
動きのある波の情景が思い浮かんだアイデアスケッチ。
構図
300個以上の流木の中から選別して80〜100個の流木を接着しながら骨格を形成した。
- 制作過程ではどのような点が大変でしたか?

大変なことはたくさんありました。一つずつ流木を接着するのには苦労しました。注水後や植栽後に流木が壊れてしまってはいけないので、とても慎重に作業しなければなりませんでした。苔類やゆっくり育つ植物たちがきちんと定着し生長した作品にしたかったため締め切りのことも心配でした。幸いにもアクアリウムは完璧な状態になりました。ADAの液肥システムのおかげで藻類も発生せず、生長を待っている間流木を擦ったりせずに済みました。

 

- 植栽のキーポイントがあれば教えてください。

キーになったのはドライスタートシステムというナミガタスジゴケやクリスマスモスなどのコケ類を流木の表面に植栽し21日間管理された湿度の中で定着させる方法です。この段階で、この作品の重要な部分であるウォーターローンを使用した中央の波の頂点部分の空中庭園をつくりました。もう一つ重要な点としては、使用した植物はすべて組織培養されたものです。

 

- 毎回素晴らしい作品を応募して頂いていますが、今年ついに1位を獲得されました。長い間IAPLCに応募し続けるモチベーションは何ですか?

水景制作への大きな情熱が刺激になっていると思います。IAPLCで優勝することはずっと大きく遠い夢でした。過去の作品もあってこその受賞なのだと思います。毎年学ぶことばかりです。2011年のIAPLCから続けて良い成績を残せているのは2010年に初めて日本に行ったからだと思っています。以降、毎年トップ50に入り続け、今年ついに一番の夢が叶いました!

 

- ご自身が経営する「アクアベース」での活動はいかがですか?

アクアベースを21年やってきて、今が一番良いフェーズだと思っています。私たちをセールスマンでなくコンサルタントとして見てくれるクライアントが沢山いますし、何百人もの学生がワークショップに参加してくれました。晩年の天野 尚先生から直接教えて頂いたネイチャーアクアリウムをブラジルだけでなく世界に広め続けます!
応募の締め切りに間に合うか不安になりながらも、上々の仕上がりになった。
「アクアベース」チームのスタッフたちと。
- 今後の水景創作への展望や目標を教えてください。

健康である限りIAPLCに参加し続けたいです。
今後は入賞へのプレッシャーが今までとは比べ物になりませんが、今後の作品づくりへ良い影響を与えてくれるかもしれません!

 

- あなたにとってIAPLCは何でしょうか?

IAPLCは今までも、そしてこれからも世界で一番重要で名誉あるコンテストです。天野 尚さんは私の人生を変えてくれました。弟子としていつまでも熱い思いを持ち続けたいです。
仲間たちの助けを借りながら何度も撮影し、納得のいく一枚を選定した。

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