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皆さんこんにちは。

リスボン駐在管理スタッフの生体部・根本です。

 

三月も終盤に差し掛かり、ふと無心に歩いていた散歩道で、日本ではおなじみの桜が、ポルトガル・リスボンでも少しずつ開花を始めているのが目に留まりました。リスボンでは、3月から6月にかけて、桜をはじめとする沢山の美しい花々が、夏への足取りを後押しするかのように咲き乱れます。

 

 

 

そんな中でも、5月ごろから咲き始める世界三代花木のひとつでもある「ジャカランダ」と言う花木は、街を鮮やかな紫色に彩り、甘い香りでリスボンの街中を柔らかく包みこみます。

 

 

世界三代花木のひとつでもある「ジャカランダ」

 

 

日本ではあまり馴染みのない花ですが、そんな日本にも植樹されている場所が何箇所かあり、1990年に、ポルトガルの都市カスカイスと静岡県熱海市が姉妹都市として提携された際、記念に植樹された花木がジャカランダであるとして知られており、現在の熱海市では植樹が進み、約400本以上のジャカランダを楽しむことができるそうです。こうした話を聞くと、飛行機を乗り継ぎ約17時間。遠い異国であるポルトガルが、心なしか身近な存在に感じますね。

 

 

 

 

 

そんな目まぐるしく移り変わる花々との息抜きもこの辺で、本業であるリスボン水族館でのメンテナンスも、夏場の繁忙期に向け日々の作業を着々と進めております。

 

 

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現在メインで行なっている作業の1つが、佗び草を使った有茎草の巻き直しです。

 

リスボン海洋水族館の40m水槽では、横の長さはしかり、水深も約1m50cm程あるため、巻き直しに使用する有茎草も、長いもので1m前後という、通常では考えられない長さで選り分けていきます。

 

 

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定期的に短く巻き直しを行うことで、下茎の劣化を抑え、長い期間美しい状態を維持することができます。

 

これに関しては、通常扱っている小型水槽でも同様のことが言え、トリミングを重ねた有茎草の差し戻しを行ったり、伸びきった佗び草をそのベースに巻き直しを行うことで、長期での維持、観賞が可能になります。

 

手間のかかる作業ではありますが、長い期間、より多くの方にご覧になっていただきたい40m水槽の中で、欠かすことのできない作業の1つです。

 

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常にきれいな状態を維持している日々ではありますが、現在の目安として5~6月頃からが、多くの水草がピークを迎え見頃となる予定です。

 

夏迫るころ、街を彩るジャカランダとともに、より多くの方にリスボン海洋水族館から感動を持ち帰っていただけるよう、日々のメンテナンスに力を入れ、皆様の来館を心よりお待ちしております。

 

 

 

(リスボン駐在スタッフ/根本)