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TOP OF THE WORLD 2018 #03

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
世界68の国と地域から1,977作品のご応募をいただきました「世界水草レイアウトコンテスト2018」。この連載ではトップオブザワールド2018と題し、その上位作品となるトップ7の作品をレイアウト制作者のインタビューとともに特集いたします。


THE INTERNATIONAL AQUATIC PLANTS LAYOUT CONTEST 2018
世界ランキング4位
SILVER PRIZE
ヒープ・ホン
アメリカ合衆国/ Greener Where You Water It 心あるところ、より青く

Aquarium Size W120×D45×H45(cm)

水草

























ミクロソラム・ナローリーフ
エレオカリス・ミニマ
オーストラリアン・ノチドメ
タイガーロータス・レッド
アヌビアス・ナナ

魚種









スマトラ


 

Interview with the Silver Prize Winner
このホビーを通じて自然を大切にするインスピレーションを得たい

Profile
年齢/30歳
職業/調剤技師
アクアリウム歴/15年
過去の受賞歴/
IAPLC2016 116位
IAPLC2017 344位
その他の趣味/ビリヤード
AJ:作品のテーマやアイデアについて教えてください。
ホン氏:天野 尚氏が確立した古典的なネイチャーアクアリウムのスタイルを復活させたいと思いました。近年、ジャングルや山のスタイルがトップランキングを独占してきていたので、古典的なネイチャーアクアリウムを再びトップランキングに入れたい、というのが私の目標でした。レイアウトでは、1:1スケールに安らぎと自然観をもたらしたいと思いました。私が水草レイアウトで最初に熱中したのは水草でした。ですからこのレイアウトでも、自分のお気に入りの水草、ミクロソリウム・ナローリーフを多用しました。
基本に忠実な構成です。
AJ:レイアウトの制作、管理時において最も難しかった点はなんですか。
ホン氏:一番難しかったのはタイミングです。このレイアウトの制作を2月に着手しましたが、水草を成熟させるために十分な時間がありませんでした。また、流木の扱いもとても難しく、タンニンがかなり流出したため、換水してから18時間以内に水は茶色になりました。

AJ:使用されているレイアウト素材について、教えてください。
ホン氏:今年は米国のミズーリ州で集めた石を使いました。これらの素晴らしい石をある水景コンテストの帰りの運転中に見つけました。質感が良く、ひびも多く入っていました。年輪をとてもよく感じさせていて、自然なレイアウトに格好の素材だと思いました。私が今回使用した木は「リバーウッド」と呼ばれるもので、ADAのホーンウッドとかなり類似した風合いの流木です。

AJ:今後どのようなレイアウトをつくってみたいですか。
ホン氏:今後も美しく古典的なスタイルの水景をつくり続けたいと思います。私の夢はいつの日かIAPLCのグランプリを受賞することです。最終的な目標は、このホビーを私の国で、そして世界中に広げることです。将来、誰もが水景のことを知り、このホビーを通じて自然を大切にするインスピレーションを得ることを願っています。

 

THE INTERNATIONAL AQUATIC PLANTS LAYOUT CONTEST 2018
世界ランキング5位
BRONZE PRIZE
スティーヴン・チョング
アメリカ合衆国/Butterfly Hideaway 蝶の隠れ家

Aquarium Size W120×D45×H45(cm)

水草

































































アヌビアス・ナナ・“パンゴリーノ”
アヌビアス・ナナ・“プチ”
アヌビアス・アングスティフォリア
キューバ・パールグラス
ショート・ヘアーグラス
ブラジリアン・コブラグラス
ハイグロフィラ・ピンナティフィダ
ミクロソラム・トライデント
ウォーターフェザー
ウィーピングモス
ジャワモス
ブセファランドラ sp.
スジゴケ sp.
ミズゼニゴケ sp.
ニューラージ・パールグラス

魚種









バタフライ・レインボー


 

Interview with the Bronze Prize Winner
実に難しい技術的な挑戦でした

Profile
年齢/32歳
職業/マーケティング担当者
アクアリウム歴/14年
過去の受賞歴/
IAPLC2007 71位
その他の趣味/絵画、写真、イラストレーション
AJ:作品のテーマやアイデアについて教えてください。
チョング氏:このレイアウトは洞窟にある陥没穴(シンクホール)と白糸の滝のような静けさの2つの異なるアイデアから始まりました。そして2017年ネイチャーアクアリウムパーティー直前にTAU・CAUの奥入瀬旅行でメンバーが連れて行ってくれた、青森の元滝で見たドラマティックに張り出した石と絡み合った野生の枝の様子をヒントに、陥没穴(シンクホール)と白糸の滝のコンセプトを一緒に融合させることができました。まず最初に、見る者は、洞窟の閉ざされた空間の岩の下にいる魚の目線でレイアウトを捉えます。広がったスペースを見て暗闇と険しい急斜面の不安を感じるでしょうが、目線が平らで穏やかな地の上に置かれることでその気持ちは安らぎます。フラットな足場というのは魚にとっては何の意味もありませんが、彼らの世界を見ている人間にとってはおおいに意味のあることです。魚はバタフライ・レインボーを選び、自然に泳がせました。この暗く閉鎖された空間で淡い蝶は重力に反して洞窟の周りを自由に漂い、それはレイアウトと同様に、緊張感を増すだけでなく見る者の心を癒してくれます。この水槽は彼らの隠れたプライベートな世界なので、タイトルを「蝶の隠れ家」としました。
苦労したハードスケープデザイン。
AJ:レイアウトの制作、管理時において最も難しかった点はなんですか。
チョング氏:実際に穴をつくることです。水槽の底と端を隠す方法を探し出すのは、実に難しい技術的な挑戦でした。アンカー(支え)を水槽の右側、つまり水槽の壁の近くにずらしたので、特に難しかったのです。さらに、そのための構図素材の大きさのバランスも難しく、私はとてもユニークで奇妙なテクニックを考え出さなければいけませんでした。(秘密兵器は秘密のままにしておかなければいけませんが……笑)

 

連載
“TOP OF THE WORLD 2018”

世界68の国と地域から1,977作品のご応募をいただきました「世界水草レイアウトコンテスト2018」。この連載ではトップオブザワールド2018と題し、その上位作品となるトップ7の作品をレイアウト制作者のインタビューとともに特集いたします。

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