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NATURE IN THE GLASS 「盛夏清流」

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部

強い流れと清涼感に重点をおいた八海石レイアウト


[ 盛夏清流 ] 八海石は表面の形状がシンプルであり、その他の石組素材にくらべてレイアウトの難易度が高い。配石の際には三尊石組を基本としながら傾きや空白の取り方を工夫して、勢いのある流れを表現することに注力した。また、展示期間が夏季(2019年新潟伊勢丹『天野 尚展』)だったため全体として清涼感が出るように化粧砂や水草選びにも配慮した。背景に使用したエレオカリス・ビビパラは繁茂しすぎると印象が暗くなるので、管理の際には光が透ける密度を意識して間引きを行った。バリリウス・バケリが思いきり泳ぐ姿から、夏場の清流を感じてもらいたい。
ⒸAQUA DESIGN AMANO

DATA


撮影日 : 2019年8月28日(ADA)
制作 : 本間 裕介(レイアウト制作)
水槽 : キューブガーデン W180×D60×H60(cm)
照明 : ソーラーRGB ×3(1日8時間30分点灯)
ろ過 : スーパージェットフィルターES-2400(バイオリオL)
素材 : 八海石
底床 : アクアソイル-アマゾニアVer.2、DOOAトロピカルリバーサンド、パワーサンド・アドバンスL、バクター100、クリアスーパー、トルマリンBC
CO₂ : パレングラス・ビートル50Ø、CO₂ビートルカウンターで1秒に6滴(タワー使用)
AIR : リリィパイプP-6によるエアレーション 夜間消灯時15時間30分
添加剤 : ブライティK、グリーンブライティ・ミネラル
換水 : 1週間に1度 1/3
水質 : 水温25℃ pH:6.8 TH:20mg/L

水草
BIO エレオカリス・ビビパラ
BIO ヘアーグラス
BIO エキノドルス・テネルス
南米ウィローモス

魚種
バリリウス・バケリ
サイアミーズ・フライングフォックス
オトシンクルス
ヤマトヌマエビ
構図の意図
左からの強い流れを表現するために、親石をやや寝かせた角度で固定している。石を乗り越えた反転流が中央の空間をつくり出すイメージで周辺の石も配置。
2019年6月12日 撮影 ⒸAQUA DESIGN AMANO

真夏の早瀬をイメージした涼を感じる川石レイアウト


このレイアウトは、2019年夏に新潟伊勢丹で開催された「天野 尚展」での展示に向けて制作したものである。ネイチャーアクアリウムの原点と言える三尊石組で、その展示期間の季節に合わせた真夏の清流のような爽やかさを感じてもらえるようにつくっている。水景全体に明るさを出すために化粧砂を使用し、時間経過を考えながら石の際のつくり込みを丁寧に行った。配石においては流れの強い早瀬に沈む石をイメージしているため、それぞれの石の傾きは小さくし、捨石の位置にもこだわった。また、石の圧迫感をなくすために中央に寄せてリズムよく配置し、空間を広く感じられるようにも配慮している。植栽する水草も清涼感と流れが感じられる種類を選んだ。
①前景の表現
イベントで展示する水景であったため、長期間にわたって景観を維持できるように化粧砂と南米ウィローモスだけで構成した。

 
②石の隙間の表現
生長する下草を使ったレイアウトではないため、時間経過で石の存在感が薄れることがない。捨石は通常よりも多めに配石し、細かくつくり込んだ。

 
南米モスの配置
急流に流されて転がってきた小石が、流れの緩やかな石の隙間に落ち着くイメージで配置。
石組「考」 本間裕介 × 井上大輔

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