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TOP OF THE WORLD 2020 #02

TOP OF THE WORLD 2020 #02

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部

THE INTERNATIONAL AQUATIC PLANTS LAYOUT CONTEST 2020
GOLD PRIZE


Steven Chong スティーヴン・チョン
アメリカ合衆国/不死
水草
ショート・ヘアーグラス
南米コブラグラス
ピルラリア・グロブリフェラ
ドワーフ・マッシュルーム
モスの一種
プレミアムモスの一種
キューバ・パールグラス
ニューラージ・パールグラス
ミリオフィラム・マットグロッセンセ
ガイアナ・ドワーフミリオフィラム
ミクロソラム・トライデント
ハイグロフィラ・ピンナティフィダ
アヌビアス多種
ブセファランドラ sp.
ロターラ sp.
インディアン・クラススラ
ヘランチウム・テネルム
ウォーター・フェザー

魚種
インレキプリス・アウロプルプレア



 

ガラスの向こうにある自然が私の真の天職。

年齢/34歳
職業/デジタル・ストラテジスト
アクアリウム歴/15年
その他の趣味/イラスト、絵画、写真
過去の受賞歴/
IAPLC2007 71位
IAPLC2018 5位
IAPLC2019 15位
AJ 今回の作品の発想はどこから得たものなのでしょうか。
私のレイアウトの一貫したテーマは、自然の忍耐力を表現することだと思っています。まず私は、倒木の中の世界というアイデアについて考えを巡らし始めました。これは、私がレイアウトに「魚の視点」を追求し続けている中から生まれたアイデアです。さらに沈没船の内部からの視点にインスピレーションを得ました。沈没した船は、本来の船としての役割を失っても、サンゴや魚などの生命を維持する新しい棲息場所となります。淡水水槽の中で、最もそれに近い存在が枯れた流木であり、魚の隠れ家にもなり水草が根を張る場所にもなります。そこで私は沈没船のように、倒れた構造物の中に覗き込める窓のようなものがある構成を考えたのです。しかもわかりやすさも大切であり、出品者が常に直面
する課題の一つは、審査員が理解しやすい作品にすることです。私がすべきことは、これまで誰もやったことのない方法で、このテーマに沿った構成をレイアウトで示すことだけでした。そして鏡を使うことにたどり着いたわけですが、過去のIAPLC作品をただ真似たような使い方はしたくありませんでした。かつてフロリダのエバーグレーズで見た沼の水面にヒノキの木々が反射している深い美しさを持つイメージをうまく活かせば、タナカカツキ氏(2016年4位)もベルナット・ホスタ氏(2018年6位)もやらなかった鏡を使った何かができると思いました。それがキャンバスとして鏡を使う方法でした。鏡を使用すると、水景の反射一つひとつに一貫したタテ線を描くことができるようになります。水面、ガラス面、鏡の底に流木でつくられたそれぞれの窓の枠にタテ線のパターンが
一貫して見えるようになるのです。これは反射効果を最大限に利用した手法というだけではなく、私の作品をテーマに沿って仕上げることを可能にしてくれました。それが「強さ、忍耐、木の死ぬことない魂」であり、作品にわかりやすいストーリーも与えてくれました。

 
ラフスケッチからアイデアを具現化していきました。
AJ 水草レイアウトの一番の魅力とは何ですか。
私はいつも自然と芸術に惹かれてきました。天野 尚氏に触発される前から、田上ヒロシ氏の学生でした。日系アメリカ人ですが、田上先生はおそらくハワイで最も偉大な画家です。田上先生は生涯、アフリカや世界中を旅し、ハワイの植物を集めて帰国し、画家、庭師、魚のブリーダーになりました。天野氏の作品が影響を与え続けるように、田上先生の山、海、鯉、森の絵は、ハワイの人々の心の
神髄に触れるものです。それらの作品は私の
インスピレーションであり、二人の類似点と天野 尚という人間、とても優しい精神がすぐに大好きになりました。私にとって、アクアスケープとは、アートワークであり、それを真の自然の一部としていきいきとさせるアートフォームです。絵を描くこと、そして天野氏のおかげで写真も大好きです。けれども、ガラスの向こうにある自然が私の真の天職になっています。

AJ 今後の目標などはありますか。
それが来年の最も大きな私の宿題です。今回の作品は、ストーリー、トリック、魚の選択など自分でつくり心から誇りに思っていますが、100%「深田崇敬学校」での作品です。深田さんとはこのレイアウトについてはあまり話しませんでしたが、作品の基本原則である精神は、先生である深田 崇敬氏と小野 昌志氏
からほぼ完全に引き継がれています。
アーティストとして、自分の価値観を見つけるためにもっと努力するときだと思っています。
ハンガリーでは深田さんとイベント協力を行いました。
AJ 世界水草レイアウトコンテストとはどのような存在ですか。
コンテストは競争であり秀作への力の源です。けれども、IAPLCの本来の意味は、趣味で我々皆をつなげることです。毎年、出品作は我々の希望、夢、ストーリーを表しています。コンテストがあることで、多くの人々が結束しました。天野氏の『ガラスの中の大自然』の中の夢が、我々皆が共有できるものになったのです。私にとってIAPLCは、将来天野氏の夢につながる道であり、笑顔であり、優しい言葉であり、世界中の人々と共有する深い友情です。コンテストを続けてくださるADAに深い感謝を表し、また20周年に心から祝辞を述べたいと思います。
トーキョーアクアスケープユニオン(TAU)の仲間たちと。

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