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GREEN information #8「身近な自然への配慮」

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水草を栽培していると、トリミングを行ったり、植え替えを行うなど、さまざまなシチュエーションで水草を取り扱うことがあります。今回は、水草を増やす、大きく育てるといった育成を楽しむ上で注意が必要となる「水草の切片」について紹介します。
競い合うように展開する有茎草
有茎草は、何度もトリミングを繰り返すことで茎や葉のボリュームがアップし、美しい有茎草の茂みになります。有茎草のトリミングの際、頂芽がカットされて取り除かれると、カットした付近の節間から1本または2本の脇芽が生じます。この脇芽が伸長して新たな頂芽となっていくため、2度、3度とトリミングを繰り返すことで1本の有茎草が持つ頂芽が複数本になっていくのです。このように、水草の中には生長点を失っても生長がすすみ、株の伸長を継続できる種類があります。この特性は、自然界で動物に頂芽付近を捕食されたり、環境変化などで生長点が傷んだ際に株を再生し、維持するために有効です。
トリミングを繰り返すことで次々に生長点が増殖
有茎草のトリミングを行うと、残った茎は頂芽を再生して再び生長を始めますが、カットして取り除いた茎も決して死んだわけではありません。これらの茎を底床に植栽すれば、再び発根して生長し始めます。これも水草の繁殖方法の一つであり、水草にはわずかな切片から増殖できるものもあるのです。有茎草のトリミングの場合、トリミングラインを整える際に細かな切片が生じることがあります。繁殖力の高い水草は、このように生じた茎の切片から(種類によっては葉の切片からも)発芽・発根することができます。水草は頂芽伸長や種による発芽以外にも、増殖することができるのです。
切片から発芽・発根している水草
何気なく生じる小さな切片一つでも環境に流出させない意識が大切
小さな切片からでも、生長が進むと元の株と同様の植物体へと変化することができます。そのまま株が充実し、増殖可能となる場合も考えられます。このような水草の切片が水辺環境へ流れつき、そこで増殖してしまうと、思わぬ影響が生じかねません。トリミングで生じた余分な茎や切片は確実に処分し、水槽の換水の際にも排水口に必ず水切りネットを使用するなど、環境影響への意識を持ち、育てた水草を自然界へ流出させないようにすることが大切です。

「植物の環境流出を防ぎましょう。環境保全の意識を持ちましょう。」

グリーン・マナーを意識して生き物の育成をお楽しみください。

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