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Enjoy DOOA 「古い流木と苔による 佗び寂びの表現 癒しのパルダリウム」

本間 裕介本間裕介
パルダリウムというと、熱帯ジャングルのような雰囲気を再現することが多いが、今回は落ち着いた佗び寂びを感じるレイアウトを目指した。参考にしたのは以前撮影で訪れた場所で見た光景で、朽ちた樹木と薄い土壌の上に深緑の苔とさまざまな植物が共存している様子が印象的だった。そんな朽ちていく樹木の様子を表現するために、構図素材には今にも朽ち折れそうな古い流木を使用した。システムパルダで高い湿度が保たれたお陰で流木に良い感じに苔が生え、アクアリウムとは一味違ったゆったりとした癒しの時間を与えてくれる。
[SYSTEM DATA]
○パルダライト 60
○システムパルダ 60 W60×D30×H45(cm)
○ミストボックス
○ミストフロー
○ミストフローキャップ
○サーキュレーションファン 40
○メタルキャビネット 60(ブラック)
○パワーコード S-70
○流木
○コロラドサンド
○渓石
○ジャングルソイル
○ジャングルベース
○佗び草ミスト

[植物]
ペリオニア・レペンス/着生シダの一種/シノブゴケの仲間
フィカス・プミラ・クエルシフォリア/ジャングルプランツ メディオカルカ・デコラタム”オレンジ”
佗び草マット プレミアムモス/佗び草マット クリスマスモス/佗び草マット ピーコックモス

2020年5月20日 撮影(ADA)
レイアウト制作・文 本間 裕介
ⒸAQUA DESIGN AMANO

佗び寂びの表現のため 植物の種類を絞り 落ち着いた雰囲気に


一般的なパルダリウムでは派手な印象の熱帯植物を多用するが、今回のレイアウトは落ち着いた雰囲気にしたかったので、使用する植物は派手すぎない種類に絞ってシンプルな配植にした。モスについては数種類混ぜて使用することで、より自然な雰囲気を演出している。これまでのパルダリウムでは前景まで植物を植栽することが多かったが、今回は佗び寂びを表現するために前景部分に化粧砂と石を用い、そこにモスを貼り付けた。この表現はネイチャーアクアリウムから取り入れたもので、今回のレイアウトのポイントにもなっている。
全体の構成と植物の配置
長い時間を経てできた悠久の森をイメージし、モスの部分を多くしている。空間を大きく取ることで、植物たちの生長していくスペースにも余裕ができる。
フィカス・プミラ・クエルシフォリア
ヒメイタビに良く似るがオオイタビの変種という扱いになっている。ツタ状に生長し、育成環境の幅も広く扱いやすい。
セラジネラsp.
パルダライト60に照らされ、落ち着いた赤味をみせるマレーシア産のセラジネラの仲間。同属のピクタと同じような生長をする。
メディオカルカ・デコラタム “オレンジ”
初めてのパルダリウムに導入しやすいラン科植物の一種。ニューギニア原産で可愛らしいオレンジ色の花をいくつも咲かせる。
ペリオニア・レペンス
グラウンドカバーから壁面まで広く役をこなすことができる。生長が早いため、伸びてきたら適宜トリミングをする。
着生シダの一種
熱帯雲霧林では、樹幹や岩にシダ植物が着生している姿をよく目にする。目立たなくとも、臨場感を出すことができる必須の存在。
シノブゴケの仲間
モスは複数を配植することで、自然の深みを表現できる。シノブゴケの仲間の繊細な葉姿は、マクロな視点で見ていても楽しい。
プレミアムモス
水辺を意識してプレミアムモスを選択した。扁平に広がりやすく、濡れたモスグリーンが美しい。

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