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THE CHARM OF SUBMERGED LEAVES 「繊細な水中葉で形成された草むらのような水景」

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部
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森の奥地や熱帯雨林のような、手付かずの壮大な自然がある。一方で、空き地や道路脇に生えているような小さな草むらも自然である。今回の水景では、日常的に目にする身近な自然をコンセプトとしているため、迫力のある構図は組まず、中景や背景を明確に分けた植栽も行なっていない。垣間見える細めの流木は、繁茂する植物に混じる枯れ茎を表現しており、時間の経過を感じる一要素となっている。また、管理においてトリミングは最低限にとどめ、水草の生長を優先した。それにより、水草は石や流木の大部分を覆い尽くし、生命としての力強さを魅せている。

DATA


撮影日 : 2021年12月8日(ADA)
制作 : 井上 大輔(レイアウト制作)
水槽 : キューブガーデン W120×D50×H50(cm)
照明 : ソーラーRGB ×2(1日8時間30分点灯)
ろ過 : スーパージェットフィルター ES-1200(バイオリオG)
素材 : 山谷石、ブランチウッド
底床 : アクアソイル-アマゾニア Ver.2、パワーサンド・アドバンスM、バクター100、クリアスーパー、トルマリンBC、トロピカルリバーソイル
砂利、玉砂利(旧グラベルM、L)
CO2 : パレングラス・ビートル40Ø、CO2ビートルカウンターで1秒に5滴(タワー使用)
AIR : リリィパイプP-6によるエアレーション 夜間消灯時15時間30分
添加剤 : ブライティK、グリーンブライティ・ミネラル、グリーンブライティ・アイアン 、グリーンブライティ・ニトロ
換水 : 1週間に1度 1/3
水質 : 水温25℃ pH:6.4 TH:50mg/L
水草 :
BIO ニューラージ・パールグラス
BIO ベトナムゴマノハグサ
BIO スタウロギネ・レペンス
BIO ヘアーグラス
ヘランチウム・クアドリコスタータス
フラジャイルプランツ
ロベリア・カージナリス

魚種 :
レッド・テトラ
トゥッカーノ・テトラ
グリーンネオン・テトラ
チェッカーボード・シクリッド
オトシンクルス
ヤマトヌマエビ

植物との境界線を化粧砂で演出


底床の敷き分けにより、自然と人間の境界線を演出した。匍匐して生長するニューラージ・パールグラスが境界線を飲み込むように繁茂し、時間の経過とともに群生のさらなる繁栄を予感させる。
構図植栽
シンプルな構図骨格であるが故に水草の存在感がより強まっている。植栽時点では白色の化粧砂を使用しているが、より身近な自然感を演出するためトロピカルリバーソイルに変更した。

ランダムで、自由度の高い植栽


群生の野性味を強めるために、水中葉の形態に違いが見られる種を選定した。また、種ごとに正確な植栽範囲は設けずに、ランダムで自由度の高い植栽を行った。

水草の個性を慈しみ、水景に生命を宿す。

1.スタウロギネ・レペンス
Staurogyne repens
異質な葉と背丈の低さを活かし、単調さが出てしまう前景部分にメリハリをきかせた。

2.ヘランチウム・クアドリコスタータス
Helanthium bolivianum ‘Quadricostatus’
一際目立つ弾けるような放射状の葉は、みなぎるエネルギーを感じさせ、中景のワンポイントになる。
3. フラジャイルプランツ
Hedyotis salzmannii
淡い緑色の葉と広い節間により密度感が抑えられ、生い茂る群生に軽やかさをもたせている。

4.ヘアーグラス
Eleocharis acicularis
茂みの中にしなやかさをプラスし、流れにたなびく姿は自然感をより引き立てる。
5. ベトナムゴマノハグサ
Scrophulariaceae sp.
倒れ込むように生長し繊細な葉が重なり合うため、高密度でより鬱蒼とした茂みの形成を可能とする。

6.ニューラージ・パールグラス
Micranthemum sp.
ソイル部分への侵略を見せ、新たに分布域を広げていくような先駆的な植物の表現へとつながった。

7.ロベリア・カージナリス
Lobelia cardinalis
丸くて大きい深緑色の葉は、爽やかな細葉の水草の中でのアクセントとなる。

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