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ADA水景クリエイター#04 「井上 大輔」

井上 大輔井上 大輔

目標を定め水景をつくりノウハウや魅力を世界へと発信していく


撮ることで覚えたノウハウ
私は普段の業務では動画の撮影や編集をメインに仕事をしています。だから本来は水景をつくる側ではなく、撮る側の人だったんです。それがなぜ今水景クリエーターになっているかというと、私はビデオカメラを通じて天野 尚の水景制作をずっと見ていたことが影響しています。動画で撮り続けていてさらにそれらを編集するわけですので、自ずと天野 尚のレイアウトテクニックや水景のポイントなどが理解でき、自分でもつくってみたいと思ったのがきっかけとなっています。だから今は自分でつくって、撮って、編集してADA viewとして動画を配信しています。最近では動画の需要も増え、4K動画の水景撮影や、イベントで上映される動画などの制作にも取り組んでいますが、その動画の目的は何かという部分をよく考えてから制作するようにしています。
水景イメージのラフ
水景を制作する前に毎回コンセプトやテーマ、ラフを書き出し自分の考えを明確化している。

 
水景コンセプトの大切さ
水景をつくるときは、自分で設定したテーマに沿って制作しています。自分が表現したいものは何か、それには何が必要かを考え、制作にのぞんでいます。テーマに沿って制作していく流れはデザインに関わる仕事に共通する部分もあると思います。まずは自分が表現したいものを決め、それにはどんな素材、ノウハウでアプローチをするのかを考えてから取り組むようにしています。レイアウトでも目標(コンセプト、テーマなど)を設定することによって、でき上がった水景に説得力が出ると思っています。だから私はレイアウトを見ただけで、何を伝えたいかがわかる水景づくりを目指して制作をしています。
「清流にあそぶ」
水景をつくる前にコンセプトやテーマを決めることが大切で、このレイアウトでは夏の清流を原寸大で表現することをコンセプトに制作。その配石から植栽まですべてに理由がある。

 

自分らしい水景を表現する
自分が水景クリエイターとして制作を始めたころは、構図のかっこよさ、水草の色合い、見た目のよさにかなりこだわって制作を行なってきました。やはりネイチャーアクアリウムギャラリーで水景を制作するにあたっていい作品をつくらなければいけないという使命感もあり、水景のクオリティについてはかなり悩んでいた時期もありました。しかし、いい水景をつくる、クオリティをあげるという目標は、不明瞭なものだと気づき、自分の表現したいテーマを目標にして制作する方法にしだいに変えていきました。明確な目標を設定することで、制作時に悩むことも少なくなりましたし、できあがったものが目標に達成しているかが判断できるようになりました。イメージとしては、「無数の点が目標という一つの点に向かって線でつながる」という感じです。そんな水景が自分の中では、いい水景だと思っています。具体的に言うと、説明のできる水景がいい水景だと思います。天野からも、どれだけ自分のつくった水景で語れるかも大切だと教わりました。なぜその構図素材や水草を使ったか、なぜその構図なのか、質問を受けることも多々あります。そこで、かっこいいから、使いたかったからでは説得力に欠けてしまいますので、すべて説明できるように考え抜いています。説明できる水景は、テーマを表現できていることにつながり、見ただけで何を表現したいのかがわかるいい水景になると自分で感じます。このあたりがロゴデザインやポスターデザインのようなデザイン業務の進め方に近いと感じるところです。
編集作業の日々
ADA viewの定期的な配信のために、日々撮影とその編集作業に常に追われ奮闘している。

 
水景の魅力を世界に伝える
ADAの水景クリエイターたちは日々、新しい表現を求め試行錯誤を繰り返しています。水景クリエイターがつくるレイアウトは世界のホビイストから注目されている中、動画制作の観点から、水景のどの部分を伝えたらよいか、どう魅力的に見せられるかを常に考え、発信していくことももう一つの私の仕事の役割だと思っています。
クリエーターミーティング
NAギャラリーやイベントの展示水景を制作する前には、水景クリエーターで集まって方向性などを確認。
クリエイトし発信する
既成概念にとらわれることなく、自由な発想を大切にしている。創造する楽しさも伝えていきたい。

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