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IAPLC 2022 TOP7 #01 「Matthew Israel Manes」

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
IAPLC2022は81の国と地域から2,083作品のエントリーがあり、その審査はADAのIAPLC実行委員会と世界9つの国と地域から選出された10名のIAPLC審査員によって行われました。
ここでは、そのIAPLC2022のTOP7を1位からご紹介していきます。
Matthew Israel Manes / マシュー・イスラエル・マネス
Philippines / フィリピン


年齢/26歳
職業/アクアスケーパー
アクアリウム歴/10年
過去の受賞歴/
IAPLC2017 728位
IAPLC2018 303位
IAPLC2019 561位
IAPLC2020 161位
IAPLC2021 5位
World Ranking 1
Ascend / 上昇
Aquarium Size W120×D45×H45(cm)

作品のコンセプトは海への恐怖心を乗り越えた自らの実体験


AJ 受賞したご感想をお聞かせください。
アクアスケープアーティストとして、今年ほど最高な年はありません。実は結果発表のYouTubeでの配信は見ませんでした。どうしてですかって? 去年もそうだったのですが、結果が気がかりで心臓は震えていました。私はそのような感情が苦手です。結果発表の日の午後、私は教会にいました。私は大親友のNicoに自分の代わりにライブ配信を見て欲しいとお願いしました。彼は受け入れてくれ、後ほど結果を教えてくれることになりました。そして結果が公表され、「順位を見る準備はできている?」とNicoに聞かれた私は「はい」と答えました。彼が彼の携帯を私に渡してくれたとき、“THE WORLD GRAND PRIZE”という文字が画面の中で光っていました。その夜、私がどのように感じたか、言葉では表現できません。これは、私にとってまさに夢だったのだということを思い出し、突然涙があふれ出しました。その夢を叶えるために多くの努力を費やしました。結果発表の前日、我が国に勝利をもたらすのだ、と自分自身に誓いを立てました。フィリピン人がグランプリを勝ち取る、それはIAPLC始まって以来、史上初のことであり、そしてこのことは世界的に認められるはずだと。IAPLCは世界的に最も名誉のある水草レイアウトコンテストの1つであることは皆さんもご存じの通りです。もし、グランプリを獲得することができれば、アクアスケーピングの世界において素晴らしい経歴となります。

AJ 今回の作品のテーマ、モチーフ、アイデアなど制作意図を聞かせてください。
あなたは今、水中にある洞窟の中にいます。そして空気を得るために、上に向かって泳ぎ進んでいるのです。そのような様子からタイトルは「Ascend/上昇」としました。このコンセプトは私が海への恐怖心をどのように乗り越えたのかを表しています。
海に潜るという体験から今回のレイアウトの着想を得ることができた。
AJ 作品を制作、管理するうえで苦労した点を聞かせてください。
下方や上方の骨格形成、そして空間制作は私にとって難しかったです。表現したいビジョンと実際の作品を結びつけるためには、私たちは革新的でなければなりません。水槽管理はシンプルで、特に問題はありませんでした。

AJ 水草や魚種の選定する上でのポイントについて教えてください。
水草の選定に関してですが、水槽全体において、骨格が隠れてしまうことのないよう選定しました。このレイアウトにおいて、影の存在もとても重要です。適切な魚を選定するのと同時に、彼らをベストなポジション、つまり上に向かって泳ぐ様子だったり、洞窟のトンネルを飛んでいるコウモリのように泳がせなければなりませんでした。
影の存在を重要視し細部に至るまで緻密につくり込んだ。
AJ 水草レイアウトのどのようなところに魅力を感じますか。
私にとってアクアスケーピングは単なる趣味以上のものです。私の芸術センスを披露する方法、披露する場です。生体を含んだ水槽の中で自然のさまざまな姿を表現することができるなんて、本当に驚きです。

AJ コンテスト入賞の秘訣はありますか。
ささやかですが、私からのアドバイスは常に自然界であなたの趣向に合うインスピレーションを探し求めること、そして心に決めたアイデアを探索し続けることです。

AJ 今後、つくってみたいレイアウトや夢は何ですか。
誰もが今まで見たことのないような、大きなインパクトのある作品を制作したいと思っています。私の最終的な目標は他のフィリピンアクアスケーパーがグランプリを獲得することです。

AJ アクアリウムクラブに所属している場合は、その活動内容を聞かせてください。
フィリピンで多くのクラブに所属しています。セミナー、ワークショップ、地元やフィリピン国内でのコンテストを通してメンバー同士互いに助け合い、技術の向上に努めています。
セミナーやワークショップなどのイベント活動も精力的に参加している。
国内コンテストを通じて知り合った仲間たちとつながり合い、ともに技術の向上に努めている。
AJ 世界水草レイアウトコンテストについてどう思われますか。
IAPLCは私にとってただの名誉ある世界的コンテストではありません。IAPLCのおかげでコミュニティの団結力が高まり、この趣味が世界中に名をはせることになるのです。

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