ADA

HOW TO ENJOY TERRA BASE PART7 「テラベース向けの生体製品 2」

HOW TO ENJOY TERRA BASE PART7 「テラベース向けの生体製品 2」

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
この連載では、How to enjoy TERRABASEと題し、テラベースの開発コンセプトから、関連製品を含めた製品システムや管理のコツまで、幅広く取り上げていきます。今回はテラベースに適したシダと水草について紹介します。
BIOみずくさの森で数多くラインナップされている有茎草は、根を地中におろし、養分の供給を必要とする種類です。これらの有茎草をテラベースに使用しても健全な生長は見込めません。実際に付けてみると、頂芽は維持されるものの下草がすぐに枯れ落ちてしまいます。
テラベースに適したADAの生体製品としては、ネイチャーアクアリウムでも着生水草として用いられている水草の種類です。


テラベースにオススメ BIO みずくさの森3種

BIO みずくさの森 アヌビアス・ナナ プチ
比較的暗い場所でもよく育つ強健種です。アヌビアスは乾燥への適応も強く、完全に乾燥させなければ、下葉を落とすことはあっても、枯れることはありません。市販のポット入りのアヌビアスを使うと、大きな株ほど根も大きく、古い根が詰まっています。このような株をつけた直後は環境適応のため、下葉が変色してくることがあるので、カットしながら新葉の展開を待ちます。一方、BIO みずくさの森のアヌビアス・ナナ プチは株こそ小さいものの、新しい根が展開しており、ポット入りのものに比べ、スムーズな立ち上がりを見せます。1カップにおおよそ5株入っているので、まとめて付けても、散らして付けてもいいでしょう。
BIO みずくさの森 ブセファランドラsp. シンタン
テラベースに活着しながらゆっくりと生長します。苞に包まれた小さな白い花を咲かせますが、花の寿命は短く1日持ちません。強い光では葉が焼けやすいので、注意が必要です。また、蒸れにより葉が溶けることがあるので、そのような状態になったら、すぐに洗い流しましょう。
BIO みずくさの森 ウォーターローン
モスと一緒に付けると、互いに絡み合い生長していきます。モスにはない、明るいライムグリーンの彩りでテラベース表面の色彩的なポイントとしても有効です。一般的に食虫植物の仲間は、貧栄養環境で適応した結果であるといわれています。テラベースの環境下でもよく生長し、花芽を楽しむことができます。


自然感を演出するシダ植物


水生のシダ植物は他の植物に比べ、比較的空中湿度の高い環境を好みます。専用のガラスフタで湿度を保ち、表面が常に湿ったテラベースであれば、根を乾かすことなく維持することができます。
テラベース Mにはネオグラスエア W20×D20×H35(cm)が適していますが、特にミクロソラムを使う際にはボリュームが出ますので、W30×D30×H45(cm)など、少し大きめの水槽がおすすめです。葉は古くなると黒く変色してくるので、カットし新芽の展開を促します。
ジャングルプランツ ミクロソラム・ナローリーフ
ジャングルプランツ ミクロソラム・トライデント
ジャングルプランツ ジャワファン
水上栽培に向いたシダの仲間です。古い葉でも明るい葉色が保てるので、さわやかな印象を与えます。テラベースの表面では、生長は遅く、ボリュームをコントロールしやすい種類と言えます。また、根茎を長く伸ばすことがないので、レイアウトバランスをあまり崩しません。

※ロングコーン(LC)ポットの形状で販売しています。


今週のテラベース

【DATA】
TERRABASE M
【植物】
Davallia parvula / ダバリア・パルブラ
Microsorum pteropus ‘Narrow leaf’ / ミクロソラム・ナローリーフ
Vesicularia montagnei / クリスマスモス
④Fern sp. / シダsp.
このテラベースはシダ植物のみで構成しました。
シダ植物は太古の昔から形を変えず今に至る比較的原始的な植物とされています。花を咲かせることがなく、派手さこそありませんが、シダ植物の持つディープな魅力は玄人好みといえるでしょう。
シダ植物は渓流の清涼感、鬱蒼としたジャングルの林床を彷彿とさせます。どんな形であれ、自然感をより深く演出してくれる植物です。シダ植物をイメージすると、他の植物より強く水を意識するようになります。シダ植物は生長という段階だけでなく、生殖という段階でも水を必要としており、より水との関わり合いが強い植物といえます。

そうした性質から想像できるようにシダ植物は乾燥が大敵です。
シダ植物は一度根を乾燥させてしまうと、再び水を与えても元のようにきれいに回復しません。そのため、きれいに仕上げるためには根を乾燥させないように注意が必要です。特に導入直後の湿度管理は重要です。

乾燥の原因となるのが光(熱)と風です。ネオグラスエアの上にマグネットライトGを設置すると熱がガラスフタを通し、水槽内に伝わってきます。水槽内を密封していても、熱が加われば、乾燥傾向となります。テラベースの表面は常に水が染み出しますが、本体内部の水位が落ちてくると上方部が乾燥しがちになります。本来、シダ植物はテラベースの下方部につけたほうがいいのですが、今回のレイアウトでは全面的に使用したということもあり、あえて照明を当てることなく、暗めの環境で、ゆっくりと育てました。

 

次回に続く

RELATED POSTS関連投稿

POPULAR POSTS注目の投稿