ADA Review 「水景クリエイターへの挑戦状 〜ホーンウッド編〜」
一発勝負の素材アレンジメントチャレンジ
水草レイアウトにおいて構図組みは、重要な作業の一つですが、 一般に使える素材は限られており、その中で上手く組むのは難しいものです。 そこで今回、AJ編集部が9本のホーンウッドを用意し、使い難い形状の流木をあえて数本忍ばせ、 3人(内田、本間、荒木)の水景クリエイターに30分一本勝負の構図組みに挑戦してもらいました。
今回の特別ルール
1. 制限時間30分以内に流木を用いて構図を組まなければならない。
2. 編集部が用意したホーンウッド S、M、L 各サイズ3本ずつを使用できる。
3. 使用する流木の本数は問わない。
4. 制作者は、構図組み開始まで流木を確認することができない。
5. 流木を固定する素材として山谷石を木箱1箱分(20kg)使用してもよい。
6. 水槽サイズはW90×D45×H45(cm)とする。

流木を組みわせて一本の巨木に見立てる
即興のチャレンジとはいえ、構図を組む上でテーマ設定は大切です。 ここでは根が露わになった巨木をイメージしました。 ポイントは、大小さまざまな流木を組み合わせて、一本の巨木に見立てたことです。一見使いづらそうな流木でも、骨格の持つ流れに沿って配置することで、あたかも一本の流木であるかのように見せることができます。

使用した流木

9本のホーンウッドのうち、6本使用。 骨格はLサイズ流木で。
AJコメント
黄金比1:1.618に習った重心の取り方は、基本に忠実で安定感も感じられます。無理のない組み方で根が張る様子を表現しており、その流れ(方向性)も適度に整いまとまっています。
AJコメント
黄金比1:1.618に習った重心の取り方は、基本に忠実で安定感も感じられます。無理のない組み方で根が張る様子を表現しており、その流れ(方向性)も適度に整いまとまっています。

植栽のイメージ
中央に落とした陰影とメリハリをつけたいので、背景にはロターラを中心とした華やかな有茎草を植栽したい。
中央に落とした陰影とメリハリをつけたいので、背景にはロターラを中心とした華やかな有茎草を植栽したい。
枝の勢いを活かした迫力ある構図
直線部分のある流木は使いどころが難しく感じますが、活着性水草を活用することで難を隠すことができます。 とにかく流木の表情をよく観察し、良い部分は露出させて、悪い部分は水草で隠すことを考えるようにします。今回は放射状に組みましたが、枝先が水草に隠れてしまわないように、外に向かって伸びるように配置し、勢いや迫力が失われないようにしました。

使用した流木

9本のホーンウッドのうち、5本使用。 シンプル イズ ベスト!
AJコメント
流木の表情を一本ずつ吟味することによって、野生味ある表情をうまく正面に配しています。 直線的に伸びる枝のある流木は使い難いものですが、迫力や勢いの表現として活かしています。
AJコメント
流木の表情を一本ずつ吟味することによって、野生味ある表情をうまく正面に配しています。 直線的に伸びる枝のある流木は使い難いものですが、迫力や勢いの表現として活かしています。

植栽のイメージ
ツーテンプル、ヘアーグラスなどの爽やかな水草が似合うだろう。 流木にモスを多めに巻きつけて、渋さも演出したい。
ツーテンプル、ヘアーグラスなどの爽やかな水草が似合うだろう。 流木にモスを多めに巻きつけて、渋さも演出したい。
広い遊泳空間を考えた三角構図
使用する流木の数は問わないという条件でしたが、あえてすべての流木を使い構図を組んでみました。 小型の流木と山谷石を組み合わせて根元を固め、一番大きな流木を水上まで突出させました。このような三角構図は、空間の取り方が明確で、魚の遊泳スペースと隠れ家をつくりやすいので、ネイチャーアクアリウムビギナーにはおすすめです。

使用した流木

9本のホーンウッドのうち、まさかのすべて使用。 こちらの意図をくんでくれたのだろうか…?
AJコメント
作業開始3分後には、おおよその構図は組み終わるという素早さは迷いのない証拠で勢いも大切。三角構図は斜辺のラインが難しいが、うまく変化を持たせています。ただ、できれば水槽内に収めて欲しかった。
AJコメント
作業開始3分後には、おおよその構図は組み終わるという素早さは迷いのない証拠で勢いも大切。三角構図は斜辺のラインが難しいが、うまく変化を持たせています。ただ、できれば水槽内に収めて欲しかった。

植栽のイメージ
水中にニムファの仲間、水上はフィロデンドロンの仲間、佗び草 有茎草MIXを配置すると面白いだろう。
水中にニムファの仲間、水上はフィロデンドロンの仲間、佗び草 有茎草MIXを配置すると面白いだろう。