HOW TO 2022.04.08
知りたい、モスのこと
ネイチャーアクアリウムにおいて名脇役であるモス。決してスターではないものの原生や清涼といった要素をさりげなくレイアウトに醸し出します。また、生い茂る姿を目にすると、時間の経過を感じる方も多いでしょう。今回は、スタイルに合わせたモスの製品紹介やレイアウト時に少しだけ気になるところの検証、モスの配植ポイントなどをご紹介します。
ADAのモスの生体製品
ADAのモス製品は、あらゆる用途に合わせて3つの形態でラインナップしています。自分のスタイルでは、どの形態のモス製品を選ぶとよいのか、参考にしてみてください。
LINEUP.1 「佗び草マット」
着生植物用に開発されたマットにモスが活着している製品です。システムテラやシステムパルダ、水草ミストウォールなどにそのまま、もしくは着生植物をつけ足して使用できます。また、3形態の中でモスの種類のラインナップが最も多く、水上葉への展開がしやすいこともポイント。
着生植物用に開発されたマットにモスが活着している製品です。システムテラやシステムパルダ、水草ミストウォールなどにそのまま、もしくは着生植物をつけ足して使用できます。また、3形態の中でモスの種類のラインナップが最も多く、水上葉への展開がしやすいこともポイント。
LINEUP.2 「モスバッグ」
ネイチャーアクアリウムに使いやすいウィローモスをパックにした製品です。十分な量が入っており、健康な水中葉はレイアウトの即戦力になること間違いなし。小さなアクアリウムでは、少しほぐして入れるだけで魚の隠れ家やメダカの産卵床として活用もできます。
ネイチャーアクアリウムに使いやすいウィローモスをパックにした製品です。十分な量が入っており、健康な水中葉はレイアウトの即戦力になること間違いなし。小さなアクアリウムでは、少しほぐして入れるだけで魚の隠れ家やメダカの産卵床として活用もできます。
LINEUP.3 「BIOみずくさの森」
高品質な組織培養で育成されたクリーンなモスを使うことができる製品です。ピンセットで植栽しやすく、害虫やカビの発生のリスクも少ないため、湿度を保ちやすいガラスポットMARUやSHIZUKUを使用した小型パルダリウムに最適です。
高品質な組織培養で育成されたクリーンなモスを使うことができる製品です。ピンセットで植栽しやすく、害虫やカビの発生のリスクも少ないため、湿度を保ちやすいガラスポットMARUやSHIZUKUを使用した小型パルダリウムに最適です。
モスの配植ポイント
モスの配植位置については、最初は誰しも悩むものです。ここでは、大きく4つのポイントに分けて解説をしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
Point.1 不自然な切り口はモスで隠す
あえて枝先を出すことも一つの表現ですが、アクアリウム用の流木はものによって枝先が不自然な切り口や折れ跡になっているものがあります。そのような箇所は、モスを巻きつけて隠しましょう。また、荒々しい枝先に柔らかな印象を与える効果もあります。
あえて枝先を出すことも一つの表現ですが、アクアリウム用の流木はものによって枝先が不自然な切り口や折れ跡になっているものがあります。そのような箇所は、モスを巻きつけて隠しましょう。また、荒々しい枝先に柔らかな印象を与える効果もあります。
Point.2 陰生水草が植栽できない影に
構図素材がつくる影には、基本的にクリプトコリネやアヌビアスなどを植栽することでレイアウトの暗いトーンを緩和することができます。同じように明るい色の化粧砂を敷いた際にできる比較的コントラストが大きくなる箇所では、小石に巻きつけたモスを置くことでトーンアップすることができます。
構図素材がつくる影には、基本的にクリプトコリネやアヌビアスなどを植栽することでレイアウトの暗いトーンを緩和することができます。同じように明るい色の化粧砂を敷いた際にできる比較的コントラストが大きくなる箇所では、小石に巻きつけたモスを置くことでトーンアップすることができます。
Point.3 配植はランダムに
流木のモス配植は、全体の植栽プランを考慮しながら高さや幅に変化をつけましょう。流木が交差するようなところや構図素材の強さを緩和したい箇所などにランダム性を意識しながら巻きつけることで、より自然な表現につながります。
流木のモス配植は、全体の植栽プランを考慮しながら高さや幅に変化をつけましょう。流木が交差するようなところや構図素材の強さを緩和したい箇所などにランダム性を意識しながら巻きつけることで、より自然な表現につながります。
Point.4 素材と水草のシームレス化
構図素材に添わせるボルビティスやアヌビアスなどの活着性水草とモスを一緒に配植すると、迫力ある素材と水草とを違和感なくつなげることができます。管理では、モスの範囲が広がり活着性水草を隠さないように注意しましょう。
構図素材に添わせるボルビティスやアヌビアスなどの活着性水草とモスを一緒に配植すると、迫力ある素材と水草とを違和感なくつなげることができます。管理では、モスの範囲が広がり活着性水草を隠さないように注意しましょう。
細かすぎるモス巻きの検証
ウィローモスはとても丈夫なため、巻き方が原因で失敗することはほとんどありません。しかしながら、本当にモスに適した巻き方はどうなのかを生真面目に検証してみました。
検証:1 「刻むのか?」
刻まずとも育つウィローモス。 刻むことでのメリットはあるのか。
モスバッグを開封し、約10mmで一方向に刻んでゆく。刻む前、長いものでは100mmを超えるものがあるが、これをすることで長くてもおおよそ30mm以下にそろう。今回は比較観察しやすいように、同形の木質入り樹脂棒にモスコットンで約10mm間隔に巻いた。
モスバッグを開封し、約10mmで一方向に刻んでゆく。刻む前、長いものでは100mmを超えるものがあるが、これをすることで長くてもおおよそ30mm以下にそろう。今回は比較観察しやすいように、同形の木質入り樹脂棒にモスコットンで約10mm間隔に巻いた。
「刻まない」
巻きつけ後に飛び出したモスはカットしたものの、新芽との生長点がそろわずバラつきがある。
巻きつけ後に飛び出したモスはカットしたものの、新芽との生長点がそろわずバラつきがある。
「刻む」
ほとんどが刻まれたモスのため、突出して生長するものは少なく刻まない場合よりもややそろって見える。(微妙)
ほとんどが刻まれたモスのため、突出して生長するものは少なく刻まない場合よりもややそろって見える。(微妙)
結果
刻んだモスは、細やかに生えそろい見た目が○
・巻くときに伸ばしやすくムラができにくくなる。
・生長点と殖えた新芽との生長のバラつきが小さい。
・レイアウト初期からモスの見た目が整う。
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検証:2 「巻き幅は?」
きれいに仕上げるためのモスの巻き幅は何mmなのか。
検証1と同形質の棒にモスコットンで5mm、10mm、15mmの3つの間隔で巻いた。予め刻んだモスバッグのウィローモスを用いて、巻いた後は飛び出したものを丁寧にカットしている。巻き幅15mmでは少々不安感が残った。
検証1と同形質の棒にモスコットンで5mm、10mm、15mmの3つの間隔で巻いた。予め刻んだモスバッグのウィローモスを用いて、巻いた後は飛び出したものを丁寧にカットしている。巻き幅15mmでは少々不安感が残った。
「15mm幅」
モスが抜け落ちてしまっており、ムラができしまっている。
モスが抜け落ちてしまっており、ムラができしまっている。
「10mm幅」
モスが接点との間で浮き上がってしまっている部分がある。
モスが接点との間で浮き上がってしまっている部分がある。
「5mm幅」
より均一にモスがぴたりと棒に接しているのがわかる。
より均一にモスがぴたりと棒に接しているのがわかる。
結果
刻んだウィローモスの場合は5mm間隔が◎
・巻くときに接点間で浮かずに、ぴったりと生長しやすい。
・抜け落ちにくく、長いモスも飛び出しにくい。
・モスのより整った活着が期待できる。