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すべての応募者の皆様へ


世界水草レイアウトコンテスト(IAPLC)は、史上初となる世界規模の水草レイアウトコンテストとして企画され、2001年、21世紀の幕開けとともに世界的な水草レイアウトの普及を願って、16年にわたって開催されてきました。第1回となる世界水草レイアウトコンテスト2001での世界19カ国、557作品の応募からスタートし、年々参加国数、総応募数ともに増え続け、第16回目となる昨年の世界水草レイアウトコンテスト2016では世界68の国と地域より、2,336作品(1人1作品)の応募があり文字通り世界最大規模の水草レイアウトコンテストへと成長いたしました。そうした中で、毎年世界的なトップレイアウターを輩出してきたことも、世界水草レイアウトコンテスト開催の一つの成果であったと思います。こうした状況を鑑みますと、世界水草レイアウトコンテストの世界的な水草レイアウトの振興という開催当初からの役割はひとまず果たせたのではないかと思います。

そして現在では、世界各地でさまざまな形態で水草レイアウトコンテストが開催されるようになり、16年前の世界水草レイアウトコンテスト開催当初にくらべ水草レイアウトはより多くの方々に楽しまれるようになりました。世界各地でコンテストが盛んに行われるようになった一つ要因としては、デジタルカメラとインターネットの普及によって、以前は難しかった水景撮影が誰でも簡単に行えるようになり、インターネットを通じて他国のコンテストにも簡単に申し込めるようになったことがあるでしょう。作品応募がしやすくなることは、趣味として楽しむうえでは非常に好ましい状況と言える反面、いくつかの問題も生じてきています。今後のIAPLCの運営において大切なことなので、あえてここで問題点を明らかにしておきたいと思います。

IAPLCでは、第1回のコンテスト開催以来、毎回作品集を制作し作品を公表しています。応募者の方にとって1つの作品はかけがえのないものであるため、作品集に収録することは各作品に対する敬意を示す意味も含まれています。また、弊社でその作品の著作権を管理することによって、営業・広告などの営利目的での作品(写真)の使用とコンテストをできる限り切り離し、レイアウトスタイルや使用器具のメーカーによらず純粋に水草レイアウトの技術、表現を競うというコンテストのあり方を守ってきました。

しかしながら、近年になって、「IAPLC作品集で公表された入選作品が、他のコンテストでも入選している」という問い合わせが寄せられるようになりました。その都度調べてみると、「まったく同じ写真」であったり、「魚のポジションが異なる写真」、「同じ水景で少し水草の生長具合が異なる(撮影日が違う)写真」、「一部の水草が植え替えられた写真」、「バックの色が異なる」など、状況はさまざまです。「こうした状況を未然に防げないのか」という批判、意見は、コンテストを運営する側としては真摯に受け止めております。対策として、「1人1作品、多重応募は不可」という応募規定なども設けてきましたが、同一作品(類似カット)の厳密な判断は難しいところです。今現在、水草レイアウトコンテストは、世界各国でメーカー、愛好家団体、ショップ主催の大小さまざまな規模で開催されており、それらをすべて把握し、重複応募、類似作品の確認を行うことは極めて難しいことは容易に想像できることでしょう。

では、どうすればいいのか。当コンテスト実行委員会としてはこうした応募ルールの周知徹底を図るとともに、最終的にはやはり出品者の一人ひとりのモラルに委ねるしかないということは水草レイアウトを楽しまれている方であればご理解いただけるのではないでしょうか。

また最近はそれぞれのコンテストの審査結果などを、インターネットを通じて世界中の方々が見ることができるため、後になって「ルール違反」が判明することも少なくありません。特にコンテストに出品される方々は、真剣勝負がゆえインターネット上でさまざまな情報を収集しているため、なおさらのことです。本来であれば応募者の方々全員が楽しめるはずのコンテストですが、ルール違反があれば当事者もそうでない者も嫌な思いをしますし、それは私たちコンテスト運営側としても本望ではありません。皆さんの共通した「応募ルールの認識とモラル」があってこそ健全なコンテストが運営されるものと信じております。また、この機会に多重応募の他にもIAPLC運営において見られる「困った事例」を列記しておきますので、こちらをお読みいただき、純粋にコンテストを楽しんでいただけたらと思います。

世界にはそれぞれの国や地域ごとに美しい自然、固有の文化、美意識などがあります。それらが各々の水草レイアウト作品にも反映され、今後はレイアウトのスタイルや評価も多様化していくことでしょう。そうした流れの中で、IAPLCの開催によってそれぞれの地域で水草レイアウトが人と自然とのつながりを考えるきっかけを与え、一つのホビーから文化へと昇華としていくことを願ってやみません。

IAPLC運営における多重応募以外の「困った事例」


■他人の名前で複数応募する。

使用される名前は、主に家族、知人など。自分の名前で入賞してこそ価値があるものではないでしょうか。1人1作品、渾身の作品を選びましょう。


■多重応募が発覚した際、賞金金額の大小によって辞退を決める。

賞金獲得だけが目的でしょうか。他の出品者の方にも失礼な態度です。


■類似カットを複数データ送信し、どれか一枚をエントリーに使ってほしいと応募する。

作品選びも実力、センスの一つです。こちらで作品採択の確認はできません。


■合成作品で応募する。

デジタル写真全盛のこの時代、年々巧妙化しています。特に魚のポジショニングでの合成が目立ちます。魚の遊泳シーンにこだわるばかりに、ルール違反をおかしては元も子もありません。


■以前の作品に多少手を加えただけの作品での応募。

これも出品者の方のモラルによるところが大きいですが、常識的な判断をお願いします。


■応募規約を読まないで応募。

世界各国から大勢の方々が参加するコンテストです。応募規約を読み、ご理解いただいたうえで応募するのがマナーです。応募後に「納得がいかない」では、嫌な思いをするだけです。


■作品データの不備。

上位入賞したときに確認が非常に大変な場合があるので、応募の際には正確な記入にご協力ください。


■結果発表の前に応募作品の様子(制作工程、完成問わず)をSNSなどで紹介したいとの要求。

お気持ちはわかりますが、審査員の方が意図せずとも目にしてしまう可能性や類似作品を生む恐れもありますので、ご遠慮ください。作品のオリジナリティを尊守した、厳正な審査に務めたいと思います。作品発表はNAパーティーおよびその直後の公式ホームページで、世界一斉に楽しみましょう。