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NATURE IN THE GLASS 「棲みか」

荒木 大智荒木 大智

密林の支流に流れついた流木の周りで始まる水草と魚の物語


[ 棲みか ] 東南アジアのジャングル奥地、樹木が折れて流木となり、岩場に流れ着く様子をイメージした。そのため流木を拠り所に水草が群落を形成し、そうして魚たちが棲みつくというストーリーがこの水景から伝わればと思う。光がたくさん降り注ぐ場所にはスイレンの仲間が展開し、流木の影ではラゲナンドラなど耐陰性のある水草が優勢となり、それぞれが棲み分けつつも生存競争を繰り広げている。繁茂した水草と流木の影は魚たちに適度な落ち着きを与え、恰好の棲みかができあがった。

DATA


撮影日 : 2021年9月7日(ADA)
制作 : 荒木 大智(レイアウト制作)
水槽 : キューブガーデン W120×D50×H50(cm)
照明 : ソーラー RGB ×2(1日8時間30分点灯)
ろ過 : スーパージェットフィルター ES-1200(バイオリオG)
素材 : ホーンウッド、山水石
底床 : アクアソイル-アマゾニア、アクアソイル-アマゾニア Ver.Ⅱ、パワーサンド・アドバンスM、バクター100、クリアスーパー、トルマリンBC、コロラドサンド
CO2 : パレングラス・ビートル40Ø、CO2ビートルカウンターで1秒に5滴(タワー使用)
AIR : リリィパイプP-6によるエアレーション 夜間消灯時15時間30分
添加剤 : ニュートラルK、グリーンブライティ・ミネラル、グリーンブライティ・アイアン、グリーンブライティ・ニトロ
換水 : 1週間に1度 1/3
水質 : 水温25℃ pH:6.2 TH:50mg/L
水草 : 佗び草 ラゲナンドラMIX ヴィネイチャンドラ
佗び草 ラゲナンドラMIX ミーボルディレッド
佗び草 ラゲナンドラMIX ミーボルディグリーン
ジャングルプランツ ラゲナンドラ・ヴィネイチャンドラ
ジャングルプランツ ラゲナンドラ・ミーボルディレッド
ジャングルプランツ ラゲナンドラ・ミーボルディグリーン
タイニムファ
セイロンヌパール・グリーン
ハイグロフィラ・ピンナティフィダ
ブセファランドラ・シンタン
ツーテンプル
ポリゴナムsp.ピンク
ブリクサ・キンバリー
ブリクサ・アウベルティ
クリプトコリネ・バランサエ
クリプトコリネ・スピラリス
エキノドルス・アングスチフォリウス
タイガーバリスネリア
エレオカリス・ビビパラ
エキノドルス・テネルス
エキノドルス・テネルス(マディラ産)
ヘアーグラス
ロングヘアーグラス
佗び草マット ウィローモス

魚種 : プンティウス・ナラヤニ
ラスボラ・エスペイ
ミクロラスボラ・ブルーネオン
クローキング・グラミー
ドワーフ・グラミー
サイアミーズ・フライングフォックス
オトシンクルス
ヤマトヌマエビ

生態系の中で小型魚が生活しやすい生息空間を意識


魚にとって住み心地の良い水域を表現することを水景制作の主題としていることもあり、岩と流木を組み合わせ、それらに水草を着生させ、小型魚が水草や流木の合間で戯れるような空間をつくっている。ホーンウッドを用い、魚が逃げ込むためのアーチ状の空間を設け、三角構図にしたのは隠れるスペースと泳ぎまわるスペースを明確に分けたかったからである。なお、広い水面は魚が警戒しやすいので、スイレンの浮葉が広がるようにしている。
1.魚たちの共存
水草の茂みと流木の影が魚たちに落ち着きを与える。オープンスペースは天敵に狙われやすく緊張感が高まるが、体の小さな魚もここでは安心して暮らしているように見える。
2.浮葉の下の安心感
ニムファの仲間は水中感を演出するには効果的であり、浮葉の下は小型魚にとって安息の地にもなっている。浮葉を展開しなくなってきたらボトムプラスを打ち込むタイミング。
3.自然感と生存競争
葉の大きなラゲナンドラから細葉のヘアーグラスなどさまざまな水草を植栽することで、自然感を高めるとともに水草同士の生存競争を表現する狙いもあった。色調の多彩さも意識している。

4.密林から流れ出る支流をイメージ
ラゲナンドラやタイニムファ、ピンナティフィダなどの水草が東南アジアの雰囲気を醸し出している。流木の影になる光の少ない場所では耐陰性のあるラゲナンドラが活躍してくれた。

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