ADA

ネイチャーアクアリウム クロニクル 1992-1999

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部

理想の水槽を目指して


1992年4月、ネイチャーアクアリウムの創始者天野 尚によって、株式会社アクアデザインアマノは設立されました。以来、それまでなかった水草育成専用製品を開発し続け、現在に至るまでADAらしい製品群を生み出してきました。今回は年代を追って水景を掲載し、これまでの歩みを紹介します。

ADA現象の到来


1992-1995
水草の育成方法に大きな影響をもたらしたのが二酸化炭素の添加であり、CO2小型カートリッジボンベを用いた「CO2システム74-YA/Ver.2」の開発は、現在のADAのCO2添加システムの礎となった。さらに水槽への添加を行う専用ガラス器具として「パレングラス」を発売。細かな気泡で美しく水中に添加する自然添加は、強制添加とは違いCO2が過剰になりにくいメリットもあった。また、業界初となる水草育成専用の蛍光灯「NAランプ」の開発に続き、照明器具「グリーングロウ/604」を世に送り出した。これらの登場により、それまで実現が難しかった水草の高光量育成が可能になったことで、リシアなどの陽生水草や多種多様な水草が健康に育成できるようになった。専用設計された製品群を用いて制作されたネイチャーアクアリウムは美しく、発表された数々の水景はADA現象として大きな反響を呼んだ。
CO2添加と専用照明による高光量によって、リシアが活発に光合成を行う水景づくりを可能にした。
水槽 W90×D45×H45(cm) / 撮影日 1994年11月

水草が本来の姿をみせる新たな底床時代


1996-1999
このころ、天野 尚(以降、天野)の視点は世界三大熱帯雨林へと向けられる。世界各地で撮られた写真には、誰も見たことのない熱帯原生林の姿があった。そんな撮影活動の影響もあり、世界三大熱帯雨林の土壌をイメージした「アクアソイル」を発売。天然土壌を特殊焼成したこの底床土シリーズには、「アマゾニア」、「マレーヤ」、「アフリカーナ」の3種類がラインナップされた。この新たな底床土の登場により、それまで主流であった海産砂を使用した底床づくりは少なくなっていった。また、CO2の適正添加量を確認しやすい「ドロップチェッカー」や、水草の白化改善に効果的な添加液「ECA」の製品化により、水草育成をより高次元で実現することが可能になった。そして、悲願だった「スーパージェットフィルターES-600」が誕生。それは高い揚程力のポンプと大容量で堅牢なステンレス製キャニスターが特長であり、ネイチャーアクアリウムを長期的に楽しむ上でなくてはならない神器となった。
アクアソイルには水草に必要な養分とpHを弱酸性に保つ効果があり、新しい底床の基礎となった。この水景では生体の産地イメージからアフリカーナを使用。
水槽 W120×D45×H45(cm) / 撮影日 1996年4月
ECAは白化した水草に効果を発揮する他、赤系の水草においてはより鮮やかな色彩を引き出した。
水槽 W60×D30×H36(cm) / 撮影日 1997年
クリプトコリネと相性が良いアクアソイル-マレーヤをあえて露出させることで自生地の雰囲気を楽しむ水景に。
水槽 W90×D45×H45(cm) / 撮影日 1997年6月
次回「ネイチャーアクアリウム クロニクル 2000-2009」に続く。

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