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NATURE AQUARIUM GALLERY #05 「悠久と生命」

aquajournaljpWEBアクア・ジャーナル編集部
ネイチャーアクアリウム・ギャラリーでは、日々水景の制作やメンテナンスが行われており、ネイチャーアクアリウムのノウハウが培われています。WEB AJ「NATURE AQUARIUM GALLERY」では、ADAのメンテナンススタッフにインタビューを行い、ネイチャーアクアリウムの作例と、ADA製品を使用した管理・育成のポイントを紹介していきます。
長期維持でこそ宿る悠久の力強さとやすらぎ
[ 悠久と生命 ]
根を張るように配した流木は、水景に安定感をもたらし、積み重なる時間の流れを想起させる。一方で、上方へと伸びる枝振りが、空間に動きと生命の力強さを与えている。水草は、長期維持の中で徐々に本来の姿を現し始め、景観は成熟へと移ろいを重ねている。静けさの中にある安定と、生長の中に宿る躍動。その調和によって、「悠久」と「生命」というテーマを水景の中に表現した。
DATA
制作日:2023年6月21日
撮影日:2025年1月23日
制作:荒木 大智(ADA SUIKEI CREATOR)
水槽:キューブガーデン W1,800×D1,200×H600(mm)
照明:ソーラーRGBⅡ ×6(1日8時間30分点灯)
ろ過:スーパージェットフィルター ES-2400 ×2(バイオリオG、NAカーボン
素材:ホーンウッド、雲山石、山水石
底床:アクアソイル-アマゾニア Ver.2、アクアソイル-アマゾニア、軽石、パワーサンド・アドバンスL、バクター100、クリアスーパー、トルマリンBC
CO2:パレングラス・ビートル 50Ø、CO2ツイストカウンターで1秒に10滴(タワー使用)
AIR:リリィパイプP-6によるエアレーション 夜間消灯時15時間30分
添加剤:ブライティK、グリーンブライティ・ミネラル、グリーンブライティ・アイアン、グリーンブライティ・ニトロ
換水:1週間に1度 1/3
水質:水温25℃ pH:6.2 TH:50mg/L

水草
クリプトコリネ・ウェンティ・グリーン、クリプトコリネ・ウェンティ・リアルグリーン、クリプトコリネ・ウンデュラータ・ブロードリーフ、クリプトコリネ・ウェンティ・トロピカ(BIO)※、クリプトコリネ・ベケッティ、クリプトコリネ・パルバ(BIO)※、クリプトコリネ・アルビダ、クリプトコリネ・スピラリス・カウディゲラ(BIO)※、クリプトコリネ・ポンテデリフォリア、クリプトコリネ・アフィニス・メタリックレッド、クリプトコリネ・バランサエ、クリプトコリネ・スピラリスレッド、クリプトコリネ・シバダサニィ(BIO)※、佗び草 ラゲナンドラMIX アマランス、佗び草 ラゲナンドラMIX ウォーターメロン、ラゲナンドラ・ヴィネイチャンドラ、ラゲナンドラ・ミーボルディ ピューター、ラゲナンドラ・ミーボルディ ヒッコリー、佗び草 有茎草MIX(赤系) 、ホソバノウナギツカミ、エキノドルス・テネルス・マディラ(BIO)※、エキノドルス・テネルス・ブロードリーフ(BIO)※、エキノドルス・ジャングルスター No.1、エキノドルス・ウルグアイエンシス、エキノドルス・アングスチフォリウス、シペルス・ヘルフェリー、ヤマサキカズラ、リュウノヒゲ、ミクロソラム・ナロー、ミクロソラム・プテロプス、ボルビティス・ヒュディロッティ、ブセファランドラ・シンタン(BIO)※、アグラオネマ・シルバークイーン、ウィローモス

魚種
カージナルテトラ、コーヒービーンテトラ、レッドファントムテトラ、エンペラーテトラ、ラスボラ・ヘンゲリー、インパイクティス・ケリー、オブリクア、サイアミーズ・フライングフォックス、オトシンクルス、ヤマトヌマエビ

※はADA生体製品ラインナップです。

管理・育成のポイント
NAカーボンで立ち上げ初期を乗り切る
NAカーボンは酸処理済みで飼育水のpHを変化させにくいため、水質の変化に敏感な水草を多用した水景にも安心して使用できます。立ち上げ初期の不安定な水質を解消する目的でスーパージェットフィルターに常に充填し、生長の遅いサトイモ科の水草の葉にコケがつきやすいという問題も抑えることができました。さらに、流木を多用したことで水の着色が懸念されましたが、NAカーボンの効果によりその心配もなく、透明感のある水の輝きを保つことができました。

 
ミクロソラムと全硬度
ミクロソラムは、全硬度の低い水で育成すると、柔らかく透明感のある葉を展開します。しかし、全硬度が高い状態が長く続くと、その特徴が失われ、新芽の展開も鈍くなる場合があります。そのため、全硬度を10~20mg/L程度に維持するよう心がけ、必要に応じてカチオンフィルターの併用を検討するとよいでしょう。NAギャラリーでは、全硬度が下がりすぎないように未処理の水道水も使用し、TH値の安定化に気を配りました。

 
NO3(硝酸)のコントロール
18か月と長期維持していたこの水槽では、給餌量と水草量のバランスに配慮することで水質の安定が図られており、換水は10日に1度の頻度で十分に維持できました。一方で、換水を控えすぎるとNO₃が蓄積し、魚のヒレの損傷やコケの増殖などの悪影響が生じる可能性があります。そのため、定期的なNO3測定は欠かせません。その他にも、有茎草やリシアなど生長の早い水草を多用し、NO3を吸収させる方法も効果的です。

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