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すみだ水族館レポート Vol.06

mizunotakahito
当時世界最大のネイチャーアクアリウムとして誕生したすみだ水族館の「自然水景」も制作から9年が経過しました。 これまであまり語られることがなかった舞台の裏側を連載でお届けします。

すみだ特別展示 自然水景の呼吸


水草の光合成によって生まれた酸素の気泡、これらが水槽内を漂い水面に消える様子に癒され、つい水槽を長時間眺めてしまうことがあります。その光合成で生まれた酸素は、目に見える気泡となって私たちを魅了するだけではありません。水槽内に飽和した酸素は、水流を通してろ過槽、底床内の微生物へと行き渡り、輝きを放つ透き通った水をつくり出しているのです。このような自然水景があらわす生態系の仕組みについてより多くの方に知ってもらうため、すみだ水族館では、酸素と二酸化炭素のサイクルに焦点を当て、「呼吸でめぐる、水族館」と題した企画展を12月9日より開催しています。このサイクルをより身近に感じていただくために120cm水槽を始めとしたネイチャーアクアリウムとパルダリウム水槽が特別展示されるほか、ワークショップなどのイベントが予定されています(詳細は次ページに掲載)。本稿執筆現在、企画展と年末年始を前に、7メートル水槽の下草や、有茎草の差し戻しなどの作業を進めている最中です。
有茎草の差し戻し作業の様子。
グロッソスティグマ差し戻しの際に底床を交換した。
アクアソイルの入れ替えや、底床栄養素の追加を行ったことで、企画展開催中は自然水景の水草たちも再び生長の最盛期を迎えていることでしょう。盛んに光合成する水草の美しい姿や、水の透明感を通じて、自然水景の呼吸をぜひとも感じていただきたいです。

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