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FIELD REPORT -自然から学ぶ石組のヒント Part1-

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
ネイチャーアクアリウム、そして石組レイアウトの創始者である天野 尚。天野独自の自然観を育んできたのは新潟の自然です。今回は石組のヒントを求めて、水景クリエイター・本間裕介が笹川流れと水無川を訪れました。
笹川流れは天野が何度も撮影に 訪れていた縁のある場所。 石組を学ぶのにこれほどの適地はない。
新潟県 村上市 板貝/ベルビア100F 5×7in.

海の風景から学ぶ 石組のヒント


新潟県北部、山形県との県境にも程近い笹川流れは、日本海の海岸線に奇岩や岩礁が続く景勝地である。天野 尚は何度もこの地を訪れ、風景写真の撮影を行ってきた。それらの風景写真は、天野の写真集をはじめ、過去の「アクア・ジャーナル」や「SUIKEI」などに石組レイアウトのヒントとして掲載されてきた。私は天野の撮影助手としてそれらの撮影に同行してきたが、今回、AJに石組レイアウトを掲載するにあたり、私自身、改めて石組を学ぶために、まずは天野に縁のあるこの地を訪れることにした。天野の石組レイアウトは、当初は川の水中景観に着想を得てつくられたものだったが、作品を重ねるごとに海の風景から学んだ要素も多く取り入れられるようになった。天野がよく話していた海の風景から学ぶべき点は、川とは違った石(岩)のつながりと流れがあるということだった。一見独立している岩も、海中や海底(地中)ではつながっている。それを石組で表現するために、石の種類はもちろん、色や質感を合わせ、表面の凹凸や溝の方向にも注意を払う。そうすることで、石組に自然な一体感が生まれるのだ。
水景クリエイター・本間裕介は、天野の助手として長年撮影に同行。今回は天野の大判カメラで撮影も行いました。 (編集部)
新潟県 村上市 脇川/ ベルビア100F 5×7in.
風景をトリミングして見えてくる 石組のヒント
笹川流れには形のいい岩が点在しているので、カメラのファインダーで見るだけでも風景を切り取る練習になり、水景制作に生かすことができる。
さらに、広い風景の中から一部を切り取ると石組のヒントが明確になってくる。点在する岩は海中でつながっていて、そこには一定の流れがある。
新潟県 村上市 板貝/ベルビア100F 5×7in.
構図を安定させる 配石のバランスを学ぶ
石組レイアウトの中で、親石は流れや方向性を決める重要な存在である。この風景写真の中でも、中央の大きな岩が流れや方向性を決定している。

(次回Part2につづく)

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