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Green Lab. #01 [ アンブラの沼 ]

aquajournaljpWEBアクア・ジャーナル編集部
Green Lab.ではパルダリウムの作例をもとに、つくり方や植物にまつわるノウハウをご紹介していきます。
[ アンブラの沼 ]
このパルダリウムは、熱帯雨林の近づき難い暗くジメジメした水辺をイメージしている。毛の生えた奇抜な模様のベゴニア・シゼモレアエで壁面を覆い、流木の傍には赤黒いホマロメナ・フミリスレッドを植栽して、陰気でやや不気味な雰囲気を醸し出した。前景には水草であるクリプトコリネやアヌビアスなどの水上葉も積極的に取り入れており、水の気配を感じさせる“影の沼”ができあがった。

撮影日:2025月5月2日
制作:岩堀 康太(ADA SUIKEI CREATOR)
水槽:システムパルダ 600
照明:パルダライト 600(1日8時間点灯)
底床:ジャングルソイル、ジャングルベース
吸水:ミストフローボックスに2~3週間に1度
排水:高吸水スポンジで1週間に1度程度
湿度管理:ミストフローで毎時20分間、サーキュレーションファン 40で毎時5分間
時間管理:パワーコード S-70

植物:
ベゴニア・プリスマトカルパ
ベゴニア・シゼモレア
ベゴニア・オセロ
ディネマ・ポリブルボン
セラトスティリス・フィリピネンシス
アヌビアス・グラキリス
アヌビアス・ナナ ジェイド
クリプトコリネ・ウェンティトロピカ
クリプトコリネ・ルーケンス
ホマロメナ・フミリスレッド
オニクラマゴケ斑入り
ボルビティス sp. ウッタラカンナダ
ブレクナム・オブツサタム var. オブツサタム
【ベゴニア・シゼモレア】
中国南部やベトナム、ラオスなどに分布し、石灰岩に張り付くように生えていることが多い。さまざまな葉のタイプがあるが、このレイアウトで用いたものは輪紋があり毛深いタイプのもの。佗び草マットに巻きつけても育成しやすく、バーチカルなレイアウトにはおすすめ。

 
【セラトスティリス・フィリピネンシス】JUNGLE PLANTS
ジャングルプランツシリーズからリリースされている小型着生ランのうちのひとつ。上手に育成すると年に23回、白い星型のような芳香性のある花を咲かせる。レイアウトでは壁面の上部や流木の枝先など、明るく乾湿がはっきりとした場所に植栽したい。

 
【ホマロメナ・フミリスレッド】
暗褐色でベロア調の葉が魅力のホマロメナ。佗び草マットでも良好に育成できる強健種ではあるが、光量が強い壁面上段は控えよう。ここでは、暗いジャングルのイメージを表現するため中景に潜ませている。

 
【ブレクナム・オブツサタム var. オブツサタム】
「オブオブ」の相性でお馴染みのニューカレドニア原産の木立シダ。山地の沢沿いや滝の周りなどに自生している。生長スピードやサイズ感はパルダリウムに丁度良い。小さなうちは他の植物に埋もれないよう植栽スペースに気を付けたい。

 
【ボルビティス sp. UK】
湿潤な環境を好むボルビティスの仲間で、UKとはインド南西部カルナータカ州にあるウッタラカンナダの略。現地では河川沿いの岩盤に群落をつくっているようで、比較的速やかに活着し根茎を横に伸ばす。

 
【オニクラマゴケ斑入り】
細やかな葉が密集して並ぶセラギネラの仲間。ここでは壁面のコケと同化しないよう斑入りのものを選択して、壁面から溢れ出てくるように配植した。シダ植物の中でも生長は早いため、他の植物が覆われないよう適宜間引くのがポイント。

 

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