NATURE AQUARIUM GALLERY #02 「ザナドゥ」
ネイチャーアクアリウム・ギャラリーでは、日々水景の制作やメンテナンスが行われており、ネイチャーアクアリウムのノウハウが培われています。WEB AJ「NATURE AQUARIUM GALLERY」では、ADAのメンテナンススタッフにインタビューを行い、ネイチャーアクアリウムの作例と、ADA製品を使用した管理・育成のポイントを紹介していきます。
水底の桃源郷のような神秘に満ちた世界へと誘う、熱帯魚たちの幻想的な水景

[ ザナドゥ ]
岩礁帯を舞台にしたファンタジーの世界観を表現した少し異色なネイチャーアクアリウム。「深い水の底へ潜っていくと、どこか懐かしさを感じる桃源郷のような空間が広がっている」そんな空想を膨らませ、水草特有の繊細で柔らかなフォルムを生かし、パールグラミーが舞い泳ぐ幻想的な水景をつくり上げた。(ADA 水景クリエーター 井上 大輔)
岩礁帯を舞台にしたファンタジーの世界観を表現した少し異色なネイチャーアクアリウム。「深い水の底へ潜っていくと、どこか懐かしさを感じる桃源郷のような空間が広がっている」そんな空想を膨らませ、水草特有の繊細で柔らかなフォルムを生かし、パールグラミーが舞い泳ぐ幻想的な水景をつくり上げた。(ADA 水景クリエーター 井上 大輔)

DATA
制作日:2024年9月19日
撮影日:2024年12月25日
制作:荒木 大智(ADA SUIKEI CREATOR)
水槽:キューブガーデン W1,200×D500×H500(mm)
照明:ソーラーRGBⅡ ×2(1日8時間30分点灯)
ろ過:スーパージェットフィルター ES-1200(バイオリオG)
素材:雲山石
底床:バニラサンド(KUMU SA-06)、アクアソイル-アマゾニア Ver.2、パワーサンド・アドバンスL、バクター100、クリアスーパー、トルマリンBC
CO2:パレングラス・ビートル 40Ø、CO₂ツイストカウンターで1秒に5滴(タワー使用)
AIR:リリィパイプP-6によるエアレーション 夜間消灯時15時間30分
添加剤:ブライティK、グリーンブライティ・ミネラル、グリーンブライティ・アイアン、グリーンブライティ・ニトロ
換水:1週間に1度 1/3
水質:水温25℃ pH:6.4 TH:50mg/L
水草
インディアン・クラススラ(BIO)※
オーストラリアンヒドロコティレ(BIO)※
フレイムモス
ラージパールグラス(BIO)※
ロターラ sp. ベトナム(BIO)※
ロターラ sp. フラワー
マヤカ sp.
ミリオフィラム・エラチノイデス
レッドミリオフィラム
アンブリア
ポゴステモン・ヘルフェリー(BIO)※
ルドウィジア・スファエロカルパ
リシア(BIO)※
魚種
パールグラミー
マダガスカルレインボー
セレベスレインボー
レッドチェリーテトラ
サイアミーズ・フライングフォックス
オトシンクルス
ヤマトヌマエビ
※はADA生体製品ラインナップです。
制作日:2024年9月19日
撮影日:2024年12月25日
制作:荒木 大智(ADA SUIKEI CREATOR)
水槽:キューブガーデン W1,200×D500×H500(mm)
照明:ソーラーRGBⅡ ×2(1日8時間30分点灯)
ろ過:スーパージェットフィルター ES-1200(バイオリオG)
素材:雲山石
底床:バニラサンド(KUMU SA-06)、アクアソイル-アマゾニア Ver.2、パワーサンド・アドバンスL、バクター100、クリアスーパー、トルマリンBC
CO2:パレングラス・ビートル 40Ø、CO₂ツイストカウンターで1秒に5滴(タワー使用)
AIR:リリィパイプP-6によるエアレーション 夜間消灯時15時間30分
添加剤:ブライティK、グリーンブライティ・ミネラル、グリーンブライティ・アイアン、グリーンブライティ・ニトロ
換水:1週間に1度 1/3
水質:水温25℃ pH:6.4 TH:50mg/L
水草
インディアン・クラススラ(BIO)※
オーストラリアンヒドロコティレ(BIO)※
フレイムモス
ラージパールグラス(BIO)※
ロターラ sp. ベトナム(BIO)※
ロターラ sp. フラワー
マヤカ sp.
ミリオフィラム・エラチノイデス
レッドミリオフィラム
アンブリア
ポゴステモン・ヘルフェリー(BIO)※
ルドウィジア・スファエロカルパ
リシア(BIO)※
魚種
パールグラミー
マダガスカルレインボー
セレベスレインボー
レッドチェリーテトラ
サイアミーズ・フライングフォックス
オトシンクルス
ヤマトヌマエビ
※はADA生体製品ラインナップです。
自然観の演出
有茎草は放置するとあっという間に水面へ到達し空間の抜け感が損なわれてしまいますが、この水景では雲山石の高さに合わせて草丈を調整し、立体感のある自然な景観を意識した管理を行いました。生長の早い種類は特に注意し、早めに高さを抑えることで、水景全体の統一感を保っています。色彩面では、明るい新緑のような有茎草を基調に、鮮やかな赤系の水草をポイントとして配置。単調にならないよう配色に注意を払いながら、自然の中にあるような奥行きと調和のあるレイアウトを目指しました。
有茎草は放置するとあっという間に水面へ到達し空間の抜け感が損なわれてしまいますが、この水景では雲山石の高さに合わせて草丈を調整し、立体感のある自然な景観を意識した管理を行いました。生長の早い種類は特に注意し、早めに高さを抑えることで、水景全体の統一感を保っています。色彩面では、明るい新緑のような有茎草を基調に、鮮やかな赤系の水草をポイントとして配置。単調にならないよう配色に注意を払いながら、自然の中にあるような奥行きと調和のあるレイアウトを目指しました。

アンブリア
植栽した水草の中でも、アンブリアは特に生長スピードが早く、最も気を使いました。脇芽がほとんど出ないため、差し戻しによって草丈を調節し、密度と高さのバランスを保ちました。また、鉄分の不足に敏感なため、ECAのこまめな添加が必要不可欠で、適切な栄養管理によってアンブリア特有の柔らかく鮮やかなグリーンを保つことができました。
植栽した水草の中でも、アンブリアは特に生長スピードが早く、最も気を使いました。脇芽がほとんど出ないため、差し戻しによって草丈を調節し、密度と高さのバランスを保ちました。また、鉄分の不足に敏感なため、ECAのこまめな添加が必要不可欠で、適切な栄養管理によってアンブリア特有の柔らかく鮮やかなグリーンを保つことができました。

ルドウィジア・スファエロカルパ
雲山石のポケットにソイルを投入し植栽しており、空間的なアクセントを担っていました。ただ、ポケット内のソイル量には限りがあるため、時間の経過とともに養分が不足しやすく、新芽の展開が鈍る傾向が見られました。根からの栄養吸収に依存する水草であることから、底床の養分管理が重要で、アマゾニアVer.2 パウダータイプを追加し、養分の補充と側根の保護を行いました。その結果、新芽の展開もスムーズになり、長期的な健康状態の維持が可能となりました。
雲山石のポケットにソイルを投入し植栽しており、空間的なアクセントを担っていました。ただ、ポケット内のソイル量には限りがあるため、時間の経過とともに養分が不足しやすく、新芽の展開が鈍る傾向が見られました。根からの栄養吸収に依存する水草であることから、底床の養分管理が重要で、アマゾニアVer.2 パウダータイプを追加し、養分の補充と側根の保護を行いました。その結果、新芽の展開もスムーズになり、長期的な健康状態の維持が可能となりました。

ラージパールグラス
明るいライトグリーンの葉が美しい有茎草で、水景に清涼感を与えてくれます。比較的育てやすいですが、活性が落ちると葉が黒ずんでしまう傾向があります。脇芽が出始めた段階で早めに摘み取ることで健全な生長を促すことができます。これを繰り返すことで、草体の美しさとレイアウトのバランスを保ちやすくなります。
明るいライトグリーンの葉が美しい有茎草で、水景に清涼感を与えてくれます。比較的育てやすいですが、活性が落ちると葉が黒ずんでしまう傾向があります。脇芽が出始めた段階で早めに摘み取ることで健全な生長を促すことができます。これを繰り返すことで、草体の美しさとレイアウトのバランスを保ちやすくなります。
管理・育成のポイント

差し戻し
トリミングに弱く、脇芽が出にくい種類の水草には差し戻しという管理方法を用います。これは、水草を一度根元から丁寧に抜き取り、下部の茎を整えたうえで再び植え直す作業です。頂芽を切らずに済むため、草姿の美観を保ったまま高さを抑えることができ、自然な印象を維持しながらレイアウトの調整が可能となります。
差し戻しで管理した水草:マヤカ sp.、アンブリア、ルドウィジア・スファエロカルパ
トリミングに弱く、脇芽が出にくい種類の水草には差し戻しという管理方法を用います。これは、水草を一度根元から丁寧に抜き取り、下部の茎を整えたうえで再び植え直す作業です。頂芽を切らずに済むため、草姿の美観を保ったまま高さを抑えることができ、自然な印象を維持しながらレイアウトの調整が可能となります。
差し戻しで管理した水草:マヤカ sp.、アンブリア、ルドウィジア・スファエロカルパ

摘み取り
脇芽を出す種類の水草には摘み取りという管理方法を用います。これは、脇芽を残して伸びすぎた茎をトリミングする作業です。カットした部分から新芽が展開してきますので、茂みから飛び出した水草はこまめな摘み取りを行い、トリミングラインやボリュームの調整を行いましよう。
摘み取りで管理した水草:ラージパールグラス、ロターラ sp. ベトナム、ロターラ sp. フラワー、ミリオフィラム・エラチノイデス
脇芽を出す種類の水草には摘み取りという管理方法を用います。これは、脇芽を残して伸びすぎた茎をトリミングする作業です。カットした部分から新芽が展開してきますので、茂みから飛び出した水草はこまめな摘み取りを行い、トリミングラインやボリュームの調整を行いましよう。
摘み取りで管理した水草:ラージパールグラス、ロターラ sp. ベトナム、ロターラ sp. フラワー、ミリオフィラム・エラチノイデス

ECAの添加
ECAは、白化した水草の葉色を改善する効果があり、1週間ほど毎日添加することで効果が見込めます。本水景では葉色の維持を目的に、2日に1回のペースで継続的に添加を行いました。ただ、ECAの過剰な添加はフレイムモスの色味をくすませてしまうことがあるため、今回は規定量の半分に抑えて使用しました。また、ECAによって水槽水が着色してくる場合があるため、透明度を保つために1/3程度の換水を行い、透明度の維持に努めました。
ECAは、白化した水草の葉色を改善する効果があり、1週間ほど毎日添加することで効果が見込めます。本水景では葉色の維持を目的に、2日に1回のペースで継続的に添加を行いました。ただ、ECAの過剰な添加はフレイムモスの色味をくすませてしまうことがあるため、今回は規定量の半分に抑えて使用しました。また、ECAによって水槽水が着色してくる場合があるため、透明度を保つために1/3程度の換水を行い、透明度の維持に努めました。