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NATURE IN THE GLASS 「ある森の広がり」

荒木 大智荒木 大智

モスで表現した樹木の印象とそこに広がる林床の風景


[ ある森の広がり ] 森は遷移段階に応じて、優勢となる樹種が変化していく。本水景では高木が優勢となっている森と、低木や蔦が広がる林床をイメージした。ブランチウッドの枝を縦に配置し表面の多くをモスで覆うことで森林を構成する優勢種の林相を疑似的につくりあげた。木々が際立つように下草ではなく化粧砂を敷き、視覚効果を狙っている。また中景にはモスのほかにシダや背の高くなりにくい有茎草を配植し、低木層に息づく林床植物の様子を表現した。高く伸長する種類の水草を背景に植えたことで森の広がりが連想される。

DATA


撮影日 : 2021年4月21日(ADA)
制作 : 荒木 大智(レイアウト制作)
水槽 : キューブガーデン W120×D50×H50(cm)
照明 : ソーラー RGB ×2(1日8時間30分点灯)
ろ過 : スーパージェットフィルター ES-1200(バイオリオG)
素材 : ブランチウッド、山水石
底床 : アクアソイル-アマゾニア Ver.2、パワーサンド・アドバンス L、バクター100、クリアスーパー、トルマリンBC、ラプラタサンド
CO2 : パレングラス・ビートル 40Ø、CO₂ビートルカウンターで1秒に5滴(タワー使用)
AIR : リリィパイプP-6によるエアレーション 夜間消灯時15時間30分
添加剤 : ブライティK、グリーンブライティ・ミネラル、グリーンブライティ・アイアン、グリーンブライティ・ニトロ
換水 : 1週間に1度 1/3
水質 : 水温25℃ pH:6.2 TH:50mg/L
水草 :
BIO アラグアイア・レッドシャープリーフ・ハイグロ
BIO スタウロギネ・レペンス
BIO オーストラリアン・ドワーフヒドロコティレ
BIO ギニアンハイグロ
BIO エレオカリス・ビビパラ
モスバッグ ウィローモス
カメルーンハネゴケ
タイワンファン

魚種 :
レッドテトラ
サイアミーズ・フライングフォックス
オトシンクルス
ヤマトヌマエビ
骨格となるブランチウッドは土留めも兼ねた山水石でしっかりと固定。

中景の植え分けで森と林床の植生表現を狙う


魚にとって住み心地の良い水域を表現することを水景制作の主題としていることもあり、岩と流木を組み合わせ、それらに水草を着生させ、小型魚が水草や流木の合間で戯れるような空間をつくっている。ホーンウッドを用い、魚が逃げ込むためのアーチ状の空間を設け、三角構図にしたのは隠れるスペースと泳ぎまわるスペースを明確に分けたかったからである。なお、広い水面は魚が警戒しやすいので、スイレンの浮葉が広がるようにしている。
植栽直後のレイアウト/2020年7月3日 撮影
完成 2021年4月21日 撮影 ⒸAQUA DESIGN AMANO
 

 
1. 化粧砂で入り組みをつくる
大小3つのブロックに分けるように化粧砂を敷き、森の入り組みと遠近感を表現。中央の小さいブロックはソイルは使用せず、石と着生植物のみで景観をつくった。

 
2. シダの葉形で単調さを回避
植生イメージに変化を持たせるため、形が特徴的なタイワンファンを使用。樹間で縦に伸びる地生シダを表現。

 
3. シダの葉形で単調さを回避
色味と形を変えた背の高くならない有茎草と、流木の根元のオーストラリアン・ドワーフヒドロコティレでよりレイアウトの自然感が増す。

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