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HOW TO ENJOY TERRA BASE PART8 「テラベース作例 1」

HOW TO ENJOY TERRA BASE PART8 「テラベース作例 1」

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
この連載では、How to enjoy TERRABASEと題し、テラベースの開発コンセプトから、関連製品を含めた製品システムや管理のコツまで、幅広く取り上げていきます。今回からはテラベースの作例を紹介いたします。ノウハウについてはこれまでの記事をご覧ください。

 

アヌビアスのバリエーションを楽しむテラベース

アヌビアスの仲間は一度状態が安定すると、暗めの環境でも生長するため、ジャングルプランツの中でも管理がしやすく丈夫な種類と言えます。水草レイアウトの黎明期から親しまれてきたアヌビアス・ナナは、その丈夫さから、重宝されていたのでしょう。見慣れたこの水草の仲間も、時間をかけてじっくり育てることで、見応えのある株へと生長します。生長は早くありませんが、その分、葉が厚く、寿命が長いため、大切に育てたい植物です。
アヌビアス・コーヒーフォリア
他のジャンブルプランツと比較すると葉に模様がなく地味な印象ですが、葉の色や形のバリエーションを楽しむことができます。立体感のある、波打つ葉脈に光が当たり、それぞれの種類が独自の表情を見せます。たとえば、アヌビアス・コーヒーフォリアは時間の経過に伴い、新芽は赤く、生長に伴って褐色から深緑へと色を変えます。
3月10日発売の『アクア・ジャーナル』 Vol.305はアヌビアス特集なので、種類を選ぶ参考にしてみてください。

この作例では、育成中クリスマスモスの生長点が茶褐色になる症状が見られました。風の流れが悪いことが原因だったようですが、ガラスフタの開き加減を調節したり、テラベースをネオグラスエアより取り出し、水をオーバーフローさせるように注水する管理を頻繁に行い、クリスマスモスを清潔に保つようにしてコンディションを上げました。
【DATA】
TERRA BASE M
【植物】
①アヌビアス・コーヒーフォリア / Anubias barteri var. ‘Coffeefolia’
②アヌビアス・ナナ プチ / Anubias barteri var.nana
③アヌビアス・ナナゴールデン / Anubias barteri var.nana ‘Golden’
④アヌビアス・グラキリス / Anubias gracilis
⑤クリスマスモス / Vesicularia montagnei



 

着生ラン育成の実験的なテラベース

こちらの作例ではデンドロビウム・カスバートソニーを2ヵ所に配しました。この着生ランはパプアニューギニアの高地帯に自生しており、涼しい環境を好むクールオーキッドと呼ばれる仲間に入る少し気難しい種類の小型着生ランとして知られています。この写真を撮影した後、つぼみの形成は見られたものの、夏場になるとそのまま生長が止まり、根腐れを引き起こしてしまいました。やはりクールオーキッドが日本の夏の暑さをしのぐには冷温システムが必要不可欠であることを実感させられました。
デンドロビウム・カスバートソニー
また根腐れは植物を育てる愛好家にとっては怖い症状の1つです。特に着生ランは、生長が遅いため、根腐れしてしまったときの生体のダメージは大きく、再び同じ大きさにするまでに、長い時間を要します。新芽の動きや葉のハリやツヤを他の株と比較し、少しでも異常を感じたら、ためらわず根の状態を確認することをおすすめします。早急に対処することで、作落ちの被害を最小限に抑えることができるからです。今回、この育成難易種への挑戦は失敗という結果になりましたが、植物をより深く知るためのよい経験になりました。なお、このデンドロビウム・カスバートソニー以外の種類は順調な生長を見せてくれました。育成難易種の理想の環境を人工的につくり出すことは難しいものですが、その探求は楽しく植物の自生地環境の理解は欠かせません。
【DATA】
TERRA BASE M
【植物】
①デンドロビウム・カスバートソニー / Dendrobium cuthbertsonii
②ディネマ・ポリブルボン / Dinema polybulbon
③メディオカルカ・デコラタム / Mediocalcar decoratum
④ミクロソラムsp.  “クラビ” / Microsorum sp. “kurabi”
⑤プレウロタリス・ミスタックス / Pleurothallis mystax
⑥ピーコックモス / Taxiphyllum sp. ‘Peacock Moss’

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