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HOW TO ENJOY TERRA BASE PART5「テラベースの管理方法」

HOW TO ENJOY TERRA BASE PART5「テラベースの管理方法」

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部

この連載では、How to enjoy TERRABASEと題し、テラベースの開発コンセプトから、関連製品を含めた製品システムや管理のコツまで、幅広く取り上げていきます。
今回はテラベース管理のポイントを紹介します。

植物の様子を毎日観察し、細かな変化に触れることで、1枚の新葉が出ることにも感動を覚えることがあります。自然の中で気づきにくいことをネオグラス エアの中で再発見することができるでしょう。大切なのは“毎日の観察”と“こまめな管理”です。

照明管理

植物を健康的に育てるためには、規則正しい管理が重要です。まず、毎日決まった時間に照明を点灯します。ON-OFFを手動で行うこともできますが、点灯し忘れなどを防ぐために、タイマー管理をおすすめします。マグネットライトGは、市販のタイマーの使用を想定した仕様となっています。


湿度調節

ネオグラス エア内の湿度コントロールは、ガラスフタの開閉幅を調節することで行います。外気を取り込むため、設置環境によりますが、開閉幅は1~5㎜の間で調節しています。
ネオグラス エア内が乾燥すると、モスも乾燥気味になります。先端が乾燥してくるようであればガラスフタを閉め気味にします。
佗び草マットは湿度が保たれたケース内に入って販売されています。セット初期には急激な環境変化に耐えることができず、乾燥しやすいため、新芽を展開させるまでは注意深い観察が必要になります。特にテラベースの天面の縁につけたモスに注意です。
また、モスの表面に糸状のカビが生じることがあります。
これはフタの閉めすぎにより空気の循環が十分でないことを示しています。
一度流水でカビを洗い流し、ガラスフタの位置を調節することで再発を防止します。


佗び草ミスト

植物へ栄養素を補給します。基本的に毎日与えるようにしてください。10×10㎠に5プッシュを目安にテラベース全体に噴霧します。ミントの精油も配合しているため、害虫予防の効果もあります。


枯れ葉、花がらつみ

枯れ葉を見つけたら、ハサミやピンセットを使い、取り除くようにしましょう。
湿度が高い環境でカビが発生しやすくなるため、こまめに管理するようにしてください。花がら(咲き終えたもの)も同様にとり除くようにしましょう。


モスの管理

モスが伸びてくると、新芽が表面に生えそろうため、きれいに観賞することができます。しかしそのままモスが厚くなりすぎると、深部に光が当たらなくなり、トリミング後の新芽の吹きが悪くなります。ボリュームが出てきたと感じたら、こまめに、カットするようにしてください。


排水管理


テラベースは1週間かけて内側から外側にかけて徐々に水が染み出します。
ネオグラスエアの底にも水が溜まりますので、排水し、水を足します。
また、このタイミングで、テラベースの中心に水を落としながら、しばらく流水をオーバーフローさせるとなおいいでしょう。
新鮮な水を供給することによる植物の活性化と汚泥の除去ができます。水槽内で行うと再び排水させなくてはならないので、この作業はシンクで行い、その後、水槽内に戻すようにしましょう。
以上、管理のポイントを紹介しました。
記事の初めにお伝えしましたが、大切なのは“毎日の観察”と“こまめな管理”です。
大切に育てたからこそ、新葉の芽吹きや開花の瞬間は格別です。
テラベースを楽しむという経験を通じて、自然からも新しい美しさや魅力を発見できるでしょう。
 

今週のテラベース

【DATA】
TERRABASE M
【植物】
Anubias barteri var.nana golden / アヌビアス・ナナ ゴールデン
Anubias barteri var. nana / アヌビアス・ナナ プチ
Coelogyne fimbriata / セロジネ・フィンブリアータ
Dinema polybulbon / ディネマ・ポリブルボン
Vesicularia montagnei /   クリスマスモス
このテラベースは、事前に成績の良かった栽培容易種で作った一本です。
セロジネ・フィンブリアータや、ディネマ・ポリブルボンはADA製品のジャングルプランツ・シリーズの中でも丈夫な種類で、開花しやすい種類といえるでしょう。
秋にセロジネ・フィンブリアータが咲き、その後年明けにディネマ・ポリブルボンが咲き始め、現在開花中です。2種とも開花から1カ月近く咲き続けました。
しかし、これらのランの見どころは花だけではありません。花芽の根元にあるバルブも特徴的で観賞価値があります。健康的に育ったセロジネ・フィンブリアータのバルブはシャインマスカットのように透きとおり、瑞々しさを楽しめます。
このバルブは乾燥するとしわが寄りはじめます。乾燥状態に備え、栄養分や水分を保持する構造で、彼らにしてみれば、この環境の変化は想定の範囲内なのでしょう。
乾燥耐えるため、バルブという形態を獲得してまで望んだものは何だったのでしょうか。それは光だったと推測できます。光量という点では、テラベースの上部が有利です。

光を十分に当てないと、自ら養分をつくり出すことできず、根が伸長しません。
リード(先端)近くの根を観察してみてください。光条件が十分ならば、根の伸長が確認できます。根は着生対象に接触すると、表面積を増やすように扁平になり、根を沿わせていきます。この根は、一度着生対象からはがすと、その部分は二度と着生することはありません。
再び先端から伸びた根は着生しますが、自然感のある姿から遠くなってしまいます。
アヌビアスは中部分につけても、根の伸長スピードが速く、下部まで根を伸ばし、適応していました。

次回に続く

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