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IAPLC CREATOR’S FILE #12 Insik Chung

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
世界的な水草レイアウトコンテスト「IAPLC」。IAPLCクリエイターズファイルでは、その上位入賞者にインタビューを行い、上達の秘訣や水草レイアウトに対するこだわりを紹介いたします。
Insik Chung
年齢 / 51歳
国名 / 韓国
職業 / 建築管理責任者
アクアリウム歴 / 15年
趣味 / 瞑想
過去の受賞歴 /
IAPLC2014 1041位
IAPLC2015 263位
IAPLC2016 645位
IAPLC2019 563位
IAPLC2020 500位
IAPLC2021 19位
IAPLC2022 169位
IAPLC2023 9位
IAPLC 2023 WORLD RANKING 0009
岩の森
Aquarium Size W1,200×D600×H500(mm)


水 草:プレミアムモス / ベトナムゴマノハグサ / アメリカンスプライト / パールグラス / ニューラージパールグラス / コブラグラス / ボルビティス・ベビーリーフ / ミリオフィラム sp. ガイアナドワーフ / ロターラ・ナンセアン / ブリクサ・ショートリーフ
魚 種:ブルーレインボー


 

作品に込めたメッセージが伝わり、安らぎを与え、その上で自然的。そんな水景の制作を心がけていきたい。

Q 水草レイアウトを始めたきっかけは何ですか?
始めた当初は、石や流木、水草を使って自分だけの景観を水槽の中に制作する過程を楽しんでいました。しかし、今はこの趣味を通じて自然を観察しながらその素晴らしさを知り、そして自然の原則を自分の生活に取り入れるようにしています。

Q 水草レイアウトのどのようなところに魅力を感じますか?
水草レイアウト水槽は水中に入らずともガラス越しに魚や水草がつくり出す水中世界の特別な美しさを楽しむことができます。また、さまざまな器具を使いながら水中環境をコントロールし、自分だけの水中世界をつくり出す満足感を得ることができます。

Q 今回のレイアウトのテーマやモチーフ、アイデアはどこから得ましたか?
以前は、自然を縮小したレイアウトをつくろうとしていたので、自分が実際に見た自然の風景を参考にしていました。しかし今は、自然の姿を再現しようとするのではなく、東洋的感覚を捉え、レイアウトに落とし込むため、水墨画や白黒写真など、対象を単純化して表現されたイメージにアイデアを得ています。
レイアウト制作のインスピレーションとなった風景のひとつ。
Q レイアウトをする上でこだわりのグッズはありますか?
人工的に分断されたりしていないラフな素材が好きです。派手さや強烈さはありませんが、水草と組み合わせることで自然の景観を演出しやすい素材です。できるだけ直接自然から採取しています。

Q レイアウトを制作していく過程で、苦労した点や工夫した点はありますか?
IAPLC2023のために2度レイアウトをつくりました。水草の植栽まで進めましたが、よくあるレイアウトだと感じ、考えた末にやり直しました。次に制作したレイアウトでは、消失点の表現によく使われる小道をなくし、大きな石を配置して石に目がいくようにし、背景に小石や木の枝を使って奥行きのある景観にしました。自然に積み上げられた石のように見えますが、迫力、影、安心感ある水草スペースの演出のために配石はかなり試行錯誤しました。石はとても大きく重かったので配置するときは腕や背中が痛くなりました。
レイアウトの方向性が定まるまで、かなりの時間と苦労を要した。
出品作品の植栽時の様子。
Q 水草や魚種の選定する上でのポイントについて教えてください。
水草の大きさが植栽場所に応じて景観に適しているかが重要だと思っています。

Q レイアウト制作でいつも心がけていることがありますか?
第一に見る人に伝えたいメッセージが作品の中で明確に表現されているかどうか。第二に見る人が作品を見て疲れない十分な余白があるかどうか。第三に自然的であるかどうか、という3点を重要視しています。

Q コンテスト入賞の秘訣は
ありますか?

IAPLCに応募し始めたころは、自分が満足できる作品を制作していました。最近は、ハードスケープ、繊細さの表現、水草の選定、写真の雰囲気など、重要な段階で周りの人の意見を聞くようになりました。その過程が影響を与え、審査員からの評価に繋がったのだと思います。

Q IAPLCに応募するきっかけ、また、醍醐味はどんなところにあると思いますか?
私にとって、IAPLCに応募することは、世界最大のフェスティバルに参加するようなものです。前年よりも上位になるために制作は毎回難しく、結果が出ないと悔しい思いもしますが、フェスティバル期間中は期待と興奮を胸に抱いています。それなので、毎年フェスティバル参加の準備をし、この素晴らしい趣味を楽しんでいます。
Q アクアリウムクラブに所属している場合は、その活動内容をお聞かせください。
水草レイアウト愛好家で運営する非営利プライベートクラブ「アクアギャラリーステイ」に所属しています。ステイでそれぞれが自分の水景を制作することで、コンテストの準備やさまざまなレイアウトの試作、情報交換や親睦を楽しみながら、定期的な公開セミナーや研修などを行い、水草レイアウトを盛り上げています。また、国内のアクアスケーパーとの交流しながら水景を進化させるため取り組んでいます。
「アクアギャラリーステイ」の仲間たち。
Q 世界中の水草愛好家の皆さんにメッセージをお願いします。
IAPLCに参加したことがない方には、私が初めて参加した時と同じ感動を味わっていただきたいですし、皆がフェスティバルに参加し楽しんでほしいと思います。その経験は必ず特別で有意義なものになるはずです。

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