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Green Lab. #03 [ 老枝に佇む ]

岩堀 康太岩堀 康太
Green Lab.ではパルダリウムの作例をもとに、つくり方や植物にまつわるノウハウをご紹介していきます。
GLASS PALUDA 600
植物や苔などを部屋の中で美しく飾るためのオールガラス製のディスプレイケースです。
脚部には2色のカラーガラスが使用されており、色の重なりによって独特の美しい色彩効果を生み出します。
本体サイズ: W600×D400×H1,000(mm)
ディスプレイケースサイズ: W600×D300×H400(mm)
[ 老枝に佇む ]
植物を引き立てるために設計された板ガラス構成のディスプレイケースがグラスパルダ600である。上部のみが開口する構造により、観賞の妨げがなく、自然の一部をそのまま切り取ったような佇まいを持つ。苔の密生度や植物同士の距離感、葉がそろい向く様子などは自然故の整然さが感じられとても優美なものだ。今回は、東南アジアの着生植物を枝状のコルクに活着させ、底床を用いず空中感を強調。自然界に見られる整然とした美しさをそのまま映し出す生態展示を意識した表現としている。

撮影日:2025月1月30日
制作:岩堀 康太(ADA SUIKEI CREATOR)
水槽:グラスパルダ 600
照明:パルダライトⅡ 600(1日8時間点灯)
湿度管理:ハンドスプレーで55%〜65%に調整
時間管理:パワーコード S-70

植物:
デンドロビウム・ケイシー Dendrobium keithii
ポドキルス・ルセッセンス Podochilus lucescens
オベロニア・アポロフィラ Oberonia aporophylla
パキセントリア・グラウカ Pachycentria glauca
ゴニオフレビウム・ペルシシフォリウム Goniophlebium persicifolium
トキワシノブ Davallia tyermannii

 
【パキセントリア・グラウカ】
樹木に着生し、イモのような根茎をいくつもつくる不思議なノボタン科の植物。根茎内部にアリを住まわせるアリ植物でも知られている。乾湿のメリハリをつけるように水やりすることがポイント。フタをずらして換気を長めに行いたい。

 
【ゴニオフレビウム・ペルシシフォリウム / トキワシノブ】
このようなレイアウトでは着生するシダの存在は欠かせない。今回使用したのは2種類。トキワシノブは活着させやすく乾燥にも強い。ゴニオフレビウム・ペルシシフォリウムは成熟すると垂れて美しいのだが、ここでそれを見られるのはまだまだ先のようだ。

 
【デンドロビウム・ケイシー / オベロニア・アポロフィラ】
ここで用いたデンドロビウム・ケイシーやオベロニア・アポロフィラは、自然下では垂れる姿で着生していることが多い着生ラン。根元は乾きに強い苔で覆いながら巻きつけ、苔が乾いたら十分に水をやることがポイント。

 
【ポドキルス・ルセッセンス】
同様に垂れるタイプの着生ラン。前者に比べるとやや水分を好む傾向があるため、根元に巻きつけた苔が完全に乾く前に水分を与えたい。長さが8㎝程になると開花の期待ができ、茎の先端あたりから短い花茎を出し白く小さな花を数個咲かせる。

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