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TOP OF THE WORLD 2018 #04

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
世界68の国と地域から1,977作品のご応募をいただきました「世界水草レイアウトコンテスト2018」。この連載ではトップオブザワールド2018と題し、その上位作品となるトップ7の作品をレイアウト制作者のインタビューとともに特集いたします。


THE INTERNATIONAL AQUATIC PLANTS LAYOUT CONTEST 2018
世界ランキング6位
BRONZE PRIZE
ベルナット・ホスタ
アンドラ/ TURO DE L’HOME トゥロ・デ・ロメ

Aquarium Size W90×D50×H43(cm)

水草

















































キューバ・パールグラス
ニューラージ・パールグラス
ロターラ・ロトンジフォリア・ピンク
ブセファランドラ sp.
ネグロ・ウォーターファン
クリプトコリネ・パルバ
クリプトコリネ・ペッチィ
オーストラリアン・ノチドメ
ショート・ヘアーグラス
アヌビアス・ナナ・“パンゴリーノ”
アヌビアス・ナナ

魚種









ラスボラ・エスペイ


 

Interview with the  Bronze Prize Winner
この作品は天野 尚氏へのトリビュートです

Profile
年齢/54歳
職業/会社員
アクアリウム歴/25年
過去の受賞歴/
IAPLC2010 1534位
IAPLC2012 80位
IAPLC2013 65位
IAPLC2014 221位
IAPLC2015 1054位
IAPLC2016 23位
IAPLC2017 111位
その他の趣味/スポーツ、自然愛好家
AJ:作品のテーマやアイデアについて教えてください。
ホスタ氏:私はグレゴリー・ボリシュチェック氏(ウクライナ)が「BIOTOPE AMANO」という絵画で表現したような穏やかでリラックスした雰囲気を伝えたいと思いました。この絵画の素晴らしい構造と奥行きのある自然景観を水槽に表現したかったのです。天野尚氏が手がけた自宅の庭園の絵画だとその時点では知りませんでしたが、そのことを知ってから、天野氏の自然空間を表していることが非常に誇りでした。天野氏へのトリビュートになると思いました。

AJ:レイアウトの制作、管理時において最も難しかった点はなんですか。
ホスタ氏:最も難しかったのは池を表現することでした。2016年IAPLC銀賞タナカカツキ氏の「Over Time」にインスパイアされ、鏡を使って光を反射させる案はとても賢いものだと思いました。私も小さな水槽内で鏡を試し、上手くいったのでこの方法を採用しました。もう一つの難点は、(上部に施した)ウォーターファンを、その下にある水草への照明を避けることなく、木の枝と葉を装うのに十分なサイズに育てることでした。水草が育つにつれて、その下にある水草にはあまり光が届きませんでした。
“池”の表現には鏡を採用。
AJ:使用されているレイアウト素材について、教えてください。
ホスタ氏:理想のボリュームで土壌を満たすのに、私は以前の水景の中で使っていた石を使って、上部と目に見える部分にレイアウトのベースと一貫性を持たせました。目に見える石には、異なる大きさの地元のスレート石を使用し、シリコン接着剤を使って付着させました。最も繊細だったのは池を設置する部分で、小さな石を細心の注意を払って鏡に付けました。これは水景表現のキーポイントになる部分なのでとても重要でした。流木には耐久性があり、ヴィジュアルにも優れている地元のブライアーウッドを使いました。また水景に奥行きを持たせるため、植栽では、前景に大きな葉の水草、背景には小さな葉の水草を用いました。例えば、似たような水草でも前中景にはニューラージ・パールグラスを、そして背景にはキューバ・パールグラスと使い分けています。


THE INTERNATIONAL AQUATIC PLANTS LAYOUT CONTEST 2018
世界ランキング7位
BRONZE PRIZE
梁劲
アンドラ/ Home 心安らぐところ

Aquarium Size W120×D50×H50(cm)

水草

























































ボルビティス・ヒュデロッティ
コーラルモス
ウェーピングモス
南米ウィローモス
ブセファランドラ
アヌビアス・ナナ・ “プチ”
グロッソスティグマ
キューバ・パールグラス
パールグラス
ラヌンクルス・イヌンダタス
ハイグロフィラ・ピンナティフィダ
オーストラリアン・ノチドメ
マリモ

魚種









ゴールデン・テトラ


 

Interview with the Bronze Prize Winner
古代文明の建築物が構図の基本となり作品が完成した

Profile
年齢/36歳
職業/水景クリエイター
アクアリウム歴/9年
過去の受賞歴/
IAPLC2015 36位
IAPLC2016 9位
IAPLC2017 6位
その他の趣味/旅行
AJ:作品のテーマやアイデアについて教えてください。
リン氏:今年のテーマは「自然への回帰」です。きっかけは「Life After People」という番組です。人類消滅後、文明は遺跡になり、植物に覆われて、地球が自然へ回帰した内容です。ヨーロッパの古代文明を代表する建築物を構図の基本にし、大木の根が古建築に絡まったアンコール・ワットの写真を参考しながら、この作品をつくりました。いままで3年連続で流木が主な素材となるレイアウトの原生林シリーズをつくったので、今年は新しい素材で挑戦したいと思い、めずらしい黒色の火山岩を主要な素材として使用しました。皆さんにも斬新さを感じていただければと思います。もちろん個人的に好きなスタイル――ガジュマルの気根が地面まで届くような自然界の生命力を表現することは今回も採用しました。

AJ:レイアウトの制作、管理時において最も難しかった点はなんですか。
リン氏:作品をつくるたびに、どうやって狭い水槽の中で広い空間と奥行きを表現するかを常に考えています。すべての空間を利用したので問題となるのは、水草が生長した後にメンテナンスの空間が少なくなることです。今年はメンテナンスのときも考えて空間の使い方を工夫しています。
遠近法も参考に制作。
AJ:今後どのようなレイアウトをつくってみたいですか。
リン氏:今後のレイアウトは新しいスタイルを挑戦したいと思います。でも前提はやっぱり自分の好みですね。何にせよ自分が好きだから続けられますね。自分の店を持つという夢は叶いました。今後、より多くの人にこの芸術を愛してもらえるよう、水草レイアウトの講義を行っていきたいと思っています。

AJ:IAPLCについてどのように思われますか。
リン氏:世界水草レイアウトコンテストは世界中の愛好家同士が知り合う機会を与えてくれ、交流の場を提供し、愛好家の実力をアピールする最高の舞台です!

 

連載
“TOP OF THE WORLD 2018”

世界68の国と地域から1,977作品のご応募をいただきました「世界水草レイアウトコンテスト2018」。この連載ではトップオブザワールド2018と題し、その上位作品となるトップ7の作品をレイアウト制作者のインタビューとともに特集いたします。

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