ADA

NATURE AQUARIUM GALLERY #01 「ダイバースフォレスト」

aquajournaljpWEBアクア・ジャーナル編集部
ネイチャーアクアリウム・ギャラリーでは、日々水景の制作やメンテナンスが行われており、ネイチャーアクアリウムのノウハウが培われています。WEB AJ「NATURE AQUARIUM GALLERY」では、ADAのメンテナンススタッフにインタビューを行い、ネイチャーアクアリウムの作例と、ADA製品を使用した管理・育成のポイントを紹介していきます。
南アフリカの森で着想を得た多様な植物からなる野性味ある水景
[ ダイバースフォレスト ]
南アフリカ、ドラケンスバーグ山脈の雲霧林では、複雑極まる木々の形と鬱蒼と生える苔の様子に驚かされたが、そのときの印象がこの水景のヒントになっている。多種多様な植物が見事に調和し美しい景観をつくり上げる自然の創造には感動するばかりであったが、その感覚を自分なりに水景の表現に取り入れて制作した。(ADA 水景クリエーター 荒木 大智)
ドラケンスバーグ山脈の雲霧林(撮影:荒木 大智)
DATA
制作日:2024年6月26日
撮影日:2025年3月14日
制作:荒木 大智(ADA SUIKEI CREATOR)
水槽:キューブガーデン W1,800×D600×H600(mm)
照明:ソーラーRGBⅡ ×3(1日8時間30分点灯)
ろ過:スーパージェットフィルター ES-2400(バイオリオG)
素材:ブランチウッド、山水石、雲山石
底床:ブルックサンド(KUMU SA-07)、フラットリバーグラベルS(KUMU GR-01)フラットリバーグラベル(KUMU GR-02)、アクアソイル-アマゾニア Ver.2、パワーサンド・アドバンスL、バクター100、クリアスーパー、トルマリンBC
CO2:パレングラス・ビートル 50Ø、CO₂ツイストカウンターで1秒に10滴(タワー使用)
AIR:リリィパイプP-6によるエアレーション 夜間消灯時15時間30分
添加剤:ブライティK、グリーンブライティ・ミネラル、グリーンブライティ・アイアン、グリーンブライティ・ニトロ
換水:1週間に1度 1/3
水質:水温25℃ pH:6.2 TH:50mg/L

水草
アフリカンオテリア
アポノゲトン・クリスプス
エキノドルス・アングスチフォリウス
エレオカリス・ビビパラ
クリプトコリネ・シバダサニィ(BIO)※
クリプトコリネ・ウェンティ・グリーン(BIO)※
クリプトコリネ・スピラリス
イエローアマニア
ポリゴナムsp. ‘ピンク’
ボルビティス・ヒュデロッティ
ミクロソラム・プテロプス
ミクロソラムsp. ‘レッド’
アヌビアス・ナナ プチ
ブセファランドラsp.
ハイグロフィラ・ピンナティフィダ‘UK’(BIO)※
ラゲナンドラ・ミーボルディ・グリーン(BIO)※
ウィーピングモス(モスバッグ)※

魚種
ブルーサファイアコンゴテトラ
アフリカンムーンテトラ
アルトゥスムーンテトラ
アンゴラバルブ
エトロピエラ
アフリカンランプアイ
ペルビカクロミス・タエニアータス・ナイジェリアレッド
サイアミーズ・フライングフォックス
オトシンクルス
ヤマトヌマエビ

 

アフリカ原産の魚たち
ネイチャーアクアリウムでは、魚の遊泳層にバリエーションを持たせたり、産地にこだわって魚の選定を行うことがよくあります。この水景では上層、中層、下層にバランスよく魚が泳ぐように意識し、アフリカ原産にこだわって魚種を選定しました。また、一見して個体数が多いようにも見えますが、魚たちの縄張り争いによるフィンスプレッティング(ヒレを広げる行動)を狙って導入しています。
上層:アフリカンランプアイ
中層:ブルーサファイアコンゴテトラ、アンゴラバルブ、エトロピエラ、アルトゥスムーンテトラ、アフリカンムーンテトラ
下層:ペルビカクロミス・タエニアータス・ナイジェリアレッド

 
アンゴラバルブ
独特の飴色の体色はシダが多い水槽に自然になじみ、美しい景観をつくり出します。鮮やかな発色を保つためには餌も重要で、色揚げにはAPプレミアムシリーズが効果的です。まとまった数で飼育することで大型水槽でも存在感が増し、動きのある美しい泳ぎが楽しめます。

 
ブルーサファイアコンゴテトラ
その名の通り、体全体がメタリックな青色からサファイア色に輝きます。成熟するとタープのようにヒレを伸ばし、その優雅な泳ぎを一層引き立てます。早朝にはヒレの先端が赤みを帯びることも。

 
アフリカンムーンテトラ
銀鱗がきらめき、暗がりの中で静かなハイライトとなり、飼い込むほどにアフリカンカラシンならではの渋みがにじみ出てきます。その独特の透明感は、体調を映すバロメーターでもあります。

 
アルトゥスムーンテトラ
アフリカンムーンテトラと区別が付きにくいですが、模様や体色が少し異なります。同じ産地の魚をさりげなく泳がせるのも、混泳の魅力の一つです。

 
ペルビカクロミス・タエニアータス・ナイジェリアレッド
ルートブランチの隙間に巣を構え、縄張り形成が見られました。腹部の赤みが美しく発色し、水景の中で鮮やかなアクセントとなっています。ペアによる威嚇や砂を掘る様子も確認され、繁殖行動がうかがえました。

 
管理・育成のポイント
捕食速度に違いのある魚種を混泳させる際には、給餌方法に工夫を凝らす必要があります。普通の給餌では、上層に集まる魚に餌が食べ尽くされてしまい、なかなか下層の魚まで餌が行き渡りませんが、本水槽ではAP-2 プレミアムをリリィパイプから発生する水流に巻き込ませるように給餌を行うことで、ランプアイからシクリッドに至るまで、多様な魚種を安定的に育成することができました。
リリィパイプを少し持ち上げ、餌を水流に巻き込ませることで、上層から下層まで行き渡る。
餌の食べ残しによる水質悪化の懸念もありましたが、水を汚しにくいAPプレミアムシリーズの利点が発揮され、藻類の発生はほぼありませんでした。捕食速度に違いのある魚種を混泳している場合は、この給餌方法を取り入れてみてください。
こちらの水槽は、2025年6月28日(土)~29日(日)にネイチャーアクアリウム・ギャラリーで開催される「NATURE AQUARIUM GALLERY / WELCOME DAY 2025」で展示予定です。ご来館される方はぜひご覧ください!

RELATED POSTS関連投稿

POPULAR POSTS注目の投稿