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NATURE IN THE GLASS 「時の流れ」

aquajournaljpアクア・ジャーナル編集部

魚の群れと水草で風を表現
岩が崩れた景観に時の流れを重ねた水景


[ 時の流れ ] 新潟県の長い海岸線では、松林や浜、砂丘、岩礁など、さまざまな景色の変化が楽しめる。この水景は、角田山の麓にある小浜の風景をもとに制作した。小浜は海風が強く吹きつける場所で、このレイアウトには風の表現が欠かせなかったのだが、これを水中で表現するのは難しい。そこでグリーン・ネオンの群れ泳ぐ様子で目に見えない風を可視化し、風になびく草むらを水草で表現した。水景全体としては、溶岩石で起伏をつくり、盛土で緩やかなスロープをつくっている。風や水によって岩が崩れたような景観に時の流れを重ねた。

DATA


撮影日:2019年1月18日(ADA)
制作:ADA
水槽:キューブガーデン W120×D50×H50(cm)
照明:ソーラーRGB×2基 1日9時間点灯
ろ過:スーパージェットフィルターES-1200(バイオリオM)
底床:アクアソイル-アマゾニア、アクアソイル-アマゾニアⅡ、 パワーサンド・アドバンスM、バクター100、クリアスーパー、トルマリンBC
CO2パレングラス・ビートル40Ø、CO2ビートルカウンターで1秒に5滴(タワー使用)
AIR:リリィパイプP-6 13Øによるエアレーション 夜間消灯時15時間
添加剤:ブライティK、グリーンブライティ・ミネラル、グリーンブライティ・ニトロ
換水:1週間に2度 1/3
水質:水温25℃ pH:6.6 TH:50mg/L

水草:グロッソスティグマ/アラグアイア・レッドシャープリーフ・ハイグロ/ベトナムゴマノハグサ/リシア/ウィローモス

魚種:グリーン・ネオン/サイアミーズ・フライングフォックス/オトシンクルス/ヤマトヌマエビ

溶岩石の強い陰影と水草の配植で荒地の景観を再現


ネイチャーアクアリウムは“自然”をイメージしてつくられますが、その“自然”は具体的な自然景観である場合と、さまざまな自然景観からエッセンスを抽出して再構成した抽象的な“自然”である場合があります。このレイアウトは前者であり、左に掲載したような新潟の景観をイメージして制作されました。構図としては、荒々しい印象の溶岩石と盛土で斜面に広がる荒地を表現し、石の強い陰影と小さな石の配置で風化して崩れた岩を表現しています。また、このレイアウトの配植は、すべて「BIO みずくさの森」のラインアップで構成されています。メンテナンスが簡単で育成しやすい丈夫な水草なので、これから始めたいという初心者の方にもオススメです。
小浜から角田山へと続く斜面には、草むらの中に岩が点在する荒地のような景観が広がる。
撮影地:越後七浦海岸・小浜(新潟県) 撮影:天野 尚
活着性の強いウィローモスを小石に巻いて溶岩石のくぼみに配置。苔類は一般に栄養素をあまり多く必要としないイメージだが、グリーンブライティ・ニトロを添加するときれいに育つ。なお、モスはヤマトヌマエビやサイアミーズ・フライングフォックスの食害にあいやすいので、兆候が見られたら数を調整する必要がある。

 
グロッソスティグマとベトナムゴマノハグサの間に、アラグアイア・レッドシャープリーフ・ハイグロを植栽。緑の中に垣間見える赤い個性的な葉が、水景のよいアクセントとなっている。この水草は生長が遅いため、トリミングを行わずに緩やかな生長を促した。

 
リシアは丈夫で生長が早いため2週間に一度のペースで軽いトリミングを行った。グロッソスティグマは、水槽前面は短めに石の周辺は長めにして密度を出している。

 
この水景は越後七浦海岸の小浜の景観をイメージした。海風が強い場所なので、崩れた石のイメージで小さい石(●)を大きい石の左に配置し、一定方向から吹く風を表現。

 
荒地を覆う草むらのイメージで背の低い水草をセレクト。場所によって葉の形や色を使い分け、植栽に変化をつけた。
2018年11月15日 撮影

 
 

[ADAview] 風の流れを感じる石組レイアウト -Iwagumi layout which expresses the flow of wind.


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