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TOP OF THE WORLD 2023 #01

TOP OF THE WORLD 2023 #01

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
Place of origin / 源の域
Aquarium Size W1,500×D600×H600(mm)


水草
ボルビティス・ヒュデロッティ/タイワンファン/エキノドルス・テネルス/ゴイアスドワーフロターラ/ヨーロピアンクローバー/リシア/ピグミーマッシュルーム/ミニヘアーグラス/キューバパールグラス/ニューラージパールグラス/クリプトコリネ・パルバ/ブセファランドラ sp./グリーンロターラ/フクロハイゴケ/プレミアムモス/プレミアムモスの仲間/ウィローモス/フレイムモス/ウォーターフェザー

魚種
カージナルテトラ/イエローブッシープレコ/サイアミーズフライングフォックス
ここ最近は森をイメージさせる作品が多くなってきており、今年のグランプリ作品はその最終形とも言える出来映えで細部に渡り丁寧に仕上げられています。深い森に誘われていくような感覚は、その精緻なレイアウトの構成力によって生み出され、作者の高い技量を感じます。化粧砂の使い方、流木の際の表現、着生水草の使い方、奥行きの表現、魚の撮影ポジショニングなど水草レイアウトに求められる技術が駆使されており、コンテストならではの水景とも評価できるでしょう。その一方であえて厳しく評価するならば、グランプリ作品にはもう少し斬新さや個性的な表現を期待してしまうところもあり、昨年は2位、今年はグランプリを獲得してしまうほどの実力者の方だけに、新規性を備えた今後の作品に期待は膨らむばかりです。

IAPLC実行委員会 代表 大岩 剛

Zhemin Fan / ゼイミン ファン
China / 中国
年齢 :54歳
職業 :電気会社管理者
アクアリウム歴 :14年
趣味 :音楽鑑賞、中国家庭料理をつくること
過去の受賞歴:
IAPLC2014 27位
IAPLC2015 154位
IAPLC2016 120位
IAPLC2017 173位
IAPLC2021 40位
IAPLC2022 2位

水槽の中の水草や風景が自然な姿を見せ観賞者に好感を与える


AJ 受賞したご感想をお聞かせください。
8月26日の夜、私は2023年IAPLCの結果発表の生中継を見るために自分の工場に戻りました。今年の作品には自信がありましたし、いい結果が出るはずだと思っていました。スクリーンの前で友人の作品が登場し、その一つひとつが紹介されていきました。27位まですでに何人かの中国人参加者の名前が目の前に現れていました。その発表を見ているうちに、私は「私じゃない、まだ私じゃない」と思い続けました。上位7人の発表の時間になり、「幸運の神様が降りてくるのだろうか」と思いました。そしてついにグランプリ発表のときがきました。美しくきれいな司会者の方は、少し間を取りました。私の胸は高鳴りました。そして画面には、ほぼ毎日見ていた自分の作品が紹介されたのです。私はついにグランプリを勝ち取りました。今年は念願の頂点に立ったのです。すぐに仲間の王超さんから祝福の連絡があると、その後は次々とお祝いの電話があり喜びに包まれました。

AJ 今回の作品のテーマ、モチーフ、アイデアなど制作意図を聞かせてください。
昨年11月にbilibiliというで動画サイトで、ブダペストの水族クラブで行われたジョシュ・シムさんのレクチャーを見たことで、IAPLC2015の深田崇敬さんの第1位の作品に対する理解が深まり、多層的な作品をつくるアイデアが浮かびました。流木を使ったこのような創作は比較的容易です。なぜなら、観賞者にとって、流木を使ってつくられた光景や流木と流木の間の透視関係が、観賞イメージに最も直接的なインパクトを与えるからです。また、この作品は自然の包容力を通して、草とのマッチングというコンセプトで、より多くの可能性を叶えることができます。
こまめなメンテナンスで水景のクオリティを高めていく。
AJ 水草や魚種の選定する上でのポイントについて教えてください。
水草の選択は自然界の法則に合わせなければならず、今回はメインの流木にプレミアムモスとウィーピングモスを用い、2種類のモスで自然界の苔が共生しているシーンを表現しました。前景の左右にはニューラージパールグラスを選び、それにゴイアスドワーフロターラを加え、色彩を豊かにしました。中景と背景にはキューバパールグラスとミニヘアーグラスを組み合わせ、水草の葉形のサイズと色の濃淡で、いくつかの異なる階層をつくりました。また、カージナルテトラを選択したのは、群泳性が良く、ダイナミックな画面を生み出しやすいからです。

AJ 水草レイアウトのどのようなところに魅力を感じますか。
水草レイアウトの最大の魅力は、構図づくりと水草を植栽することにより、水槽の中の水草や風景が自然な姿を見せ、自分自身や観賞者に好感を与えることができることです。

AJ 今後、つくってみたいレイアウトや夢は何ですか。
今年の3位であるマレーシアのジョシュ・シムさんの作品は私を驚かせました。ジョシュ・シムさんの作品は、シンプルな骨格と豊富な水草を使い、流動的な水中の世界をつくり出しています。今年の作品はこのスタイルをさらに極限まで引き上げました。ジョシュ・シムさんのこの作品は、ネイチャーアクアリウムのバージョン2.0と呼ぶことができると感じました。ジョシュ・シムさんのこの考え方を学び、自分の作品を新たなレベルに引き上げたいと思いました。

AJ コンテスト入賞の秘訣はありますか。
作品を構想した後、なるべくスケッチを描いたほうがいいと思います。レンダリングを通じて構図の不足を検証し、水草のレイアウトを事前に設計していくことができます。事前の準備作業が増えるように思えますが、1枚の完璧なレンダリングは、最終的に骨組みをつくり、水草栽培などの作業が楽になり完成までの近道になります。
構図の設計図。地道な検証作業は完成度を高めるための近道。
AJ アクアリウムクラブに所属している場合は、その活動内容を聞かせてください。
私はCAA中国水景協会に入っており、毎年ある場所に集まり、水草レイアウトや IAPLC などについて話し合っています。

AJ IAPLCについてどう思われますか。
毎年最も大きな期待が寄せられているコンテストで、世界最大クラスのイベントでもあります。世界中の水草レイアウト愛好家に自分をアピールするチャンスを与えていると思います。
CAA の仲間たち。お互いレベルアップを目指して切磋琢磨している。

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