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TOP OF THE WORLD 2021 #01

TOP OF THE WORLD 2021 #01

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
Ancient Tree / 太古の巨木
Aquarium Size W120×D50×H50(cm)

水草
アヌビアス・ナナ・ “プチ”
ブセファランドラ sp.
クリプトコリネ・ウエンティ (ブラウン)
トニナ・フルビアティリス
グロッソスティグマ
ヘテランテラ
ニューラージ・パールグラス
ロターラ・ナンセアン
ロターラ sp.
クリスマスモス

魚種
レッド・テトラ
20年以上の歴史を持つIAPLCでは、過去の上位作品の影響を受ける表現が多くなりがちですが、そうした中で上位を狙うには類似表現の中に埋没しないような新規性や印象に残る表現がなされているかが重要となってきます。このグランプリ作品においては、そのモチーフ自体にはそれほどの新規性はなかったものの流木を多用したレイアウトが陥りやすいおどろおどろしい熱帯雨林の表現ではなく、板根を再現した力強いレイアウトが熱帯雨林への憧れを満たし、印象深い表現になっていたことが何よりも良かったと思います。細部を見ると各所に荒さはありますが、堂々とした板根の印象とその空間表現の巧みさが勝ったとも言え、作品に込められた作者の情熱も伝わってきました。10名中8人の審査員が個別の上位10作品に選び、山口審査員がベストアクアリウムに選んでいました。

IAPLC実行委員会 代表
大岩 剛


YOYO PRAYOGI / ヨーヨープライヨギ
Indonesia / インドネシア

年齢/46歳
職業/アクアリウムショップの経営
アクアリウム歴/12年
その他の趣味/ハイキング、ガーデニング
過去の受賞歴/
IAPLC2016 6位
IAPLC2017 3位
IAPLC2018 51位
IAPLC2019 36位
IAPLC2020 130位

この趣味が発展し続け多くの人にその美しさを知ってもらいたい


AJ 受賞したご感想をお聞かせください。
世界で最も名誉あるコンテストであるIAPLCにおける私の作品の順位が発表される日。そう、それは私がずっと待ち続けていた日です。私は家族と一緒にその瞬間を待ちました。順位が発表される度に、「すごいね、かっこいいね、最高」と夢中になって叫んでいる家族のためにコーヒーとスナックを用意しました。ここ数年の順位はあまり良くなかったので、順位発表を見ながら「私の水槽はどこ?」と自分自身に問いかけていました。上位50位の発表が終わり、上位27位の発表が終わり、私は忍耐強く待っていました。息子が「お父さんの水槽はどれ?」と聞いてきたので、彼らを盛り上げ、ワクワクさせようと「お父さんの水槽は最後にくるよ」と答えました(笑)。上位7位の発表が始まり、家族は「この作品すごいよ、最高だよ」とざわつき始めました。私は自分の水槽を見つめ、「来年はこの水槽より良いものをつくらなければならない」と自分自身に言いました。上位3位の発表。私はただただ画面を見つめていました。上位2位、そしてグランプリが映し出されました。グランプリ作品が読みあげられたとき…「太古の巨木….ヨ−ヨ− プライヨギ?」これって、私? これは夢? 私はとても混乱していました。いえ、今もまだ実感がなく衝撃を受けています。でもこれは間違いなく私の水槽、私の「太古の巨木」なのです。夢じゃない、現実なのです。子供たちは「お父さんの水槽だ」と何度も何度も大声で喜んでくれました。夢にみたことが実際に起こるなんて思ってもいませんでした。私たちは感動し、誇りに感じ、幸せであると同時に衝撃を隠しきれませんでした。グランプリ受賞は私にとって初めてのことであり、私の国インドネシアにとっても初めてのことです。この受賞が世界中、特に私の国インドネシアでのアクアスケーパーの発展への良いスタートとなってくれれば幸いです。ありがとう天野 尚先生、ありがとうIAPLC。

AJ 今回の作品のテーマ、モチーフ、アイデアなど制作意図を聞かせてください。
大きく、影を持ちながらも背景にある木々を覆うことなくそびえ立つ太古の巨木を表現したいと思いました。数年前、山の中を歩いたときにこのアイデアが思い浮かびました。歩いていくと、大木の木陰になった涼しい避難場所を見つけました。ですが、今年その場所へ行ってみると、その大木は切り倒されてなくなっていました。なので、あの一瞬の記憶を水槽の中で再現しようと挑戦しました。
本水景のモチーフとなった大木。一瞬のインスピレーションが水景に落とし込まれている。
AJ 作品を制作、管理するうえで苦労した点を聞かせてください。
この作品で難しかった点は、古木の樹皮をいかに本物のように再現できるか、という点です。さまざまなやり方、さまざまな種類の流木を試しながら、ようやく再現することができました。管理に関しては、私が強調したい樹皮の溝をモスが覆うことないようモスのトリミングのタイミングを決定し、かつ生長を維持することが難しかったです。

樹皮の表現は最大のポイントで、流木の材質だけでなくモスの育成にも気を使った。
AJ 出品作品に使われているレイアウト素材(石、流木)はどのようなものですか。
お気に入りのインドネシア産の流木を使用しました。
今回使用したインドネシア産の流木。独特の質感で古木の樹皮が表現された。
AJ おすすめのADA製品とその理由を聞かせてください。
ラプラタサンドです。とても自然で統一感を演出できます。そしてどんなテーマのレイアウトにも使用できるからです。

AJ 水草レイアウトのどのようなところに魅力を感じますか。
今見ているものや記憶にある静かな自然の情景を表現できます。そして、植物が健康に生長しているのを見るのはとても心が落ち着きます。新鮮で、心が満たされます。

AJ コンテスト入賞の秘訣はありますか。
新しいアイデアを見つけ、その過程を楽しむことです。

AJ 今後、つくってみたいレイアウトや夢は何ですか。
この趣味が発展し続け、より多くの人に知ってもらいたいです。単にアクアリウムということではなく、芸術、レイアウトそしてその美しさも知ってもらいたいです。

AJ IAPLCについてどう思われますか。
IAPLCは最も名誉あるコンテストであり、世界中のアクアスケーパーにとって待望の存在です。IAPLCへ参加することは私の誇りです。

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